2019-01-01から1年間の記事一覧

LUTを利用する(1)~3D LUT(1)(darktable3.0第69回)

準備 darktable3.0の新機能に、3D LUTがあります。これは、フィルムを色合いをRGB3次元空間の変換テーブルとして定義する方式で、動画を中心に用いられている機能です。darktableには、既に、styleファイルで、フィルムの色合いを定義する方法がありました…

画像を探し出すには~画像の検索(darktable3.0第68回)

検索条件の絞り込み darytableでは、画像コレクションの画像は、フィルムロール単位で整理されます。なお、フィルム写真のロールは最大でも36枚か72枚(ハーフサイズ)ですが、ここでは、サイズ制限はないので、ロールに含まれる写真の数が多くなります。こ…

サムネイル画像表示し、画像を整理するには~ライトテーブル(darktable3.0第67回)

今まで、画像の編集を中心に説明してきて、ライトテーブルの使いかたをスキップしてきたので、この辺で、復習しておきたいと思います。 画像の取り込み 画像の取り込みは、 カメラをデバイスとして、スキャンして読み込む メモリーカードの内容を、フォルダ…

素早く操作するには~ショートカットの利用(darktable3.0第66回)

darktableの説明では、今までも、CNTL+XXとか、SHIFT+CLICKといった、ショートカットキーを紹介してきました。 darktableのショートカットキーは、沢山あるので、使用頻度の高い機能に限って、ショートカットキーをつかえばよいと思います。そうはいっても、…

キエフバレイのくるみ割り人形と1人あたりGDP

12月21日に、水戸で、キエフバレイ(ウクライナ国立バレイ団)のくるみ割り人形をみました。 千波湖岸にあるザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県⽴県⺠⽂化センター)で、ステージは奥行きが狭くて、ちょっと申し訳ない感じでした。また、音楽は、スピーカーを使っ…

肌のニキビとシミをとるには(2)~レタッチ(2)(darktable3.0第65回)

ウェーブレット分解 ウェーブレット分解は、元の画像を詳細の異なる複数のレベル(詳細スケール)の画像に分割します。 ウェーブレットを使ったレタッチでは、元の画像を数の詳細スケールの画像にいったん分割し、分割した画像を個別に処理し、そのあとで、…

darktable3.0正式版リリース(darktable3.0番外)

darktable3.0.0の正式版がリリースされました。 クリスマスプレゼントのようです。 マニュアルは、2.6からまだ更新されていません。 https://www.darktable.org/install/ https://github.com/darktable-org/darktable/releases/tag/release-3.0.0 なお、dark…

肌のニキビとシミをとるには(1)~レタッチ(1)(darktable3.0第64回)

レタッチのマーケット レタッチの主な活躍どころにポートレートがあります。 プロのカメラマンの主な食い扶持に、結婚式の写真があります。 風景写真や、マクロ撮影は、撮り直しが利く場合が多く、アマチュアカメラマンでも、失敗したら撮り直しを何回かすれ…

画像の位置を表示・変更するには~マップ(darktable3.0第63回)

RAW画像の位置のデータ Jpeg画像には、Eixfという画像データ以外のデータを記載する部分があります。ここには、絞り、シャッター速度、カメラ名、レンズはどのデータが記載されています。 Rawファイルは、カメラ各社の独自フォーマットなので、Jpegのように…

階調をなめらかにして、見やすい写真にするには~ローカルコントラスト.vs.シャドウとハイライト(darktable3.0第62回)

逆光などの写真で、明暗の階調が極端になった場合には、暗いところは明るくして、明るいとことは暗くして、階調を滑らかにすることで、暗所や明所がはっきりした写真にすることができます。 カメラメーカは、こうした補正に、各社独自の名称をつけています。…

風景写真に明るいレンズは必要か(その6)~iPad pro

前回iPadの撮影テストをしたときに、デフォルトの動画モードがオンになっていたため、画素数が本来1200万画素のところを1/4の300万画素になっていました。ですから、一度、本来の1200万画素での比較をしたいと思っていました。 そこで、風景写真の比較シリー…

風景写真に明るいレンズは必要か(その5)~iPad Pro

前回iPadの撮影テストをしたときに、デフォルトの動画モードがオンになっていたため、画素数が本来1200万画素のところを1/4の300万画素になっていました。ですから、一度、本来の1200万画素での比較をしたいと思っていました。 そこで、風景写真の比較シリー…

気に入った画像の色合いをまねするには~カラーマッピング(darktable3.0第61回)

初冬の公園を撮った2枚の写真があります。 サンプル1とサンプル2(その1)です。 サンプル1の紅葉はきれいですが、サンプル2(その1)は、芝生が青くて、雰囲気はいまいちです。 この例のように、2枚の写真があて、1枚目の色合いの雰囲気を2枚目に移すモ…

中間トーンをきれいに表現するには~ゾーン(darktable3.0第60回)

ゾーンシステム ゾーンシステムは、アンセル・アダムスが開発した撮影・現像手法です。 次に厳密性は無視して単純化して、要約します。 前提条件 モノクロ写真のダイナミックレンジの違い。 実世界:12EV ネガ:10EV ポジ:8EV 第1に単純に線形変…

花の色を鮮やかにするには~RGBレベル(darktable3.0第59回)

RGBレベルモジュール darktable3.0からは、従来のレベルモジュールに加え、RGBレベルモジュールが追加されています。 従来のレベルモジュールはLab空間のLチャンネルで、白、黒、グレーを設定していました。 これに対して、RGBレベルモジュールでは、 RGB連…

