博物館・劇場日記

アニヤ・イグナティウスのシベリウスのバイオリン協奏曲を聞いて

シベリウスのバイオリン協奏曲は、バイオリン協奏曲の中では、最近でも人気があると思われます。交響曲は、1990年頃から、色々な指揮者が取り上げて、一時、人気曲になりましたが、最近は、一時期ほどは、取り上げられなくなっていると思われます。交響曲の…

アーロン・クロスニックのディーリアスのバイオリンソナタをめぐって

ディーリアスのバイオリンソナタは好きな曲ですが、録音は多くありません。最近のYou tubeを見ると思いのほかに、演奏する人が増えています。一方、最近では、古い演奏を耳にすることもあって、特に、アーロン・クロスニックの演奏を聴いて大変感心しました…

アレクサンドル・カントロフのショパンのピアノ協奏曲2番を聞いて

2019年チャイコフスキーコンクール優勝のAlexandre Kantorowは、コンクールでは前例のない第2番の協奏曲をひいたようです。ということは、普通に演奏しても、効果が上がりにくい曲を料理することが得意と思われます。CDも数枚出ているようですが、ショパンの…

「野口悠紀雄:中国が世界を撹乱する」を読んで

野口悠紀雄はWEBにいくつか連載を持っていて、それをまとめて本を出しています。本書は、2019年7月から2020年3月に現代ビジネスのWEBの掲載された記事をまとめたもので、2020年6月に出版されています。ですから、現在(2020年10月)は、出版から4か月が経過…

「人口の中国史」を読んで

上田 信著「人口の中国史」が出ていたので、買ってきて読みました。 その理由は、中国の人口史のデータが今までは、ほとんど皆無だったからで、10年以上前に、調べたときには、和書では、「羊の歌」が唯一で、その前のレポートは、なんと、満鉄調査部のも…

ティボーデとアルティノグリュ のラベルのピアノ協奏曲

アルティノグリュとコンセルトヘボウ管弦楽団のフランクが大変よかったので、2020年3月の同じ日の演奏会のジャン=イヴ・ティボーデとのラベルのピアノ協奏曲もラジオ放送で聞いてみました。ト長調の両手の方です。 ラベルの音楽は、美しいと感じる部分と、…

アラン・アルティノグリュ のフランクの交響曲を聞いて

アラン・アルティノグリュは、中堅の最近人気が出ている指揮者です。 アルティノグリュがコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したフランクの交響曲の演奏を最近、ラジオ放送で聞きました。 フランクの曲は、傑作としての評価は定まっている曲がいくつかあるので…

「安宅和人:シン・ニホン」を読んで

安宅和人氏は「イシューからはじめよ」の著者です。ただし、今回の本では、イシューはどこかにいってしまいました。簡単にいえば、審議会資料とか、白書を読んでいるような感じです。色々かいてあるが、結局何が重要かよくわかりません。同じマッキンゼー出…

エマニュエル・トッド「大分断」をよんで

トッドのインタビューと雑誌の記事をまとめた新書です。 雑誌の記事の割合が多いためか、インタビュー中心の中身が薄い感じはしません。 「トッドが何を問題にしているのか」という問題設定自体が大変印象深いです。 また、設定して問題を歴史的に、ダイナミ…

あるピアニストの二度目の死

レオン・フライシャーの死 ピアニストのレオン・フライシャーが亡くなりました。 ある曲について、最初にきいた演奏が、演奏を評価する基準になってしまい、その演奏を評価することができなくなってしまうことがあるとはよく言われれます。筆者にとっては、…

オリンパスはもうどこにか行ってしまった~「カメラ設計者 米谷美久 講演会」を読んで

「カメラ設計者 米谷美久 講演会」 オリンパスが6月にカメラ部門を売却することを決めました。米谷(まいたに)は、オリンパスのカメラをほぼゼロから作った伝説の技術者です。既に、2009年に亡くなられていますが、過去に行った講演会の記録をオリンパスの…

6月30日はもうこない~「2020年6月30日にまたここで会おう」を読んで

瀧本哲史「2020年6月30日にまたここで会おう」を読んで 瀧本氏は2019年8月に亡くなられたので、新著はないものと思っていました。しかし、2012年の6月30日の東京大学における講義を収録した本が4月に出ていました。タイトルは、2012年の講義の最後の瀧本氏の…

映画「21世紀の資本」を見ました

「21世紀の資本」を見てきました。本を映画化する場合には、そのままでは、ストーリーのある映像にはならないので、組み替えることが普通です。ですので、「21世紀の資本」どのように組み替えて、映画に仕立てるのかが、関心がありました。 結論からする…

