Fabienne Jacquinot のフランスの山人の歌による交響曲

Fabienne Jacquinot (1927-2016 )は、フランスの女性ピアにストで、カタカナ表示はファビエンヌ ・ ジャッキーノ 他10通りくらいあって決まっていません。ここでは、ファビエンヌ ・ ジャッキーノ と書きます。

ダンディのフランスの山人の歌による交響曲Op. 25はけっこう、好きで聞いています。最初に聞いたのが、アンリオ=シュヴァイツァー(p)、ミュンシュの演奏で、良い演奏ですが、第3楽章の出だしが下品で、チンドン屋さんみにたいです。この曲が好きだと言いう人が少ない(あるいは、言いにくい)理由は、恐らく、第3楽章の出だしにあると感じます。ここを品よく仕上げるのは、容易ではありません。

人気のある曲ではないので、録音の数は限られています。ライブもいれて、大まかなリストは、以下です。

今回、You tubeなどで、音源が聞けたのは、1,4,5,6,8、9,11です。

  1. 1934 マルグリット・ロン(p)、ポール・パレー、コンセール・コロンヌ、1934年5月24、25日

  2. 1941 マキシム・シャピロ(p)、モントゥー、サンフランシスコSO、1941年4月21,22日

  3. 1950頃 ロベール・カサドシュ(p)、ジョージ・ウェルドン、フィルハーモニアO

  4. 1950頃 ロベール・カサドシュ(p)、シャルル・ミュンシュニューヨーク・フィル

  5. 1953 ファビエンヌ・ジャッキーノ - Fabienne Jacquinot (p)、アナトール・フィストゥラーリ、ウェストミンスター・シンフォニーオーケストラ

  6. 1953 アルド・チッコリーニ(p)、アンドレ・クリュイタンス パリ音楽院O、1953年6月16、29日

  7. 1955 ロベール・カサドシュ(p), エルネスト・アンセルメ、スイス・ロマンドO、1955年10月5日 ライヴ

  8. 1958 ロベール・カサドシュ(p)、ユージン・オーマンディフィラデルフィアO

  9. 1958 ニコール・アンリオ=シュヴァイツァー(p)、シャルル・ミュンシュ、ボストンSO、1958年3月24日

  10. N.H.シュヴァイツァー(P)ピエール・モントゥー、ボストンSO、1959年7月19日ライブ

  11. 1975 アルド・チッコリーニ(p)、ボード、パリ管O

  12. 1989 ジャン=イヴ・ティボーデ、シャルル・デュトワモントリオールO 1989年10月

  13. 1991 ジャン=フィリップ・コラール(p) 、ヤノフスキー、フランス放送フィルO

  14. 1993 フランソワ=ジョエル・ティオリエ(p)、アルメイダ、アイルランド国立O

  15. 2012 ルイ・ロルティ、 ラモン・ガンバ、アイスランドO 2012年10月29日-11月1日

1.は、基準となる演奏ですが、ロンも、パレーも、割り切りのいいわかりやすい演奏です。

演奏は、フランスのピアストに限定されます。

ロベール・カサドシュは、ルイ・ディエメの弟子、

フランソワ=ジョエル・ティオリエは、ロベール・カサドシュの弟子、ルイ・ディエメの孫弟子、

ニコール・アンリオ=シュヴァイツァーは、マルグリット・ロンの弟子、

ジャン=イヴ・ティボーデは、チッコリーニの弟子、

ファビエンヌ・ジャッキーノ は、イヴ・ナットの弟子、ルイ・ディエメの孫弟子、

ジャン=フィリップ・コラールは、ピエール・サンカン(イヴ・ナットの後任)の弟子、

ルイ・ロルティは、イヴォンヌ・ルフェビュールの弟子、アルフレッド・コルトーの孫弟子、

です。

アルド・チッコリーニは、イタリア生まれなので、異色ですが、パリ音楽院で、教えています。パリ音楽院関係者以外が、この曲を録音することは少ないです。

1941年のマキシム・シャピロは、ニコライ・メトネルの弟子のロシアのピアニストで、1927年から1939年まで日本で活動していました。1939年にアメリカ合衆国に渡っています。この人だけが、パリ音楽院関係者ではありません。

さて、ファビエンヌ ・ ジャッキーノの演奏を聞いたのは、アナトール・フィストゥラーリにひかれたからで、ピアニストのことは頭に、ありませんでした。

フィストラーリは、ロシア生まれの、英国の指揮者ですが、英国に渡る前には、フランス国籍で、フランスの軍隊にいたこともあります。ファビエンヌ ・ ジャッキーノはレジスタンスをしていたこともあるようなので、共通点があります。

フィストゥラーリという人は、バレー音楽の神様で、バレー音楽のポイントである「決して重くなりすぎず、下品にならない」ことができる稀有な指揮者です。第3楽章の出だしの部分が気になりました。

たとえば、11のボードは、第3楽章の出だしの部分のテンポを落として、下品になることをさけています。その結果、下品ではなくなったのですが、ブルックナーのような大交響曲のように聞こえます。この作品は、フランクの影響を強く受けていますので、こうした解釈も可能ですが、好みではありません。

フィストゥラーリと比べると、この曲の代表版であるミュンシュは、品がなく聞こえてしまいます。

フィストラーリの演奏は、第1楽章の出だしは、非常にゆっくりしたテンポで、コールアングレがテーマを奏でます。オーケストラは、録音用の団体名称なので、正体はわかりませんが、イギリスのオケです。コールアングレは、水彩のような淡い色合いで、ちょっと推しが弱く感じられますが、逆に言えば、ローカル色を強調せず、非常に上品です。個人的には、この部分は、フィストラーリ盤が一番好みです。

ファビエンヌ ・ ジャッキーノは、指が良く回っていますが、それでいてピアノが前に出ている訳ではありません。

第3楽章は、比較すると、やはり、フィストラーリが一番上品だと思います。

トータルでは、このフィストラーリ盤がベストと思います。

ファビエンヌ ・ ジャッキーノが、アナトール・フィストゥラーリと1950-年代に録音した曲は以下です。

恐ろしくマイナーな曲が並んでいます。

これでは売れないので、レコード会社がOKを出すことが信じられません。

つまり、ジャッキーノは、お付き合いで録音しているわけでは、ありません。

なお、ジャッキーノの夫は、ギリシア人で、彼女は、最後は、ギリシアで亡くなっています。

 

  1. サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番ヘ長調 op.103『エジプト風』

  2. ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲

  3. ダンディ:フランスの山人の歌による交響曲 op.25

  4. ドホナーニ:童謡の主題による変奏曲

  5. R.シュトラウス:ブルレスケ

  6. プーランク:オーバード