トーンカーブに関する補足~RGBカーブ(darktable3.0第58回)

トーンカーブの歴史 トーンカーブについては、以前にマニュアルに準拠して簡単に触れています。 簡単にふれていますというのは、トーンカーブは、深入りすると底なし沼になるのではないかという危惧があるためです。 darktabel3.0から利用可能になって3D LUT…

USMを使わずにエッジをくっきりさせるには~ハイパスフィルター(darktable2.6第57回)

このフィルターについては、マニュアルにはほとんど記述がありません。 以下のページをみるとハイパスフィルターは一般にはUSMと同じようにエッジをくっきりさせるために使うようです。 http://iffles.com/2009/10/07/sharpening-unsharp-mask-vs-high-pass-…

ぼけを入れるには~ローパス(darktable2.6,3.0第56回)

マニュアルでは、劇的な効果を生ずることがあるが、効果を事前に予測しがたいモジュールを紹介されています。 ここでは、デフォルトパラメータで使ってみました。 パラメータ サンプル1 サンプル1の処理の結果です。左が、処理前、右が、処理後になります…

モナリザの額を入れ替えるには~フレーミング(darktable2.6第55回)

次の画像は、モナリザの額縁を入れ替えたものです。モナリザはルーブルの至宝で、見学者はガラスの外から眺めるだけで、まったく、触れることはできませんが、画像処理では、額縁を入れ替えることができます。それには、フレーミングモジュールを使います。 …

風景写真に明るいレンズは必要か(その4)~Leica 15mm F1.7

比較結果2 前回の続きで、別のシーンでの比較です。 Lumix G 12-32mm F3.5-5.6 15mm,F8,0,1/500sec,ISO200 パナソニックのレンズの全景です。 パナソニック 全景 パナソニックのレンズの中央の等倍です。 パナソニック 中央等倍 パナソニックのレンズの左下…

コピーライトを写真に入れるには~透かし(darktable2.6第54回)

透かし(watermark)を入れるツールです。絞り、ISOなどEXIFの情報を、自動的に入れ込むこともできます。 マニュアルには、こうした場合のパラメータ設定に多くのページをさいていますが、指定した文字の透かしを入れるだけであれば、簡単です。 パラメータ サ…

アールヌーボーの曲線をきれいに変形するには~液状化ゆがみ(darktable3.0第53回)

写真は、アールヌーボーのドームが残るパリのギャラリー・ラファイエット百貨店です。このガラスと鋼鉄のドームは1912年の建設で、既に、100年以上が経っています。実は、この画像は、撮ったままではなく、遠近感が出るように修正されています。どこが、修正…

画像のスケールについて~森デジタルアートミュージアムとルーブル博物館

森デジタルアートミュージアム:エプソンチームラボ ボーダーレスに行ってきました。その前の週にルーブルに行ってきたので、2つを例に、ここでは、画像のスケール感について、考えてみます。 カメラの画角と人間の視角 カメラでは、スケール感に関係するパ…

紅葉と青空のコントラストを際立たせるには~カラーバランス(darktable3.0第52回)

ここでは、カラーバランスモジュールを使って、紅葉を引き立てます。 紅葉は、既に、題材として何回も使っているので、またかという印象を持たれるかもしれません。 カラー処理では、効果が見えやすいのでサンプルに取り上げました。今回は、紅葉の赤だけで…

ゴッホ展と写真の構図と解像度

上野の森美術館のゴッホ展 (10月11日 (金) 〜 2020年1月13日 (月))を見にいってきました。 HPは以下です。 http://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=913189 ここでは、ちょっとへそ曲がりな見方をしてきたので、ゴッホ展を例に構図について考…

130年前のエッフェル塔の写真を作る~粒子・周辺光量補正・カラーライズ(darktable3.0第51回)

サンプル1 エッフェル塔 エッフェル塔が竣工したのは、1889年で、130年が経過しています。乾板写真は1884年にヨーゼフ・マリア・エーダーが改良し、ハンドカメラや瞬間シャッターの開発を促し、手持ち撮影が可能になった(Wiki)といわれていますから、エッ…

風景写真に明るいレンズは必要か(その3)~Leica 15mm F1.7

前書き F8での比較を、前回は、FE-Mマウントで、Sigmaの単焦点とCanonのズームで行いました。 今回はマイクロ43で明るい単焦点のLumix Leica 15mm F1.7があるので、これと、キットレンズのズームを比較してみます。このレンズは、前にも登場しているのですが…

ダニエル・ハリトーノフのピアノリサイタルを聴きました

ダニエル・ハリトーノフのピアノリサイタルを聴きました。1998年サハリン生まれ。この人は、2015年のチャイコフスキー国際コンクールで3位入賞ということです。この年は、1位が1名、2位が2名、3位が2名います。ちなみに、このコンクールは4年に一度開かれて…

イルミネーションをきれいに表現するには(その2)~露光(darktable3.0第50回)

サンプル1 イルミネーションをきれいにする方法として、既に、露光でblack levelを調整する方法を紹介しました。 ここでは、続きとして、露光モジュールの兄弟モジュールともいうべき、フィルライトとレベルモジュールを使った方法(サンプル1)を紹介しま…

風景写真に明るいレンズは必要か(その2)~Sigma 16mm F1.4 DC DN

引き続き、別のシーンでの比較です。ズームレンズの画角を16mmにしたつもりでしたが15mmになっていました。画角が少し違いますがご容赦ください。 比較結果2 Sigma 16mm F1.4 DC DN、F8,16mm、ISO100,1/320sec シグマの全景です。 シグマ 全景 シグマの等倍で…