LUTを利用する(1)~3D LUT(1)(darktable3.0第69回)

準備

darktable3.0の新機能に、3D LUTがあります。これは、フィルムを色合いをRGB3次元空間の変換テーブルとして定義する方式で、動画を中心に用いられている機能です。darktableには、既に、styleファイルで、フィルムの色合いを定義する方法がありましたが、これは、基本的には、RGBまたは、Lab色空間の各軸に沿った変換をしていることになりますが、3D LUTでは、あるRGBの点を他のRGBの点に変換するので、自由度が高くなります。

3DLUTを使うには、LUTの定義ファイルを入手する必要があります。

LUTの定義ファイルには次の3種類があります。

  • Cube files

  • Haldclut files

  • Compressed LUT files(G’MIC がインストールされているときのみ)

 

darktableでは、第1に、RawTherapieのLUTファイル(HaldCLUT)を引用しています。

http://rawtherapee.com/shared/HaldCLUT.zip

ここでは、このファイルを中心に3D LUTを試してみます。

最初に、ライトテーブルの設定を開き、内部オプションを選んで、一番したの3D LUTフォルダーを指定します。

また、「OpenCLのサポートを有効にします」のクリックを外します。

これをはずさないと、私のwindowsマシンでは、表示ができませんでした。

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3D LUTの設定

 

事例1

 

サンプル1はHaldCULTのフジフィルムをvelvia100をセットした場合です。

左が元の画像、右が3D LUTをセットした画像です。

これからは、あまり、フジフィルムの色のイメージではありません。

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サンプル1

 

次に、同じ画像で、style fileとの比較をしてみます。

Stuart SowerbyさんのHPに、フジフィルムシミュレートした、LUTとstyle fileがセットで載っているので、これを使ってみます。

https://blog.sowerby.me/fuji-film-simulation-profiles/

 

サンプル2は3D LUTのフジフィルムをvelvia100をセットした場合です。

左が元の画像、右が3D LUTをセットした画像です。色合いというより、暗くなっています。

これからは、あまり、フジフィルムの色のイメージではありません。

 

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サンプル2


 サンプル3はフジフィルムのstyle fileをセットした場合です。

左が元の画像、右がstyle fileをセットした画像です。こちらは、なんとなく、フジフィルムの色のイメージに近く思われます。

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サンプル3


 

サンプル4は3D LUTのコダックのコダクローム64をセットした場合です。

左が元の画像、右が3D LUTをセットした画像です。

なんとなく、コダックらしいですが、色合いは、不自然です。

 

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サンプル4

3D LUTはそのまま使うと、ずいぶんと不自然な画像になります。style fileとくらべると、とくに、そのように思われます。そこで、次は、LUTだけでなく、調整をしてみます。

 

 

事例2

サンプル5はHaldCULTのフジフィルムをvelvia100をセットした場合です。

左が元の画像、右が3D LUTをセットした画像です。

まえの例より、フジフィルムっぽく感じられます。

 

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サンプル5


サンプル6はStuart Sowerbyさんの3D LUTのフジフィルムをvelvia100をセットした場合です。

左が元の画像、右が3D LUTをセットした画像です。

ちょっと、みどりがきつすぎる感じですが、フジフィルムの色のイメージといえなくもありません。

 

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サンプル6

 サンプル7はフジフィルムのstyle fileをセットした場合です。

左が元の画像、右がstyle fileをセットした画像です。3D LUTより自然というか、押の弱い感じがします。

 

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サンプル7

 

サンプル8はベースカーブのフジフィルム調をつかった事例です。

今までより、色のの変化が単調に感じられます。

 

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サンプル8


 

事例3

サンプル9はHaldCULTのフジフィルムをvelvia100をセットした場合です。

左が元の画像、右が3D LUTをセットした画像です。

これが、一番、フジフィルムらしい出来ばえと思います。

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サンプル9

 

まとめ

3D LUTは、共通規格なので、良し悪しを論ずる立場ではありませんが、それなりに、きれいな仕上がりにするためには、積極的に、他の機能で調整すべきと思われました。

次回は、もう少し、事例をあげます。