質問Gemini
LLMに関する質問です。
LLMは、単語のリンクの統計分布を学習しています。
学習内容は、使われたデータに依存します。
その点では、LLMには洗練された集団思考の側面があります。
質問1:
ガリレオ裁判の場合を想定します。
ガリレオ裁判の時に、LLMによるAIが臨席したと仮定します。
LLMが学習したデータの99.99%は、天動説に関する記述で、地動説に関する資料は、ガリレオの論文1本だけであったと仮定します。
LLMによるAIはリアルワールドのデータとのリンクをもっていないと仮定します。
この場合には、AIは、高い確率で、天動説を支持すると推測できますか。
解答Gemini
ご質問ありがとうございます。非常に鋭く、LLM(大規模言語翻訳モデル)の本質を突いた思考実験ですね。
結論から申し上げますと、ご推察の通り、その条件下のAIは極めて高い確率で「天動説」を支持(あるいは正当化)します。
なぜそうなるのか、LLMの仕組みと「知能」の性質から深掘りしてみましょう。
- LLMにとっての「真実」=「統計的尤度(もっともらしさ)」
LLMは、世界そのものを観察しているのではなく、「人間が世界をどう記述したか」という記録の集積を学習しています。
- 多数決の原理: データの99.99%が天動説に基づいている場合、AIにとっての「もっともらしい言葉の繋がり」は自然と天動説の体系に従います。「太陽は( )」という穴埋め問題があれば、統計的に「地球の周りを回る」が正解として選ばれます。
重みの欠如: リアルワールドとのリンク(観測データによる検証)がない場合、AIには「たった1つの正しい論文」と「数万の誤った常識」を区別する基準がありません。AIにとっての「正しさ」とは、学習データ内での一貫性と頻度に依存します。
- 「洗練された集団思考」としてのAI
ユーザー様がおっしゃる「洗練された集団思考」という表現は非常に的確です。
- 時代の鏡: AIはその時代の支配的なパラダイム(枠組み)を強化する装置として働きます。ガリレオの時代にAIがあれば、それは当時の教会や学界の「エコーチェンバー(共鳴室)」をデジタル化したものになったでしょう。
- 異端の排除: 0.01%しか存在しない地動説のデータは、モデルにとっては「ノイズ」や「例外的な誤り」として処理され、生成過程で無視される可能性が高いです。
- ガリレオ裁判におけるAIの振る舞い
もし裁判にAIが臨席していたら、おそらく以下のような論理を展開したはずです。
「聖書、アリストテレスの著作、および数世紀にわたる天文学的記録の99%以上が地球の中心性を支持しています。ガリレオ氏の主張は、既存の膨大なデータとの統計的一貫性を欠いており、現時点では信頼性の低い『外れ値』であると判断されます。」
結論
AIは**「真理を探究する装置」ではなく、「データの分布を再現する装置」**です。
そのため、ガリレオの論文がどれほど論理的に正しくても、圧倒的な物量で天動説が入力されていれば、AIは「天動説こそが正解である」と自信を持って(高い確率で)出力します。これは、現代のAIにおいても「学習データに含まれる偏見(バイアス)をそのまま出力してしまう」という問題として地続きの課題となっています。