秋の写真を撮る(7)望遠マクロとマクロ(1)

秋の写真で、望遠とマクロの作例を作ろうとして、難航しています。

これは、望遠とマクロ撮影に慣れていないためです。

望遠の典型は、人物(ポートレート)で、その場合には、人物が主題になります。

秋の写真では、何かを主題にしないと、望遠も、マクロも、撮影できません。

その点は、風景写真とは、大きく異なります。

主題の選択で、望遠でつまずいていますので、先に、マクロの作例を考えます。

マクロは、一般には、マクロレンズを使って撮影した等倍に近い写真のことですが、秋を主題にするのであれば、望遠レンズで、近づいて撮影する望遠マクロでもよいと思われます。

マクロレンズを使う場合の課題は、主題探しとピント合わせと思われます。

中学生のときに、四つ葉のクローバーを探していたことがあります。

これは、どこで、四つ葉を判別しているのか、説明することは困難ですが、慣れると、四つ葉のクローバを簡単に見つけることができるようになります。

花をマクロで撮影する場合、花のなかで、一番形と色がよく、光線に問題のないものを、瞬時にみつける能力が必要です。普通の人は、このトレーニングが、不十分なので、良い主題が見つけられません。

さらに、写真4で示しているようなコケの上のどんぐりの写真の場合には、コケの上に良い位置にあるどんぐりを探すのではなく、良い状態のコケを見つけて、どんぐりを適切に並べる必要があります。この辺りの要領は、フードフォトにも似ています。

ともかく、マクロ撮影の場合には、主題の選択の幅が広いので、写真の出来の7割は、主題選択で決まるのではないでしょうか。

なお、今回のカメラは、m4/3なので、フルサイズ換算画角は、写真の下に表示されている画角の2倍になります。

写真1と写真2は、望遠マクロで、紅葉の葉を撮影しています。

逆光で、葉を透かして撮影することが基本です。

写真1の場合には、背景が赤くなっていて、前景の色が埋没しています。

写真2では、前景と背景の色が異なるので、前景が浮き上がって見えます。

難易度が低いのは、こちらでしょう。

写真1では、葉の先に、虫がいるところが写真のポイントです。

虫がいることで、主題が、「紅葉と虫」に変化します。

虫を大きくトリミングしてみましたが、バランスが悪くて、現在のフレームに落ち着きました。

紅葉の手の形の葉は、インパクトがありますし、葉の全体をフレームにいれることで、虫の小ささが表現できます。

写真1と写真2では、繰り返しになりますが、形と色のよい紅葉を見つけること、できれば、紅葉の影の入り方が印象的なことがポイントになります。

写真3以降は、30㎜F3.5のマクロレンズを使っています。

写真3は、落ちていた赤い実とコケの緑のコントラストがポイントです。赤い実は、位置を調整しています。

このレンズは、F3.5なので、写真3の絞りが開放になります。一番手前の赤い実と手前のコケがボケています。

一般に、マクロレンズは、F値を大きめに設定していますが、開放で使うことはほとんどないためです。

写真4は、どんぐりです。ここでも、コケの上のどんぐりは並べ直しています。

ここでは、被写体深度を稼ぐために、F8.0にしぼっていますが、一番奥のコケとどんぐりの一番手前の部分がボケています。

写真5は、マツカサです。ここでは、マツカサには、ピントがあっていて、一番奥のコケだけがぼけています。

写真4で、ドングリの一部がボケてしまった理由は、どんぐりはマツカサより、小さいこと、写真4では、焦点をどんぐりとどんぐりの笠の間のコケに設定してしまったためと思われます。

このようにマクロ撮影では、フォーカスポイントに細心の注意を払う必要があります。

写真5のアングルであれば、望遠マクロでも、撮影可能です。

カメラの取り扱いは、望遠マクロのほうが簡単です。

マクロ撮影では、ボケをいかに減らすかが課題になります。

昆虫や花写真に、興味を持っている人以外は、マクロレンズの利用頻度は低いので、マクロレンズをもっていない人も多いと思われます。

その場合には、コンデジがあれば、コンデジのマクロモードが使いやすいと思います。

コンデジは、センサーが小さいので、光量が少ないと、まともな写真にはなりませんが、光量が十分であれば、フィルムカメラレベルの写真がとれます。

レストランの料理をスマホで撮影した写真が、ネット上にあふれていますが、フルサイズセンサーのカメラで、椅子に座ったままで、スマホと同じような写真を撮ることは困難です。センサーが大きいのすぐにボケてしまいます。フードフォトでは、三脚を立てて、料理から離れた位置にカメラをおいて、撮影しています。

同じように、コンデジのマクロモードでは、センサーが小さいとボケなくなるので、撮影は容易です。

画質の問題は、相対的ですが、画角の問題は絶対的です。

風景が主体で、時には、マクロ撮影であれば、メインのカメラでは、望遠マクロを主に使い、リアルマクロは、コンデジか、スマホに任せる手もあると思います。

スマホについて、補足します。

手持ちのスマホカメラでまともな機材は、iPadなので、さすがに大きくて、マクロ撮影に、持ち出す気にはなりません。

以前、100円ショップの接写アタッチメントを試したことがありますが、あまりよい写りではありませんでした。

100円ショップの30倍くらいしますが、KENKOでも、スマホ用のアタッチメント出しています。サンプルを見ると、さすがに、100円とは異次元の写りです。

ただし、コンデジに比べると、アタッチメントは、無理をしている感じがします。

また、アタッチメントは、darktableのレンズ補正の対象外になります。

以上のように、筆者は、スマホのマクロ撮影が使えるのかという点の十分な情報を持ち合わせていません。

 

コンデジは、手元にありますので、時間は、コンデジのマクロについて、作例を示します。

 

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写真1

 

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写真2

 

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写真3

 

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写真4

 

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写真5

 

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