2)シンクタンクの機能
前回は、ブレーマー氏の話をしました。
中国問題に強いアメリカのシンクタンク一覧は以下にリストがあります。
<<
https://spc.jst.go.jp/link/under/list_usa.html
>>
ブレーマー氏のユーラシアグループは、ここには、含まれていません。
アメリカのシンクタンクは、必ずイラン・イスラエル危機を扱っています。
「問い」があり、答えは、執筆者の判断になります。
日本の代表的なシンクタンクとしては、大手5大シンクタンク(日本総合研究所、野村総合研究所、三菱総合研究所、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほリサーチ&テクノロジーズ)が挙げられます。
この中で、イラン・イスラエル危機を取り扱っているのが、MRIの木内登英氏だけです。
<<
中東情勢の緊迫化と金融市場の動揺:シナリオ別日本経済への影響試算 2025/06/13 NRI 木内登英
https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20250613_2.html
>>
木内登英氏は、経済の専門家です。日本の大手5大シンクタンクで、イラン・イスラエル危機の国際政治について、発言しているところは見つかりませんでした。
木村正人氏は、米シンクタンク「大西洋評議会」スコークロフト戦略安全保障センターの2024年の専門家アンケートを次のように紹介しています。
<<
第三次世界大戦「2035年までに勃発」と専門家の「4割超」が予測...核戦争、宇宙戦争も警戒(国際調査)2025/03/06 Newsweek 木村正人
https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2025/03/20354_1.php
>>
<
米シンクタンク「大西洋評議会」スコークロフト戦略安全保障センターはトランプ氏が大統領選で返り咲きを決めた昨年11月下旬から12月上旬にかけ世界の国際戦略家や未来予測の専門家357人に2035年までに世界がどう変わっているかを尋ねた。
イランは新たな核保有国となる可能性が最も高い国だが、88%は今後10年間に少なくとも1つの国が新たに核兵器を保有すると分析。73%が今後10年以内にイランが核兵器保有国になるとみていた。3分の1以上がイスラエルとイランの直接戦争を予想していた。
>
イスラエルとイランの直接戦争(イラン・イスラエル危機)を予測していた専門家が3分の1いたことになります。
この判断は、2024年です。イランが、60%の濃縮ウランを貯蔵し、IAEAが協議をしているデータがあれば、イラン・イスラエル危機を予測する専門家は増えているはずです。
2)大西洋評議会
大西洋評議会のイラン・イスラエル危機の記事の一部を引用します。
<<
イスラエル・イラン戦争に関する20の質問(と専門家の回答)
Twenty questions (and expert answers) on the Israel-Iran war 2025/06/16 Atlantic Council
>>
<
- イスラエルが金曜日にイランに対して攻撃を開始した目的は何だったのか?
イランが危険なまでに濃縮プログラムを進めていたため、イスラエル空軍にとってイランへの道が開かれていたことが攻撃開始の決定において重要な要因となった。
- イスラエルはイランの核能力の解体にどれほど効果を上げてきたか?
フォルドゥの濃縮施設への攻撃(おそらく米国の関与が必要となるだろう)なしには、イランの核開発計画を破壊することはできず、大幅に遅らせることはできるだろう。
イランは少なくとも現段階では核開発への突入を避け、将来的にこの選択肢を検討する可能性が高い。
- テヘランはどれほど強力に対応しましたか?また、その影響はどのようなものでしたか?
私が最も懸念しているのは、テヘランがテロリズムを通じてイスラエルとユダヤ人の海外の権益を狙った緊急作戦を発動する可能性です。
しかし、最終的にはイランは供給制約に直面することになるでしょう。
- 核施設への攻撃による環境と健康への懸念は何ですか?
核施設への攻撃は、健康と環境に重大な影響を及ぼすという深刻な脅威を伴う。
AEAは、イスラエルによるイランの核施設への攻撃に対し、「いかなる状況や文脈に関わらず、核施設への攻撃は絶対に許されない」という立場を改めて表明した。
- ワシントンとエルサレムはどの程度連携しているのか、あるいはしていないのか?
トランプ政権とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる政府は、目標についてはほぼ一致しているものの、手段についてはそれほど一致していない。イスラム共和国が核兵器を保有することを阻止するという目標は両国とも共有している。
- この紛争により、米国とイランの核合意が達成される可能性は低下したか?
