液状化ゆがみというモジュールがあります。読んで字の通り、直線を液状化したようにゆがめるツールです。
おそらく、このツールを使用上の最大の問題は、いったいどのような場合に、わざと、液状化させるメリットがあるのかという疑問につきると思われます。
これについては、色々考えた結果、このツールを直線に適用するメリットは、ないだろう、このツールは曲線に適用すれば、有益な効果が期待できると判断しています。
次のサンプル1は液状化ゆがみモジュールを画像に適用している例です。ゆがみを適用する円形があらわれるので、この円の半径を、対象とする曲線に当てはまるように、調整する点がポイントになります。ゆがみの大きさは白い矢印の長さで指定します。
次は、液状化ゆがみモジュールです。
左が、元の画像、右が、液状化ゆがモジュールを適用した画像です。ドームの中心が上側に移動していることがわかります。
これは、元の画像です。バルコニーの部分の柱から見える遠近の消失点とドームの頂点が少しずれています。
最初の液状化ゆがみを適用した画像では、この点が改善され、より遠近感がすっきりしています。
もちろん、これは、視点により変わるので、このドームの芸術性にケチをつけているわけではありません。
次のサンプル2はチャペルのステンドグラスです。
左が元の画像で、右が液状化ゆがみをかけた画像です。左の画像が、円形のステンドグラスを下から見上た画像になっていますが、右では、より正面から見た画像ににあっています。変換に伴い、右上の部分に明かりの線が生じています。実際に使う場合には、この部分は、トリミングが必要です。
サンプル3は左が、元の画像、右が、液状化ゆがみを適用した画像です。液状化ゆがみは設定の円をドームに合わせて使っています。
建物の上にあるドームとその下の部分を引き延ばして、高さを増してみました。
おそらく、元の画像を見なければドームが変形していることには気づかない思います。
液状化ゆがみは、曲線部分に、適用することで、曲線のひずみを補正することができます。
パースペクティブに伴う直線のひずみの補正は、パースペクティブ補正または、トリミングと回転モジュールで補正できますが、曲線については、これらのツールが使えないことも多いです。そのような場合には、液状化ゆがみモジュールは有効な解決策になります。