イルミネーションをきれいにする方法として、既に、露光でblack levelを調整する方法を紹介しました。
ここでは、続きとして、露光モジュールの兄弟モジュールともいうべき、フィルライトとレベルモジュールを使った方法(サンプル1)を紹介します。
フィルライト
フィルライトモジュールは、特定の明るさのピクセルを中央にして、ガウス分布で幅を持たせて、露出を変化させます。
モジュールは3つの横棒からなっていて。上から順に、変化させる露光量、中央のピクセルの明るさの指定、露光を変化させる幅になります。中央の横棒の右には、ピッカーがついていて、画像からピックした明るさは、縦棒でで示されます。現在指定している明るさは三角形で示されます。
サンプル2の処理結果です。左が元の画像で、右が、フィルライトの画像です。イルミネーションが若干大きくなっています。なお、ここでは、暗がりをより黒くする効果はありません。
フィルライトモジュールを使ってみる場合、名称に惑わされて、ライトをより明るくすることのできるモジュールと勘違いしやすいと思います。対象ピクセルを明るい点にとった場合には、露光をあげても、より明るくすることは困難です。幅のパラメータで、明かりを広げることは可能です。フィルライトモジュールで、明かりをより明るくるするためには、対象とするピクセルが明るすぎないことが必要です。サンプル3のパラメータでは、対象を明るすぎない部分にとっています。
サンプル3の処理結果です。左が元の画像で、右が、フィルライトの画像です。ここで、選択されたピクセルは、ねぷたのライトの部分ではなく、青い色の部分です。左に比べ、右の青い部分が明るくなっていることがわかると思います。
レベル
レベルモジュールは、画面の中の、黒、白、グレー指定します。
画面は、Lab空間のLチャンネルを示し、左が黒、右が白の向きになります。
サンプル4では、左から、直線が、黒、グレー、白を指定しています。ここでは、黒を左端より、中央よりにずらしています。こうすると、黒の指定線より左は、黒になります。右の線は、右端より、内側に移動しています。右の線は白を指定します。この線より右側は、白になります。
サンプル4の処理結果です。左が元の画像で、右が、レベル処理の画像です。
ここでの、レベルの使用法は、出来上がったJpegを見れは、強制的に白トビと黒トビを起こしているような使い方です。レベルの使い方としては、変則的です。暗がりは、より暗くなっています。イルミネーションはより白くなっています。色が、飛んでいることがわかると思います。
最初の山王る1では、フィルライトとレベルを組み合わせています。フィルライトで、イルミネーションを明るくして、レベルで暗所をより暗くしています。
レベルを自動で使う
通常のレベルの使い方では、白と黒を正確に表現するために使います。
基本は自動モードでよいと思われます。
自動ボタンを1回クリックすると、Lチャンネルのヒストグラムがあらわれます。
再度、自動ボタンをクリックすると、ヒストグラムの最大と最少に合わせて、白と黒のラインがセットされます。
逆にいいますと、自動ボタンを1回クリックして現れるヒストグラムがLチャンネルの最大値と最少値まで広がっている場合には、自動ボタンを再度クリックしても白と黒のラインは移動せず、変化はおこりません。
つまり、ヒストグラムが全幅より狭い場合にのみ有効です。
なお、その場合でも、グレーのラインは、移動させると、トーンが変わります。
サンプル5がレベルを自動調整した例です。ここでは、ヒストグラムは最大値、最少値に達していないので、白と黒が表現できるはずです。特に白レベルの変化が大きいです。
サンプル5の処理結果です。左が元の画像で、右が、レベル処理の画像です。
花の中央の白がはっきりしているのですが、一方では、花にある傷が目立つようになってしまいました。
サンプル6の自動パラメータです。ここでは、黒レベルが大きく変化してます。
サンプル6の処理結果です。左が元の画像で、右が、レベル処理の画像です。黒は強くなったのですが、手前の樹木が黒くなってしまいました。
レベル補正は、画面の中に、純粋な白と黒があって、これらが、正しく表現されていない場合に、使うべきです。
レベルをマニュアルで使う
自動モードが、思ったほどよくなかったので、マニュアルに挑戦してみます。
サンプル7の処理結果です。左が元の画像で、右が、レベル処理の画像です。
ここでは、黒い椅子が白く写ってしまい、質感がよくないので、黒い椅子を黒するために、レベルの黒線を右にずらす補正をしています。仕切り線は、2つあるゴミ箱の間にあります。右のゴミ箱の方が、左のゴミ箱より、黒がはっきりしています。椅子とテーブルも右の方がよりしまっています。