核合意は遠いように思われるが、政権の存続を確保しようとするイランの交渉戦略は、今後、可能性として浮上する可能性がある。
- ワシントンの中東における軍事姿勢は金曜日以降変化したか?そしてこれは米国の潜在的な関与について何を示唆しているか?
国防総省は木曜日以降、米中央軍(CENTCOM)の重要な戦力態勢変更を承認しました。これらの変更には、KC-135/KC-46空中給油機の大規模展開が含まれます。参加する給油機の数によっては、これは平時における史上最大規模の給油機移動の一つとなる可能性があります。
- イランの地域代理勢力の反応は何を物語っているか?
イランの地域的代理勢力は著しく弱体化している。
ガザ地区で広く懸念されているのは、イスラエルとイランの戦争によって、パレスチナ自治区における民間人の飢餓と虐殺という、既に著しく影を潜めている状況がさらに鮮明になるのではないかという点だ。
- この戦争はロシアに利益をもたらすでしょうか、それとも損害を与えるでしょうか。そしてモスクワは双方の関係をどう導いているのでしょうか 。
イスラエルとイランの紛争はロシアに一定の利益をもたらす一方で、深刻なリスクももたらしている。プーチン大統領が外交手段によるイスラエルとイランの紛争終結を呼びかけているのは、紛れもなく彼の真の願いを反映している。しかし、たとえ(プーチン大統領の望み通り)米ロ共同の仲介努力によって紛争が終結したとしても、イランはこれまで以上に米国に協力的になる可能性がある。
- この戦争は中国に利益をもたらすか、損害を与えるか。北京は双方をどう導こうとしているのか。
北京は、この危機において自らを責任ある主体、さらには潜在的な仲介者としてアピールする機会を捉えているのはほぼ間違いない。
- イスラエルとイランはこれまでにどのような兵器を配備してきましたか?
6月13日から16日にかけて、イスラエルはF-35I、F-15I、F-16戦闘機を投入し、 GBU-28バンカーバスター 、 ランペイジミサイル 、精密誘導兵器を用いて、イランの核施設、軍指導部、そして重要インフラに対し数百回にわたる空爆を実施した。イランは、保有する数百発の弾道ミサイルで報復した。イランの攻撃には、 ファッターフ極超音速 ミサイル、 ホッラムシャフル弾道 ミサイル、その他のミサイル、そして無人航空機(UAV)が含まれ、「シビア・パニッシュメント作戦」の一環としてイスラエルを標的としている。
- この紛争は核拡散防止にどのような影響を与えるのでしょうか?
イスラエルはナタンズの地上式ウラン濃縮施設を破壊したかもしれないが、今回の危機は逆説的に核拡散リスクを加速させるリスクをはらんでいる。この紛争によってイランの核拡散の現在および将来の脅威が完全に排除されないとしても、イランが濃縮サイクルに関する不可逆的な知識を有していることから、イランは容易に再建を図り、次回はより大きな成功への意欲を持って再建を進めることができるだろう。
- イスラエルはイランのどの石油・ガス施設を標的にしましたか?また、これはより広範な影響を及ぼしましたか?
イスラエルは、南パルスガス田の第14フェーズにある2つの天然ガス処理施設を攻撃し、イランに操業停止を強いた模様です。
燃料への継続的なアクセスがなければ、テヘラン在住のイラン人は避難できません。イスラエルがイラン周辺の国内エネルギー施設をさらに攻撃した場合、国が崩壊する可能性は非常に高くなります。燃料がなければ、食料を都市に輸送することはできません。電気と水道がなければ、病気が蔓延し、人々は亡くなるでしょう。
- ホルムズ海峡とは何ですか?テヘランがそれを閉鎖するとなぜ問題になるのですか?
石油市場ウォッチャーの多くは、この紛争がペルシャ湾から続く非常に狭い水路であるホルムズ海峡への直接的な脅威であると考えています。
イランがペルシャ湾の船舶の安全を直接脅かすのは、失うものが何もない場合のみである。イランは石油とコンデンセートの輸出を継続しており、その活動資金のために輸出を続ける必要があるため、ペルシャ湾への出入りする船舶の航行を妨害したり停止したりする行動を取る可能性は極めて低い。
- イラン政権は国内でどのような動向に取り組んでいるか、そしてそれが紛争にどのような影響を与えるか。
現段階では、イラン政権は結束、決意、そして安定を維持しているように見え、外部からの脅威に対して結束を強めている。
イスラエル軍による軍事行動の継続は、時間の経過とともに、政権の安全保障、情報機関、そして統治機構、そして国内の課題への対処能力を弱体化させる可能性があり、将来的には政権の安定を損なう可能性もある。
- イラン国民の反応はどうですか?
