データサイエンス

理系の経済学(1)連続方程式と運動方程式

(連続方程式と運動方程式を説明します) 1)微分方程式の世界 物理学も、経済学も、微分方程式で記述される世界です。 これから、経済学を物理学の視点で整理することが可能です。 地球温暖化のシミュレーションでは、微分方程式を数値的に解きます。 基礎…

プレイステーションとNVIDIA

(半導体ビジネスについて考えます) 1)半導体の話 ソニーグループ傘下で、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」を手がけるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2024年2月27日、世界で約900人の人員を削減すると発表しました。 米…

政治倫理審査会をめぐって

政治倫理審査会が開かれました。 衆議院の説明は以下です。 < 政治倫理審査会は、政治倫理の確立のため、議員が「行為規範」その他の法令の規定に著しく違反し、政治的道義的に責任があると認めるかどうかについて審査し、適当な勧告を行う機関です。 本審…

特攻問題の研究(5)フィードフォワードシステム

(フィードフォワードシステムの恐怖について説明します) 1)市場原理の基本 生産性をあげる方法は市場原理しかありません。 これが、前世紀に社会主義国家が破綻した原因です。 生産性をあげるためには、適切な資源配分が必要です。 この資源配分について、…

特攻問題の研究(4)政策と人事

(政権交代の条件を考えます) 1)アメリカのシンクタンク アメリカにおいてシンクタンクは政府高官の供給源の一つであり、特に新政権が発足す る時には、数多くのシンクタンク関係者が政府高官に任命されます。レーガン政権やブッシュ政権では、多数の保守…

特攻問題の研究(3)パーティ券と人権

(パーティ券問題の本質は人権問題です) 1)財産権の課題 野口 悠紀雄氏は、パーティ券問題について、次のように書いています。(筆者の一部抽出) < 自民党裏金問題は、納税義務において、政治家が一般国民と別扱いされていることを明らかにした。国民の…

特攻問題の研究(2)現象とプロセス

(現象とプロセスの違いを説明します) 1)特攻問題はプロセス問題です 特攻が問題になる、あるいは、注目をあつめる理由は、特攻が自死を含むという点にあります。 この自死は、観察可能な現象です。 しかし、特攻の再発を防ぐためには、特攻を生み出した…

リベラルアーツは、有害である

(科学の方法について述べます) 1)リベラルアーツの効能 リベラルアーツが有益であるという意見が巷にあふれています。 書店に行けば、哲学や教養の本が平棚に置かれています。 数学の本やプログラミングの本は、専門書のコーナーに行けばありますが、入…

ノーベル平和賞のジレンマ

(2024年のノーベル平和賞を予測します) 1)ナワリヌイ氏の死 ナワリヌイ氏が、2月16日、刑務所で不審な死を遂げました。47歳でした。 2)ノーベル平和賞の手続き 在ノルウェー日本国大使館による、以下の手続きがあります。 前年の 9 月末: 各国に、来…

民主党の遺産

(民主党政権はどこで躓いたかを考えます) 1)議員立法の課題 選挙によって、多数派政党が入れ替わらない限り、政治資金規正法が、まともに、改正されることは困難です。 しかし、選挙によって、多数派政党が入れ替わっても、多数派政党が、悪法の改正プロ…

悪法もまた法なり

(法律改正のプロセスを考えます) 1)悪法 「悪法もまた法なり」は、プラトンの著書「ソクラテスの弁明」にあるソクラテスの発言と伝えられる言葉で、世に存在する法律は、それが例え悪い法律であっても法律は法律であるため、それが廃止されない限りは守…

憲法と人権の話

(憲法を守っていない、人権を無視した法律があります) 1)パーティ券問題の出所 パーティ券問題は、違法ではないという扱いになっています。 これは、個別法に対して違法でないことをいっているだけで、個別法が新憲法の人権を守っていることを保証するも…

三権分立の話

(三権分立の欠陥について述べます) 1)パーティ券の脱税問題 パーティ券のキャッシュバックは、政治資金ではないと考えられます。 これについては、国税庁の捜査を期待する人もいるようですが、国税庁が、捜査をする可能性は低いと考えます。 その根拠は…

特攻の問題の研究(1)問題の設定

(特攻問題を定義します) 1)特攻と特攻問題 特攻は、太平洋戦争で行なわれた作戦です。 これは、人権無視の作戦であり、「特攻を繰り返さないためにはどうしたらよいか」という視点で、特攻を直接の対象とする研究とより一般的な文化に関する研究がなされ…

AIが仕事を奪わない恐怖

(日本ではAIが普及することは困難です) 1)AIが仕事を奪う話 欧米では、AIが、人間の仕事に入れ替わっています。 欧米では、近い将来AIが人間の仕事を奪うという予測をしている学者が多くいます。 日本の学者には、横の物を縦にする(英文を日本語にする…

