7)手ブレとISO
前回は、ISOオートにしていませんでしたので、ISOオートの効果を確かめてみます。
なお、筆者は、カラーフイルム時代の印象があり、ISO100はよいが、ISO400ではノイズがのって解像度が落ち、ISO1600は、緊急時に使うものという先入観があります。
2008年頃までは、この常識が通用しましたが、最近では、通用しません。
そこで、ISOをどう考えるかという課題があります。
ミラーレスカメラでは、基準感度が、ISO100 の場合と、ISO200 の場合があります。
ISO200の場合には、ISO200で、ノイズがのるとは考えていません。
ISOの上限がどこまで使えるかという問題は、センサーサイズとセンサー性能によりますので、変化しています。
一方、基準ISOで撮影できるのであれば、あえて、高いISOを使わないという選択もあり得ます。
ミラーレスカメラの性能で、最高感度ISOが高いことをセールスポイントにしている機種も多いですが、夜間にしか撮影しないという特殊な人を除けば、実際に、高いISOを使う機会は少ないと思います。
まとめますと、センサー性能が上がって、フィルム時代には考えられないような高いISOを使うことができるようになりましたが、それを使いこなすだけの、一般的なノウハウは蓄積されていないように思われます。
例外は、被写体ぶれの場合で、この場合には、シャッター速度を短くしなければならないので、高いISOが有利になります。筆者は、撮影しませんが、夜間のスポーツを望遠で撮影するような条件では、高いISOは有利になるはずです。
以下、サンプルを見ながら、考えます。
以下の写真は手ブレを考えるため、Kiss Mに、18-150mmのズームをつけ、150mmで撮影しています。絞り優先モードを使っています。期待される手ブレ限界は、1/150secです。1/300secであれば、手ブレの心配がありません。
18-150mmのズームは、カタログ場は、4段の手ブレ防止効果があります。
300 -> 150 -> 75 -> 38
なので、1/40secまで、手ブレがなければ、カメラマンとしては、合格になります。
まず、F8の場合を見ます。
写真1は、ISO200、1/50secです。ISO200固定です。
写真2は、ISO1250、1/320secです。ISOオートです。
写真3は、ISO200、1/160secです。ISO200固定です。
写真4は、ISO320、1/250secです。ISOオートです。
4枚の写真のシャッター速度は、1/40secより、短く、どれも、手ブレをしていません。
写真4のISO250は、全く問題ありませんが、写真2のISO1250は、あまり使いたくはありません。とはいえ、写真2に、目立つノイズがある訳ではなく、許容範囲でしょう。
次に、F18の場合を見ます。
写真5は、ISO200、1/13secです。ISO200固定です。
写真6は、ISO6400、1/320secです。ISOオートです。
写真7は、ISO200、1/30secです。ISO200固定です。
写真8は、ISO1250、1/250secです。ISOオートです。
想定される手ブレ限界は、1/40secです。
写真5の1/13secは流石(さすが)に、ぶれています。
写真7の1/30secも、1/40secより、長いですが、かろうじてぶれていません。
写真8のISO1250は、写真2と同じで、許容範囲です。
しかし、写真6のISO6400は避けたいです。
これは、ISOオートの上限を、6400にしたことが失敗の原因です。
上限を1600まで下げたらどうなるか、予想が付きません。
今回の8枚の写真を見ると、焦点距離150mmでは、まず、シャッター速度が1/300sec付近になるように設定して、それに合わせて、ISOが設定されているように見えます。
18-150mmには、4段の手ブレ防止効果がありますが、絞り優先オートでは、この点は、考慮されていないように見えます。