今や少数派となった政権支持派は、予想通りイスラエルに憤慨し、イラン・イスラム共和国による報復攻撃を支持しています。現時点ではほとんどのイラン人が政権に反対しており、イスラエルに殺害されたイスラム革命防衛隊(IRGC)の指導者たちへの恨みはほとんどありません。
イラン国民が現状について自国政府に強い怒りを表明しているのを目にしてきました。イスラエルの攻撃前に政府から何の警告も出ず、空襲警報も鳴らず、その他の警報も鳴らなかったと彼らは指摘しています。それどころか、攻撃は早朝、住宅街の住民が眠っている間に行われ、迫り来る危険に気づかなかったのです。国民はイスラム共和国が自国民を守らなかったことに怒りを露わにしていますが、驚きはしていません。国民は既に多くの苦しみを味わっており、今後の紛争、特に全面戦争にエスカレートした場合、さらに多くの罪のないイラン国民が苦しむことになるのではないかと恐れ、不安に駆られ、怒りを感じているのです。
- イスラエル国民の反応はどうですか?
イスラエル国民の大半は政府の行動を支持しており、イランが核爆弾開発に危険なほど近づいているという主張を踏まえると、攻撃開始は必要だと考えている。
- これからどこへ行くのでしょうか?
イスラエルは少なくとも、イランの核開発計画に十分な打撃を与え、テヘランが近い将来に核開発計画を再構築したり、核兵器の獲得競争をしたりできないようにしたいと考えている。
イランが濃縮を放棄する核合意が成立する可能性は低いため、たとえ一時的な戦闘停止が実現したとしても、イスラエルはイランを標的にし続けるだろう。そして、両国間の対立は、予見可能な将来においてトランプ大統領の中東政策の焦点となるだろう。
>
大西洋評議会の解説を読んでいると、ジョンウェインが活躍してた頃の西部劇を連想してしまいます。そこでは、カーボーイ(白人)は正義で、インディアン(有色人種)が、悪漢でした。共和党の支持者の中には、現在でも、そのような見解の人がいると思います。
大西洋評議会の解説は、イスラエル(白人)寄りです。
宗教の力は強いです。
エマニュエル・トッド氏は、西洋では、宗教が力を失ったといいます。
世界の宗教は、全体としては、弱体化していますが、その中では、イスラム教はまだ大きな力を持っています。
筆者には、大西洋評議会の解説は、イスラム教の力を過小評価しているように思われます。
エマニュエル・トッド氏は、西洋では、宗教が力を失ったといいますが、その大きな原因は、所得の向上です。
所得の向上など、実生活に希望が持てなくなると、宗教の力は大きくなります。
他のシンクタンクも見ておきます。
<<
イスラエルがイランを攻撃。次はどうなる?
