EF-Mマウントのマクロレンズの使い方のメモです。
レンズのスペックは、(1)です。ともかく、近寄れば大きくなります。
近寄るとレンズのボケ量が大きくなります。
被写界深度が浅くなります。
つまり、このレンズを使う場合には、ボケを回避することが難しいです。
(1)EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
最短撮影距離 通常撮影モード時:0.097m
スーパーマクロモード時:0.093m
最大撮影倍率 通常撮影モード時:1倍
スーパーマクロモード時:1.2倍
写真1を見ればわかりますが、花の後ろの方はボケています。
かなり小さな被写体で、寄って撮影することになるので、昆虫は、逃げてしまいます。
ボケを消す方法には、深度合成があります。
写真2は、オリンパスのコンデジTough5で、カメラ内の深度合成で作成した画像です。
DPPには、深度合成機能がありますが、Kiss M/M2にはカメラ内の深度合成も、フォーカスブランケット機能もありません。
キヤノンのコンデジには、昔から、フォーカスブランケットがついています。
例えば、PowerShot G7 X Mark IIでは、次のようになっています。
「マニュアルフォーカスで設定したピント位置、後ろ寄りのピント位置、
前寄りのピント位置の順に、3 枚連続で撮影されます。また、ピント位
置は 3 段階で設定できます」
これは、キヤノンの自動焦点機能は伝統的に速度は速いが、ピントが甘いためにつけられた機能で、深度合成を前提にしていません。
写真1のような花を全体に、被写体深度の中におさめて、大きく撮影するには、望遠レンズを使うしか方法がありません。
とはいえ、その方法には、あまり自信がありませんでした。
オリンパスは、「THE OLYMPUS GUIDE TO MAKING LITTLE THINGS APPEAR LARGER THAN LIFE」というパンフレットを出しています。
これを見ると、(2)(3)(4)のレンズを推奨しています。
(4)は、望遠レンズなので、望遠レンズの使用を推奨しています。
(2)は、(1)と似た画角ですがm(3)は、換算120㎜の望遠の画角です。
(2)では昆虫を撮影できないので、(3)か、(4)をつかうことになります。
(2)M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
最短撮影距離 0.095m
最大撮影倍率 1.25倍(35mm判換算 2.5倍相当)
(3)M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
最短撮影距離 0.19m
最大撮影倍率 1.0倍(35mm判換算 2.0倍相当)
(4)M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
最短撮影距離 0.7m
最大撮影倍率 0.21倍(35mm判換算0.42倍相当)
EF-Mマウントの望遠レンズは、(5)です。
(5)EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM
最短撮影距離 1m
最大撮影倍率 0.21倍 焦点距離200mm(35mm判換算320mm相当)
(5)の最短撮影距離は、1mで、(4)の最短撮影距離 の0.7mには及びませんが、最大撮影倍率の0..21倍は同じです。35㎜換算では、(4)が、0.42倍(5)が、0.34倍と少し異なりますが、大きな違いではありません。
最後に、2社の便利ズームをみておきます。
便利ズームのほうが、望遠ズームより、最短撮影距離が短いからです。
(7)は、(4)より最大撮影倍率 が大きくなるのは、広角側です。
広角側の距離であれば、(2)(3)を使うべきで、(7)を使うメリットはありません。
望遠側の最大撮影倍率は、(4)と同じなので、(7)を使うメリットはありません。
とはいえ、望遠側の(7)の最大撮影倍率は、(4)と同じですから、荷物を減らして、代わりができるという性格になります。
(5)と(6)を比べると、最大撮影倍率は(6)の方が大きいです。望遠端のF値は、共に、F6.3 で変わりませんが、(6)の望遠側は画質がよくないので、(5)を使うべきだと思います。この点は、後で、比較してみたいと思います。
(6)EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM
最短撮影距離 0.25m(18~50mm時)、0.45m(150mm時)
最大撮影倍率 0.31倍(150mm時) 焦点距離150mm(35mmフィルム換算240mm相当)
(7)M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
最短撮影距離 0.15m(Wide) / 0.45m(Tele)
最大撮影倍率 0.3倍(Wide) / 0.21倍(Tele)
まとめると、EF-M28mm F3.5 マクロは、EF-Mマウントでは、存在感のあるレンズですが、昆虫を撮影するのであれば(5)をお薦めします。
なお、TAMRONが、マクロレンズの手引きを出しているのを見つけました。
簡単なことしか書いてありませんが、日本語の解説は少ないので、参考にはなると思います。
川合麻紀と愉しむマクロレンズな日曜日 TAMRON 90mm
https://www.tamron.co.jp/special/macro_pdf/index.html