5)フィルム時代の知恵
前回、失敗対策を書きました。
それから、ちょっと、考えて、順番がある気がしてきました。
マクロではありませんが、引き続き、朝のラベンダー畑の写真を引用します。
フォイル時代であれば、光量が少ない場合には、感度の高いフィルムを充填してから撮影を始めます。
その順番でいえば、最初にISO800を選択すべきでした。
3番は、「絞り優先やシャッター速度優先か」ですか、ISO800であれば、絞り優先でも、被写体ぶれが起こることはなかったと思われます。
今回は、ISO200の犬の写真の例をしめします。
写真1は、F8、/25secです。周辺の草に比べて、犬の顔が、少しボケています。被写体ブレと思われます。
写真2は、F4、1/125secです。明らかに、犬は、動いていますが、それでも、写真1よりは、ブレが少なくなっています。
写真3は、F8、1/30secです。やはり、犬の顔が、甘くなっています。
F4ではなく、F8に設定したのは、被写界深度を稼ぐためです。確かに、背景のラベンダーのボケをみれば、その効果はあったとおもわれます。しかし、主題の犬の顔があまくなってしまっては、被写界深度に価値はありません。
シャッター優先ではなく、絞り優先で撮影したい理由は、線のかたさです。
ポートレートでは、柔らかい線が基本で、その点では、F4以下に絞りにする必要があります。
F8の場合には、線が硬くなります。背景もある程度は入れて、なおかつ、線を柔らかくできるので、F4は標準から中望遠では、万能の絞り値のように思われます。
というわけで、被写体ブレを避けるのであれば、シャッター速度優先を使うべきでしたが、それ以前に、ISOをあげなかったことが間違いの原因と思われます。