レタッチのマーケット
レタッチの主な活躍どころにポートレートがあります。
プロのカメラマンの主な食い扶持に、結婚式の写真があります。
風景写真や、マクロ撮影は、撮り直しが利く場合が多く、アマチュアカメラマンでも、失敗したら撮り直しを何回かすれば、プロのレベルに達することは可能です。一方結婚式の写真は、チャンスが一度限りで、撮り直しが利かないので、アマチュアにはハードルが高くなります。
カメラメーカーのキャノンは、肌色がきれいにでるように、カメラをチューニングしていることで知られています。これも、プロカメラマンのニーズにこたえるためのものでしょう。
また、最近のデジカメには、肌をきれいに写すモードや、化粧の効果や、小顔にしたり、目を大きくする機能を付けたものもあります。ソニーが圧倒的な精度で他社を寄せ付けない、瞳フォーカスもポートレートを撮影する機会があればこそ価値のある機能です。
肌のレタッチについては、既に、スポット除去モジュールの説明をしましたが、darktable2.6からは、レタッチモジュールが整備されましたので、各段の理由がなければ、スポット除去モジュールではなく、レタッチモジュールをつかうべきです。
電線の修正を例に2つのモジュールの違いを説明します。
スポット除去
スポット除去で、電線を消した例です。電線は確かに消えたのですが、同時に雲も消えて、不自然な画像になりました。
レタッチ
次は、レタッチを使った例です。スポット除去と同じように、電線の上の空をソースとして、電線の部分をデスティネーションとして、処理をしました。ここでは、周りのピクセルに合わせて、雲が再現されています。
使用法
レタッチで、この機能を使う方法を説明します。
最初にシェィプを選択します。ここでは、円を選択しました。
次にアルゴリズムを選択します。ここでは、赤字十字のヒール(修復)ツールを選択しました。
次に、シフト+左クリックでソースを選択します。さらに、左クリックで、デスティネーションを選択します。
この状態で、ソースとデスティネーションの相対位置関係が保存されていますので、あとは、左クリックだけで修復ができます。
使用例
実際に、肌に適用したれいです。
ニキビをデスティネーションにして、修復します。
一度、修復すると、十字と円で相対位置が保存されています。マウスの移動で、この2つはセットで動きます。
元も画像です。これは、タイのチャンライ市のナイトバザールのステージで、タイダンスをおどっていたお姉さんの画像です。ステージが暗かったので、ノイズがのっています。額のニキビと右目尻にある黒子(ほくろ)を修復しました。
次が、修復後の画像です。ニキビは、右目の上のみを修正しましたので、全てのニキビが消えているわけではありませんが、違いが確認できる思います。
次回は、ウェーブレット分解の使い方を説明します。