Israel strikes Iran. What happens next? 2025/06/16 Brookings
https://www.brookings.edu/articles/israel-strikes-iran-what-happens-next/
>>
ブルッキングス研究所は、次のように書きだしています。
<
6月12日、イスラエルはイランで一連の空爆を行った。奇襲攻撃に続いて、イスラエルとイランが数日間にわたって致命的な攻撃を取引した。以下、ブルッキングスの学者は、この攻撃が地域とそれ以降に与える影響について考察する。
>
内容は省略しますが、専門家一人一人が、自分の責任で、分析をしています。
<<
イスラエルとイランの軍事冒険主義は、中東を極めて危険な状況に陥れている。
集団安全保障のメカニズムの構築なしに、この地域の安定はあり得ない。
Israel’s and Iran’s Military Adventurism Have Put the Middle East in an Alarmingly Dangerous Situation 2025/06/16 The Carnegie Endowment for International Peace(カーネギー国際平和基金)Amr Hamzawy
>>
カーネギー国際平和基金は、Amr Hamzawy氏の分析を載せています。
<
ワシントンD.C.の中東プログラムは、地域に関する深い知識と鋭い比較分析を融合させ、根拠に基づいた提言を提供しています。湾岸地域、北アフリカ、イラン、イスラエル/パレスチナに関する専門知識に基づき、英語とアラビア語で、政治、経済、社会の変化という横断的なテーマを考察します。
詳細はこちら
ここ数ヶ月、中東の安全保障に対する最大の脅威は、イスラエル極右政権が追求する軍事冒険主義と、戦争を通じて敵に自らの意志を押し付けることができるという確信、そして交渉や平和的解決を事実上拒否していることです。
もちろん、AIの無秩序な軍事利用や、パレスチナ情勢がエジプト、ヨルダン、シリア、イラクに及ぼす不安定化の影響など、他の危険にも対処する必要があります。しかし、最も憂慮すべきは、中東で戦争や武力紛争が(直接的にも代理戦争的にも)容易に勃発していること、共同外交の枠組みがほぼ完全に欠如していること、そして地域大国間の軍事力と諜報能力に大きな格差があることです。
その結果、先週イスラエルとイランの間で戦争が勃発したことは驚くべきことではなかった。イスラエルが広範囲に及ぶイランの核施設や軍事施設を攻撃し、核科学者や軍指導者を標的としたことも、驚くべきことではなかった。イランの対応も同様に驚くべきことではなかった。イスラエルに向けてミサイルが発射され、軍事目標や戦略目標に向けられた。その一部は住宅地に着弾した。イスラエルがイランの核開発計画を存亡の危機と見なし、戦争の長期化を主張したことも、イランがイスラエルの攻撃が停止すれば核開発計画に関する米国との交渉に復帰することを申し出たこと(事実上、停戦提案を示唆したこと)も、予想外ではなかった。
軍事力と情報能力における圧倒的な不均衡は、イスラエルをイランよりも大きく優位に立たせている。イスラム共和国の最新鋭防空システム(ロシア製S-300)は、以前のイスラエルの攻撃で破壊された。そしておそらく最も注目すべきは、2003年の米国のイラク侵攻とサダム・フセイン政権崩壊後にほぼ確立された地域的影響力ドクトリンの礎である、この地域における代理勢力が軍事的にも政治的にも弱体化していることである。
イランは、最高指導者と革命防衛隊の指揮下で、長年にわたり、レバノン、イラク、イエメン、そしてある程度はパレスチナにおける代理戦争という、異なる形態の軍事冒険主義に依存してきた。その目的は、この地域における実質的な影響力を確保し、代理勢力を通じてイスラエルと米国の利益を常に脅かすことを通じて自国領土への攻撃を抑止し、地域紛争や将来的な米国とのグランドバーゲンにおいて優位に立つことにあった。
しかし、過去18ヶ月間、この戦略は深刻な挫折を経験しました。イスラエルはヒズボラに壊滅的な打撃を与え、シリアのアサド政権は事実上崩壊し、フーシ派のミサイル能力はイスラエルとアメリカの空爆によって着実に低下しました。
2023年10月7日以降の現実に直面したイラン指導部は、長年の戦略ではもはやイランの安全保障を守り、イスラエルの侵略を抑止するには不十分であることを認識せざるを得ませんでした。
おそらくイランはこの戦略的転換に気づき始め、核開発計画に関してアメリカとの交渉の道を開くことで対応したのでしょう。また、アラブ諸国がイスラエルによる自国領土への攻撃の可能性を拒否すれば、地域的な緩衝地帯となり、一部のアラブ諸国がテヘランとワシントンの間の仲介役を務めることを期待し、中東のアラブ諸国との外交関係改善も模索しました。
