デジタルカメラの風景写真の基本絞りはF8です。これは、できるだけ、くっきりいた写真を撮る基本です。
望遠レンズでは、F11の方を好む人もいます。ただし、絞りすぎると回析がおこるので、そのバランスを考えます。
筆者は、風景写真の基本画角は、標準(換算50mm)から、広角(24mm)だと考えています。
コキアのシーズンに、ひたちなか海浜公園にいくと、プロのカメラマンが大勢います。カメラバッグにカメラとレンズをいっぱい入れた猛者もいますが、一番多いパターンは、望遠ズームを使っているプロカメラマンです。標準ズームや広角ズームを使っているプロのカメラマンはレアで、10%以下です。
2021/10/20
この点は、ずっと疑問に思っていました。
秋の写真の撮り方の英文の説明をいくつか読んで、この疑問点が解消されました。
望遠ズームを使う考えられるメリットは次の2点です。
1)望遠ズームであれば、フレームに入れたくないものを排除できる。
2)アマチュアカメラマンが持っていない機材をつかうことで、差別化した表現ができる。
写真1は、キャノンのAPS-Cのキットレンズの200㎜(換算320㎜)で撮影しています。Fは6.3で暗いです。
プロのカメラマンの望遠レンズは、70-200mmF2.8が標準です。320㎜には負けますが、F6.3のレンズとF2.8のレンズでは、表現力が違うので、差は出ます。ただし、キットレンズでも、上手に撮影できれば、ブログやインスタグラムの写真では、差がでないと思います。もちろん、F2.8 で撮影すれば、劇的にボケた写真になります。
安いカメラと高いカメラ、安いレンズと高いのレンズの差は、成功確率だと思います。高い機材の方が、失敗が少ないです。ただし、上手く撮れた写真同士を比べれば、差は小さいです。それで、よく、悪いカメラ、悪いレンズはない、あるのは、悪いカメラマンだけだといいます。
とはいえ、最小F値と画角の違いは、カメラマンの腕前では、カバーできないので、プロカメラマンは、そこで差別化をねらいます。フルサイズセンサーのカメラ以外で、70-200mmF2.8が使える機種は限られていますので、アマチュアで、このタイプのレンズを持っている人は少ないです。
これが、標準ズームを使うプロカメラマンがいない理由と思います。
最小F値は、変えられませんが、画角は、実は、多少は修正できます。
望遠側であれば、トリミングすれば、1.5倍くらいまでなら、修正できます。
広角側は、マルチショットで撮影して、パノラマ写真を作れば、多少は修正できます。
写真2は、パノラマ写真の例です。
という訳で、他の人の撮れない写真を撮るという視点を導入してしまうと、秋の写真向けの画角というものはなくなってしまいます。
このため、米国では、秋の写真に、超広角、魚眼、マクロレンズまで持ち出す人もいます。
ただし、日本では、望遠ズーム以外は、あまり見かけません。
それから、F8で撮影すると、ゴールデンアワーであれば、光量が不足するので、三脚とレリーズはあった方がよいです。
長時間露光は、それだけで、見た目と違う写真になるので、印象的になります。
写真3のシャッター速度は、1/6秒です。ただし、この写真は、手持ちで撮影しているので、F1.7です。F8で撮影するには、三脚が必須なシーンです。
三脚がない場合には、自動露光調整では、絞り優先をあきらめて、写真3のように、絞りが甘くなることを承知の上で、絞りが開放に近くなるプログラムオートをつかうことになります。調整のつまみが十分にある中級以上のカメラであれば、マニュアルモードで、撮影すべきですが、それには、日常から、マニュアルモードに慣れておく必要があります。
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