イラン・イスラエル危機(10)

1)マスコミの機能

 

ロイターは、イランも、イスラエルも、大勝利であるといっていると伝えています。

 

これは、停戦が実現するための前提条件なので当然といえます。

 

イランメディアによると、ペゼシュキアン大統領は、同国が戦争を「偉大な勝利」で終結させたと表明。さらにサウジアラビアムハンマド・ビン・サルマン皇太子に対し、イランは米国との対立を解決する用意があると伝えたという。

 

一方、イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエルは何世代にもわたって記録される歴史的勝利を収めたと表明。同時に、イランに対する軍事作戦を完了させ、イスラム組織ハマスを打倒しなければならないとも語った。

 

イスラエルのエヤル・ザミール参謀総長は、紛争の「重要な一章」は終結したが、イランに対する作戦はまだ終わっていないと指摘。同軍はパレスチナ自治区ガザ地区においてイランが支援するハマスとの戦闘に再び焦点を当てると述べた。

<<

イスラエル・イラン紛争停戦へ 米仲介も永続的和平は前途多難 2025/06/25 ロイター Jeff Mason, Alexander Cornwell, Parisa Hafezi

https://jp.reuters.com/world/security/3TL7OUV7IJOVXOTKV3DKHG3YRQ-2025-06-24/

>>

 

CNNは、イランの核開発プログラムの中枢部分を破壊するには至っていないと伝えています。

 

米軍が21日に行ったイランの核施設への空爆について、初期評価ではイランの核開発プログラムの中枢部分を破壊するには至っておらず、開発計画を数カ月後退させた程度とみている。

<<

米軍のイラン空爆、核開発の中枢破壊に至らず 初期評価 CNN EXCLUSIVE 2025/06/25

https://www.cnn.co.jp/usa/35234682.html

>>

 

トランプ大統領も、軍も、そのことは、十分承知しています。

 

今回は、取り合えずの停戦が目的なので、イランの核開発プログラムの中枢部分の破壊の有無を持ち出して、停戦をぶちこわすことには、腹がたっているはずです。

 

CNNは次のように、伝えています。

 

トランプ氏は今週の北大西洋条約機構NATO)首脳会議に出席するためオランダに滞在中。今回の攻撃を「歴史上最も成功した軍事作戦の一つ」と評し、「イランの核施設は完全破壊されている!」と付け加えた。

 

CNNはこれに先立ち24日、事情に詳しい関係者7人が説明した米情報機関の初期評価として、米軍は先週末にイランの核施設3カ所を攻撃したものの、イランの核計画を数カ月遅らせただけの可能性が高いと報じていた。

 

トランプ氏は現地時間の午前3時半ごろに最初の投稿を行ったが、その後スペルミスを修正して再投稿。CNNと米紙ニューヨーク・タイムズによる「攻撃をおとしめる試み」だと非難した。

 

ホワイトハウスのレビット報道官もこれより前、CNNに反論し、報道の存在を認めつつも「まったくの誤り」と評していた。

<<

トランプ氏がCNNに反論 「イラン核開発の中枢破壊に至らず」との報道巡り 2025/06/25 CNN

https://www.cnn.co.jp/usa/35234718.html

>>

 

CNNは、テレビは政治報道では一貫して民主党支持です。

 

なので、問題はありますが、トランプ大統領の反論を掲載した点では、マスコミの中立性を守っています。

 

CNNは、次のようにもいいます。

 

米軍がイランの核施設に対して実施した空爆をめぐり、トランプ大統領とそのチームは攻撃前に共和党の有力議員と連絡を取っていた一方、民主党の有力議員は爆弾が投下されるまでその計画を知らされていなかった。

 

共和党のトップ2人であるマイク・ジョンソン下院議長とジョン・スーン上院院内総務はいずれも攻撃前に通知を受けていた。

 

だが、民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務、チャック・シューマー上院院内総務に通知があったのは攻撃について発表する直前で、攻撃自体は終わった後だった。上院と下院の情報委員会の幹部であるマーク・ワーナー上院議員とジム・ハイムズ下院議員も同様に攻撃が行なれた後まで通知を受けていなかった。

 

ワーナー氏は、「トランプ政権は、議会と協議することなく、明確な戦略もなく、情報機関の一貫した結論を考慮することもなく、米国民に対して何が危険にさらされているのか説明することもなかった」と批判した。

<<

トランプ米政権、イラン空爆前に共和党に情報共有 民主党には知らせず 2025/06/22 CNN

https://news.yahoo.co.jp/articles/b6e1e3284411d9bf66943c4d41cd54cc5c6246b6

>>

 

ワーナー氏は、「トランプ政権は、議会と協議することも、明確な戦略もなかった」といっています。つまり、ワーナー氏の発言は、「トランプ政権は、明確な戦略をもって、議会と協議すべきである」という主張です。

 

問題は、軍事作戦なので、「明確な戦略をもって、議会と協議する」ことが難しい面があります。

 

軍事作戦でなければ、ワーナー氏の「トランプ政権は、明確な戦略をもって、議会と協議すべき」は正論でしょう。

 

ワーナー氏の発言を、日本の政治に置き換えてみます。

 

ワーナー氏のような野党議員が日本にいれば、「骨太の方針、予算案などについて、政府(与党)は明確な戦略をもって、野党と議会と協議すべき」という要求になります。

 

日本には、そのような主張をする野党議員はいません。

 

骨太の方針、予算案などの実態は、有識者会議の答申をうけて、「明確な戦略をもって、野党と議会と協議する」ことなしに、決められています。

 

この点を問題にせうえうマスコミはありません。

 

政府は、説明するといいますが、「明確な戦略をもって、野党と議会と協議」していないので、民主主義のルールに従った説明がなされたことはありません。

 

そのことを問題視する学者も、裁判官もいません。

日本には、憲法裁判所がありません。

 

太平洋戦争のときから、何も、変わっていないと思います。