実際、湾岸諸国、エジプト、イラク、ヨルダンからの最近の声明や立場は、アラブ世界がイスラエルによるイラン攻撃に明確に反対していることを示している。オマーンとカタールは、イスラエルに軍事作戦の停止を迫るため、米国との仲介を継続している。
しかしながら、イランの地域における行動の変化、アラブ諸国との関係改善、そして米国との度重なる交渉は、イスラエルを抑止するには十分ではなかった。テルアビブの極右政権は、中東全域におけるイランの代理勢力に対して既に圧倒的な戦略的勝利を収めており、イスラエルの政治・軍事指導者が繰り返し述べているように、今やテヘランへの道は大きく開かれているように見える。
米国がイスラエルとイランの間で進行中の戦争を阻止するために明確かつ断固とした介入を行わない限り、軍事作戦は当分の間続く可能性が高い。現実には、ドナルド・トランプ大統領政権は、イスラエルに対し戦争停止を求める本格的な圧力をかけることに消極的であるように見受けられます。おそらく、この紛争の潜在的な結末を、イランの核開発計画を永久に放棄する戦略的機会と捉えているのでしょう。これが短期的な見通しです。
しかしながら、中長期的には、地域的な集団安全保障メカニズム、すなわち紛争の平和的解決を促進し、戦争や軍事衝突に終止符を打つ枠組みが構築されない限り、中東は安定と安全保障の回復を得られないでしょう。こうしたメカニズムは、実力のある地域諸国、特に直接的あるいは代理的な軍事冒険主義に関与していないアラブ諸国によって主導され、国際社会の支援を受けなければなりません。
>
要点は、以下の部分です。
<
ドナルド・トランプ大統領政権は、イスラエルに対し戦争停止を求める本格的な圧力をかけることに消極的であるように見受けられます。おそらく、この紛争の潜在的な結末を、イランの核開発計画を永久に放棄する戦略的機会と捉えているのでしょう。これが短期的な見通しです。
しかしながら、中長期的には、地域的な集団安全保障メカニズム、すなわち紛争の平和的解決を促進し、戦争や軍事衝突に終止符を打つ枠組みが構築されない限り、中東は安定と安全保障の回復を得られないでしょう。
>
今回のイラン・イスラエル危機のキーパーソンは、トランプ大統領です。地域的な集団安全保障メカニズムはなければ、中東は安定と安全保障の回復を得られないという考えは正論だと思います。
4)イランの核兵器
イラン・イスラエル危機の主要テーマは、次の2つです。
第1は、イランの核兵器の破壊です。
第2は、イランの体制崩壊です。
前者について、Natasha Lindstaedt氏は、次のように分析しています。(筆者要約)
<<
イスラエル、イランの核施設破壊は困難か ミサイル戦力には大打撃 2025/06/17 Forbs Natasha Lindstaedt
https://forbesjapan.com/articles/detail/79916
>>
<
イランは核兵器を保有するには至っていないが、2週間以内に核兵器8発分の核分裂性物質を生成できる段階にあるとみられていた。
核爆弾を製造するにはウランを90%まで濃縮する必要があり、イランは60%まで濃縮したウランの備蓄を増やしてきた。
イランでは十数カ所の拠点で核関連活動が行われており、最大の濃縮施設は中部ナタンズにある。
イスラエルの防空システムは2024年4月、イスラエルによる在ダマスカス・イラン大使館空爆に対するイランの報復作戦でも試された。「真の約束」と名づけられたこの作戦では、ドローン(無人機)約170機、巡航ミサイルと弾道ミサイル計約150発が使用されたが、イスラエルの被害は最小限に抑えられた。大多数は西側のパートナー諸国の協力で、イスラエル国外で撃ち落とされたとされる。
イスラエルは、イランが弾道ミサイルに核弾頭を搭載する準備を整えているという情報を持っていると主張し、今回のイラン攻撃を正当化している。しかし、核施設に対する攻撃は過去に、限定的な成果しかあげられなかった。それどころか、イスラエルが1981年6月にイラクの原子炉を攻撃した時には、ある程度の損害を与えながらも、かえってイラクの政権に核兵器取得への決意を強めさせる結果になった。
イランの核開発の野望を完全に阻止することは、おそらく不可能だろう。だが、イスラエルはこの機会を捉えてイランのミサイル戦力を著しく弱体化させている。
>
この記事の要点は、<イランの核開発の野望を完全に阻止することは、おそらく不可能だろう>につきます。
この記事を引用した理由は、もう一つあります。
<イスラエルの被害は最小限に抑えられた。大多数は西側のパートナー諸国の協力で、イスラエル国外で撃ち落とされたとされる>
この部分は、2024年4月のミサイル攻撃を説明しています。
今回も「西側のパートナー諸国の協力」があったのでしょうか。
G7では、イランを批判する決議が採択されています。
「西側のパートナー諸国の協力」があった場合には、この決議は、自然な内容になります。