映画「オッペンハイマー」

映画「オッペンハイマー」を見ました。

 

映画は、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによる2005年の伝記「アメリカン・プロメテウス」に基づいています。

 

映画のシーンが、実際の時間順序と入れ替わっているところがあること、秘密保安公聴会と上院承認公聴会の時間順序も交錯していて、時間を正確に追いかけられてた人がどれくらいいるか、疑問になりました。

 

少なくとも、日本語のウィキペディアの「オッペンハイマー (映画)」には、正確な記述がありませんでした。

 

時系列は、以下です。

1943年から1945年12月 ロス アラモス研究所所長。

 

1947年 ルイス・ストローズの申し出で、プリンストンの高等研究所の所長(1966 年、健康を理由に辞任する死の前年まで)。

 

1947年 新設された米国原子力委員会の総合諮問委員会の委員長。

 

1954年、ルイス・ストローズは、オッペンハイマーの政治的影響力を排除する目的で、人事保安委員会の秘密保安公聴会を画策します。

 

1954 年、米国原子力委員会(AEC)は 4 週間にわたって、オッペンハイマーのセキュリティクリアランス公聴会が開催されます。

 

公聴会の結果、機密保持許可が喪失し、オッペンハイマーの政府および政策における役割は終了します。

 

1959年、商務長官に対するストローズの上院承認公聴会で、ヒルオッペンハイマーの失脚を企てたストラウスの個人的な動機について証言した。ストローズの指名は否決されました。 1963年、リンドン・B・ジョンソン大統領は政治的復興の一環として オッペンハイマーにエンリコ・フェルミ賞を授与しました。(注1)

 

「商務長官に対するストローズの上院承認公聴会」は、映画以外では、出てきません。

 

注1:

エンリコ・フェルミ賞は、英語版の「オッペンハイマー (映画)」の解説に書かれています。映画には、出て来なかった気がします。

 

ジーン・タトロックの死については、暗殺説があります。

 

英語版のウィキペディアの「ジーン・タトロック」には、次のように描かれています。

 

暗殺説はドラマミニシリーズ「マンハッタン」や2023年の映画「オッペンハイマー」でも提示されている。後者では、オッペンハイマーはタトロックの死をさまざまな方法で想像しています。タトロックは浴槽に徐々に頭を下げ、別のシーンでは手袋をはめた手が彼女の頭を水中に押し込んでいるのが見られます。

 

映画「オッペンハイマー」を見て、暗殺説が理解できたでしょうか。

 

映画「オッペンハイマー」は、かなりの事前知識を要求しているように見えます。

 

事前知識のレベルで見え方が大きく変わます。

 

英語版のウィキペディアの映画「オッペンハイマー」の解説の冒頭は以下です。

オッペンハイマー」は、クリストファー・ノーランによって脚本、監督、製作された2023 年の壮大な 伝記 スリラー映画です。

 

スリラー映画として見るべき映画のようです。