プライム・レンズ(単焦点レンズ)は、画角が決まっています。
ズーム・レンズは、画角が変化しますが、一番明るいF値は、基本はF2.8 です。
プライム・レンズは、より明るいレンズで、F0.95からF2.5の間のものが多くあります。
典型的なプライム・レンズは、50mmF1.4または、50mmF1.8のダブルがガウス型です。
50mmF1.4ですと、被写界深度をとってぼかすことが可能になります。
これより、広角のレンズ、例えば、筆者は、シグマの16mmF1.4を使っていますが、F1.4でボケを使ったことはありません。暗所の撮影では、F1.4 は有利なので、パンフォーカスでは使います。ただし、最近のセンサーは優秀なので、この場合には、ISOをあげれば、暗いレンズで十分です。つまい、広角で明るいプライム・レンズは大きくて重い一方、メリットは小さいです。使い勝手を考えれば、F1.8か、E2.0で十分です。
望遠レンズは、被写界深度が深くなりますので、F値を小さくして、背景をボカシても、主題にはきっちり焦点が合います。
しかし、レンズ枚数が増えるので、望遠レンズのF値を小さくすることは困難です。
F1.4の望遠レンズはなく、プライム・レンズでも、F1.8が限界です。
F1.8とF2.8 差を生かせるかが課題になります。
被写界深度を浅くて、主題の前後をぼかした写真は、印象的です。
しかし、これは、主題を外して、ピンボケ写真を作るリスクが高いこと意味します。
一方、F2.8は、広角ではボケません。望遠ではボケますが、被写界深度が深いので、全域で、主題を外して、ピンボケ写真を作るリスクは低くなります。
つまり、被写体(主題)との距離が変化して、なおかつ、撮り直しが効かない場合には、プライム・レンズで絞りを開けるとピンボケ写真が多発して悲惨なことになります。
なので、プロが、プライム・レンズを使う場合は、ポートレート(120mmF1.8)、マクロに限られると思われます。
望遠では、プライム・レンズは、距離が変化しないおきピンに近い条件で、鳥などを撮影する場合に使います。これも、撮り直しが効く条件です。
風景写真は、撮り直しがききますが、パンフォーカスが多いので、明るいF値はあまり必要としません。
なお、前景を手前にとって、フォーカス合成するという特殊な技法もあります。今回は、フォーカス合成は考えていません。
被写体(主題)との距離が変化して、かつ、撮り直しが効かない場合には、プライム・レンズで絞りを開けるとピンボケ写真が多発して悲惨なことになるので、プロは使わない技法です。
アマチュアは、チャレンジしてみる価値がありますが、ピンボケ多発でもめげない精神力が必要です。