久しぶりの風景写真案内です。
今回は、牛久沼のほとりにある、旧小川芋銭宅にある河童の石碑です。
これは、牛久市の名所になっていますが、本当に訪れる人がいるかは疑問です。
風景を見に行く場合、実際には、風景の背後にあるものを見ている気がしています。
例えば、映画のロケ地を見行く場合、見ているのは、実際の風景ではなく、映画のシーンのように思われます。
こう考えると、観光地になる風景の条件には、風景の背後にあるものが見える必要があります。
同様に、写真の本当の主題は、目に見えない背後にあると思われます。
それが表現できていれば、ピンボケや手ブレ写真も、問題ではない気がします。
小川芋銭を知っている人は、ほとんどいなくなりましたので、河童の石碑を見ても背後には何もみえません。そうなると、つまらなくなります。
こうした基準で考えると、つくば市内には、観光地になる風景はほとんどないことに気づきました。
「つくば市とその周辺の風景写真案内」の連載を中断したのは、こんな理由です。
風景を観光資源にするのは、ビジョンやストーリーが不可欠だと思います。
牛久市のゆるキャラは、「河童のキューちゃん」ですが、そこは、ビジョンやストー
リーは、感じられません。
小川芋銭には、河童をこのように伝えたいという想いがありましたが、残念ながら、その想いは、現在には伝わっていません。