8月の動向
8月に入って、感染が、東京都から、大阪府、沖縄県、神奈川県など周辺に広がってしまいました。
東京都の陽性率も上がっているので、今回は東京都と首都圏だけをみます。
図1が東京都の陽性率と陽性者数です。赤い丸で囲んだところが8月のデータです。7月にずっと足踏み状態であった陽性者数と陽性率が、8月には動き出しています。特に、陽性率が7%を超えた点が注目されます。
図2は、首都圏の10万人当たり感染者数です。5月の連休明けの非常事態宣言のときに、大騒ぎして作っていたガイドラインは、10万人あたり10人だったと思います。東京都がこの値を超えていることはもちろん、首都圏もほぼ10人になっています。
10万人当たり10人は、結局、目的と手段を取り違えていたのではないでしょうか。コロナウイルス対策として何をするという目的があって、そのために、ガイドラインを作ることが本来の手順であったはずです。目的のないガイドラインは、手段としての効力を持ちませんので、場所をとらない粗小ごみになります。感染者を減らすこと、特に、短期的にともかく感染者を減らすことは目的にはなりません。その点では、未だ、政府も自治体も目的(具体的なコロナ対策の手順)を提示できずにいます。特に、無制限の緊急事態制限は、もう一度だすことはできません。であれば、どのような手段を講ずるのか、リストを作って検討するのが手順と思われますが、今まで、下書きのリストが提示されたことはありません。
図3は、東京都の感染者数(左軸:人)の推移です。GoogleTransitデータを右軸(%)で示してあります。Googleデータは14日ずらしています。データは全て7日移動平均です。7月20日ころの4連休で、一度、移動制限がかかって、ー40%まで下がっています。過去のデータでは、ー30%では効果がみられませんが、ー40%であると効果が見られます。2週間おくれですと、もうすぐこの効果が出ることが期待されます。ただし、行動抑制効果があったのは、(図3の2週間ずらした日付でなく、)元の日付で7月29日までで、30,31日のデータは元に戻っています。これは、ちょうど、図2の東京都の10万人当たりの感染者数が、12人を越えて大きく増えだしたころに対応しています。行動制限などの協力を求めても、その効果が目に見えないと(あるいは、目に見えるように効果を説明しないと)継続的な協力は得られなくなると思われます。特に、お店の営業のように経済的なダメージが大きな場合には、先の見通しを提示できないと、協力は得られなくなります。できる範囲で協力しても、その効果が目に見えないので、次第に協力が得られなくなってきていることをGoogleTransitデータは、示しているようにも思われます。
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都内の最新感染動向
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
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NHK コロナウィルス特設サイト
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/
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Google Mobile Report
https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2020.08.05>8-2version.