映画「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」を見ました

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」は劇場公開が、1月24日なので、ちょっと古い映画になりますが、コロナで、映画感が閉まってしまったので、久しぶりの映画鑑賞となりました。観客は我が家以外は1名だけでした。路線バスの場合、損益分岐点は乗客数6名と…

映画「黒い司法0%からの奇跡」

「黒い司法」というハリウッド映画を見てきました。 出典は次のノンフィクションのようです。 黒い司法――黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-9) 展開は予想通りです。 きれいな映像はありません。 カーチェースも…

「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」を読んで

山口周氏の上記のタイトルの本を半年以上前に読みました。 このブログでは、本に関する記載は今までしていなかったのですが、思うところがあって、今後書いていこうと思います。 この本は「理系の論理で解決できる問題は努力すれば誰でもできる。今後大切な…

映画「パラサイト」(その2)

映画「パラサイト」を見てきました。これについては、既に、「寓話」と「暗さ」についてコメントしてています。 アカデミー賞を受賞した映画なので、それなりに、色々なところでコメントがなされており、それらをみて、気になった点を追加・修正しておきます…

映画「パラサイト」

映画「パラサイト」を見てきました。 コメントは2つあります。「寓話」と「暗さ」です。 寓話 映画全体が「寓話」の集合体になっています。個別のエピソードは明らかに「寓話」としてみないと、不自然で納得ができません。ここまで、リアリティを排除して「…

「ナイブズ アウト」

「Knives out」を見てきました。 ライアン・ジョンソン監督の5本目の長編映画になります。前作は、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」でしたで、そちらの方で記憶されている方が多いと思います。 内容は、クリスティのミステリーの世界です。探偵役は007…

新国立劇場「セビリアの理髪師」

新国立劇場で「セビリアの理髪師」を見てきました。ひとこと良かったです。オペラとオペレッタは基本同じレベルには扱われないのですから、ミュージカルと比べるのは無粋でしょう。ロッシーニにあったら、現役時代のベートーベンも人気はかなったのですから…

「映画スターワーズ スカイウォーカーの夜明け」

スターワーズの最終回をみてきました。キャリー・フィッシャーさんは、残された未利用シーンの活用ということで、存在感が小さいのはいたしかたないと思われます。 印象に残った点は以下です。 ジョン・ウィリアムスの音楽は、さすがといううまさで、ツボを…

東京宝塚歌劇 宙組 『el japon -イスパニアのサムライ-』を見てきました

動機は、宝塚をみたことがないからというものです。 感想は、自分はよい聞き手ではないというものです。 宝塚がお好きな方は十分にたのしめると思います。また、観客の8割は女性でした。 照明、ダンス、歌唱は、宝塚ですから、外してはいません。さすがです…

「映画ダウントン・アビー」の描く黄昏の英国

映画のおすすめな点 TVドラマは見ていませんが、「ダウントン・アビー」を見てきました。 ポイントは次の点です。 「大英帝国の黄昏」がテーマの一つ。エルガーの音楽の世界観、カズオ・イシグロの世界などの共通するサッチャリズムの前のイギリス。サッチャ…

キエフバレイのくるみ割り人形と1人あたりGDP

12月21日に、水戸で、キエフバレイ(ウクライナ国立バレイ団)のくるみ割り人形をみました。 千波湖岸にあるザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県⽴県⺠⽂化センター)で、ステージは奥行きが狭くて、ちょっと申し訳ない感じでした。また、音楽は、スピーカーを使っ…

画像のスケールについて~森デジタルアートミュージアムとルーブル博物館

森デジタルアートミュージアム:エプソンチームラボ ボーダーレスに行ってきました。その前の週にルーブルに行ってきたので、2つを例に、ここでは、画像のスケール感について、考えてみます。 カメラの画角と人間の視角 カメラでは、スケール感に関係するパ…

ゴッホ展と写真の構図と解像度

上野の森美術館のゴッホ展 (10月11日 (金) 〜 2020年1月13日 (月))を見にいってきました。 HPは以下です。 http://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=913189 ここでは、ちょっとへそ曲がりな見方をしてきたので、ゴッホ展を例に構図について考…

ダニエル・ハリトーノフのピアノリサイタルを聴きました

ダニエル・ハリトーノフのピアノリサイタルを聴きました。1998年サハリン生まれ。この人は、2015年のチャイコフスキー国際コンクールで3位入賞ということです。この年は、1位が1名、2位が2名、3位が2名います。ちなみに、このコンクールは4年に一度開かれて…

ラマンチャの男

10月末に帝国劇場のラマンチャの男を見てきました。10月23日が、1300回の記念公園だったようで、そのちょっと後になります。 主役の松本白鸚さんは77歳だそうで、1969年から主役を50年以上演じているそうです。 さすがに、お年で、最初は声のノリがちょっと…