軸上色収差の例を追加しておきます。
写真1は、ニコンの55-200mmのキットレズの200mmです。
55-300mmで大きな色収差がみられたので、200mmでも確認しています。
やはり、青緑色の収差が出ています。
写真2では、darktableの色収差補正モジュールをつかっていますが、色収差はかなり弱くなります。
写真3は、フォクトレンダーの58㎜F1.4です。
シャボン玉のような浮遊感のあるボケは印象的ですが、やはり、青緑色の収差が出ています。
単焦点レンズなので、色収差補正は、ズームレンズより易しいと思いますが、色収差が残っています。
写真4のように、darktableの色収差補正モジュールで、色収差はかなり弱くなります。
ここのところ、色収差について、考えています。
要点は以下です。
(1)色収差は、デジタル補正でかなり改善できる。
(2)FDレンズを使って色収差を押さえる方法もある。
(3)非球面レンズ、FDレンズの価格は下がっているので、特殊なレンズを多用した交換レンズが高級レンズ(高価なレンズ)とは言えなくなっている。
(4)高級レンズでは、ボケを綺麗にするために、あえて、色収差を残す傾向が見られる。
(5)ボケは、理論的には、フォーカスを変えた複数の画像があれば、デジタル補正で、作成(デジタルボケ)可能と思われる。
補足:デジタルボケのメリットは、画像の部分部分で、ボケの強さ、質、形状を変えることが可能な点です。これは、現在のデジタル現像で、マスクを使って、部分部分で、露光や色を変化させられることの拡張になります。
(6)近い将来、デジタルボケが出て来ると思われるので、レンズには、ボケより、色収差が少なく、解像度が高いことを求めるべきと思われます。
(7)2023年の現時点で、高価なレンズのボケは綺麗です。Jpegのみで、デジタル現像をしないのであれば、レンズにお金をかける価値があります。
(8)どのタイプのボケが綺麗かは、主観の問題で、計測は不可能と思われます。最近の安価な中国製のレンズは、性能がよく、綺麗にボケます。日本の高価なレンズと比べるとボケ質は異なりますが、価格差だけの価値があるかは不明です。
写真5は、オリンパスの45mmF1.8です。このレンズが綺麗にボケることを目指したようで、解像度は高くなく、軸上色収差も残っています。とはいえ、その収差は、フォクトレンダー58mmやニコン200mmと比べれば、穏やかなものです。
なお、今回の被写体は厚みがあるので、58㎜F1.4では被写界深度が不足して、主題の一部がボケてしまっています。