デザイン思考対帰納法

(このブログの正しさについて説明します) 1)ブログの正しさ ブログを書き始めて3年が過ぎました。 半年前までは、出来るだけ間違いを書かないようにしようと、帰納法を使っていました。 しかし、帰納法では、仮説の検証はできません。 帰納法を使ったか…

デザイン思考とジョブ型雇用の評価

(ジョブ型雇用の評価はデザイン思考です) 1)帰納法の欠陥 ジョブ型雇用の能力評価は、成果ではなく、デザイン思考能力です。 このことが理解されておらず、ジョブ型雇用は成果主義であると勘違いされているので、具体例を使って説明してみます。 デザイ…

土地利用計画とは何か

(政治主導は、土地利用計画を破壊してきました) 1)土地利用計画 将来の地域の人口は利便性によります。 新聞では、子育て支援政策に重点を置いた自治体の人口が増える、鉄道の駅がある自治体の人口が増えるといった記事が掲載されていますが、こうした記…

許認可行政と拡張された過疎問題

(許認可行政は拡張された過疎問題です) 1)官僚支配の構造 拡張された過疎問題の構造を考えます。 過疎問題は、過疎のエリアを政治資金の集金エリアと非集金エリアの2つにわけます。 そして、政治資金の集金エリアには、キャッシュバックをします。 拡張…

3つ山で考える

(分布を考えることがデザイン思考のスタートです) 1)平均値の弊害 拡張された過疎問題は、弱者を助ける論理になります。 これは、分布の中央、下側、上側の3箇所に代表値を設定して検討する3つ山の分布で言えば、弱者(下位の山)と強者(上位の山)の…

過疎問題の拡張

(拡張された過疎問題を説明します) 1)過疎問題の本質 地域格差是正のために、都市から地方に、税を使った公共事業を通じて所得移転することをぶちあげたのは、田中角栄氏の「日本列島改造論」でした。 ここには、都市(=強者)と地方(=弱者)の間に、…

第3の道

(保守と革新について整理します) 1)保守と革新 英米で見る政治の基本は、保守と革新です。 成長と分配の視点でみれば、成長優先が保守(リバタリアン)で、分配優先が、革新です。 マルクス的な視点で考えれば、革新の圧勝に思われますが、分配を優先し…

つくられた過疎問題

(過疎問題について考察します) 1)集団と個人 最初に、筆者の立場を明確にしておきます。 人権問題から、個人の貧困問題を解消することは、必要です。 また、国連のSDGsでも、誰も落ちこぼれを作らないことが目的とされています。 このSDGsの落ちこぼれと…

費用対効果分析の話

(経済発展をさせる方法を説明します) 1)要素分解と成分分離 科学の基本的な視点に要素分解があります。 グランドで、サッカーボールが転がっている場合、ボールには、キックの外力、芝生の摩擦、風の力が働きます。キックしない場合には、キックの外力は…

科学と法律

(実定法の限界を考えます) 1)ガリレオ裁判 ガリレオは、地動説を理由に有罪判決を受けました。 この裁判から、当時地動説を唱えるものはすべて異端とされたと考えられてきました。 現在では、ガリレオが神父たちよりもキリスト教の本質をよく理解し、科…

ゼロサムゲームの解法

(放置された課題に触れます) 1)トンネルの財源配分問題 「日本列島改造論」をぶちあげた田中角栄氏は、郷里・新潟の過疎の村にトンネルを作り、経済成長よりも配分を優先しました。 トンネルには、3つの財源配分問題があります。 第1は、既に述べたよう…

政治主導の経済効果

(政治主導の経済効果を考えます) 1)田中角栄氏の社会主義 かつて「日本列島改造論」をぶちあげた田中角栄は、郷里・新潟の過疎の60戸の村に12億円の費用をかけてトンネルを作り、猛烈な批判を浴びました。 「週刊現代」2016年10月29日号に掲載された、ジ…

効果的利他主義(EA)と効果的加速主義(e/acc)

(最近、流行の効果的利他主義とと効果的加速主義を説明します) 1)背景 Ian Bremmer(イアン・ブレマー)氏は、1月8日に発表した2024年の世界の「10大リスク」に、「AIのガバナンス欠如」をあげています。 国連はハイレベル諮問機関(ブレマー氏はそのメ…

推論の正しさ

(推論の正しさを無視した議論は不毛です) 1)探究の学習 文部科学省は、探究の学習を進めています。 その根拠は、海外での前例主義にあると思われます。 前例主義は、間違った推論です。 有名なシェフのレシピがあっても、筆者は、まともな料理が作れませ…

自動車検査差不正の科学

(自動車の検査不正防止には科学が必要です) 1)問題解決のアプローチ 問題解決のアプローチに疑問があります。 検査のエラーや検査の落第、検査不正は必ずあります。 検査不正が問題ではありません。 問題は、検査不正の発生確率が減少しないことです。 …