撮影ガイドの読み方(5)

ボケ(1)

 

プロの写真家は、ボケを使うと考えている人がいます。

 

 撮影ガイドには、ボケについて、詳しく書かれていません。

 

プロの写真家は、時給(撮影効率)でものを考えます。

 

できるだけ、失敗ショットを減らすことを心がけます。

 

ボケは、2種類あります。

 

第1は、前後ボケです。

 

ポートレートが典型で、主題(人物、前景)はぼかさず、背景をぼかします。

 

この場合には、前景がボケないだけの被写界深度が必要です。

 

望遠レンズの方が、被写界深度が深いので、フルサイズセンサーが有利になります。

 

主題(人物)、背景、カメラの位置がほぼ行ってなので、条件をそろえれば、前後ボケのきれいな写真が撮影できます。

 

金太郎飴という批判もありますが、プロの写真家は、そのことは気にしないと思います。

 

第2は、グラデーションボケです。

 

グラデーションボケとは。ボケない部分とボケる部分の境界がグラデーションになるボケです。これは、筆者の造語です。

 

プロの写真家には、グラデーションボケを避ける人もいます。

 

写真1は、グラデーションボケです。

 

手前の彼岸花には、焦点があっていますが、すく後方からボケが始まります。

 

このボケをコントロールすることは困難です。

 

コントロールに失敗すると、失敗写真になります。

 

写真2は、最短地点でも、過焦点距離より遠くに設定しています。

 

こうするとボケは発生しません。

 

グラデーションボケは、後では調整が効かないので、プロの写真家は、通常は回避します。

 

グラデーションボケを撮影する場合には、ボケのない写真をまず撮影して、余裕があれば、失敗でも構わないショットに限定すべきです。

 

写真3の千日紅では、焦点が合っているのは、手前の一番大きな花だけです。

 

それ以外の花は、主題なのか、背景なのか、判然としない写真になっています。

 

グラデーションボケが発生すると、このような問題が起きます。

 

 

写真1


 

写真2

 

 

写真3