古い時代のレンズは、最近のレンズに比べると、性能が落ちます。
収差と解像度は、見劣りします。
それでも、古い時代のカメラマンは、そのレンズで名作を生み出していました。
これから、極端に、レンズの性能にこだわる必要はないことがわかります。
主題があるレンズ中央の性能は、必要ですが、周囲の性能については、作品には、あまり関係しません。
この問題は、レンズ周辺の性能が落ちやすいフルサイズで特に、大きくなります。
とはいえ、同じコストをかけるのであれば、性能が良いにこしたことはありません。
今回は古いレンズのサンプルを示します。いずれも絞り開放です。
写真1は、ニコンの50mmf1.4の古いモデルです。
クセはありませんが、コントラスが弱く感じます。色収差はでます。
写真2は、ペンタックの50mmF1.8です。これだけが、M42のスクリューマウントです。
大変色のりが良いレンズですが、色収差が盛大に出ます。
コントラストも、強くはありませんが、全体のバランスは自然な感じになります。
写真3は、コシナのフォクトレンダー58mmF1.4です。最近のレンズなので、色収差が少なめです。
CANONのEOSが1987年なので、1990年前後以降であれば、大きな問題はないと思います。
それから、3本のレンズは、マウントアダプターを使っています。
自動焦点、自動しぼりのマウントアダプターの性能と価格がこなれてきましたが、実用になるには、もう少し、時間がかかりそうです。
マニュアルのマウントアダプターを使う場合には、絞りがないと不便ですので、古いレンズで候補になる期間は、1987年から2002年の間の15年くらいになると思います。
最短距離45㎝で、計算すると被写界深度は、写真1が、6.81mm、写真2が、8.75mm、写真3が、 5.05mmです。
被写界深が、5㎜は、かなりシビアな距離調整が必要になります。
写真3では、焦点合わせに、ピーキングを使っていますが、成功率は20%(5枚に1枚)程度です。
F1.7からF2.0くらいまでは、被写界深が、シビアになることはありませんが、F1.4は厳しいことがあります。
F1.7からF2.0のレンズは、F1.4のレンズより、安価で、小型にできます。
F1.4のレンズでも、しぼって、F1.8で使えば、問題はありませんが。
ボケ量よりも、被写界深が切実な課題になります。