換算50mmF1.4の色収差のDLSRのロードマップ

画角別の単焦点レンズのF値の最少は、F1.4か、F1.8が多いです。

 

F値が小さく、被写体に近づくほど、ボケの量が増えますが、これは、被写界深度が浅くなることに対応しますので、焦点を合わせることが難しくなります。

 

望遠レンズになれば、圧縮効果と言われるように、被写界深度が深くなり、F値が小さくなっても、焦点合わせが難しくなることはありませんが、望遠レンズでF値

小さくするとレンズが大きく、高価になります。なので、F値の小さな望遠レンズは、望遠専門のプロ以外には、関係がありません。

 

広角レンズであれば、F値を小さくすることは、望遠レンズ程難しくはありませんが、焦点合わせが難しくなるので、ボケをつかった表現は困難です。

 

例えば、シグマのAPS-C用の16㎜F1.4(換算24mm)で、F1.4で背景をぼかして、花を撮影することはできません。この場合には、花の一部がボケてしまいます。16㎜F1.4は、暗いときに、有利になります。ISOをあげないで、標準的なF4やF2.8の代わりに、F1.4が使えるわけですが、F1.4では、解像度に不安があります。ISOをあげるためには、追加投資はいらないので、F1.4のために、レンズを購入するモチベーションは低くなります。実際には、最近のレンズは、F1.4でも十分な解像度があります。

 

こうした理由で、F値の小さな単焦点レンズは、50mm前後に集中しています。ズームレンズのF値の最小はF2.8です。最近は、キャノンがF2.0、パナソニックがF1.7のスームレンズをだしていますが、大きく、重く、高価になりますので例外です。

 

露光は、シャッター速度、絞り、ISOで決まります。つまり、露光は、レンズの画角とは関係がありません。

 

ISOの下限は、100か200ですので、F1.4の場合には、晴天化のような明るい所では、電子シャッターが必須です。機械式シャッターの最高速度は、2000分の1秒か、4000分の1秒が多いでです。これを越えると、電子シャッターがない場合には、F値を上げることになり、F1.4は、宝の持ち腐れになります。

 

最近のカメラは、自動焦点の性能があがっているので、問題にならなくなりましたが、一昔前のカメラであれば、F値が下がると、自動焦点が外れる確率が高くなります。これは、明るいところで起こる現象です。

 

これをカメラの性能が悪いと考えるか、その前の世代のカメラの自動焦点の性能はもっと悪かったので、問題ないと考えるかは、カメラマンの判断です。

 

WEBには、古い世代のカメラは性能が悪いといって記述だらけですが、カメラは所詮道具です、古い世代のカメラでも、20世紀の歴史に名を遺したカメラマンが使っていた機材よりは、大抵は性能が良いです。例外は、イメージセンサーの回析の問題で、F値を極端に上がられない点だけです。アンセル・アダムスの写真では、F32 が使われていますが、これは、DSLRでは使えません。

 

焦点を外して困る場合には、マニュアルを使う人もいますが、自動焦点であれ、マニュアル焦点であれ、被写界深度が浅くなれば、焦点合わせが難しくなることに変わりはありません。

 

F1.8のレンズであれば、1世代前のカメラでも、自動焦点が合わないことはほとんどありません。また、機械式シャッターでも晴天下で撮影ができます。

 

つまり、F1.4では、普段撮影できないような写真が撮影できますが、それに、比例して、失敗写真を量産する確率も高くなります。

 

さて、カメラメーカーは換算50mmF1.4のレンズでは、ボケが綺麗であると宣伝しています。

 

筆者は、昔は、カメラメーカーの宣伝をうのみにしていましたが、最近では、レンズの価格をあげて、色収差を残す必要があるのか、疑問に思っています。

 

写真1は、パナライカの25㎜F1.4 です。この写りは筆者の好みです。しかし、上部の丸ボケをみれば、緑色の大きな色収差があります。

 

写真2は、キャノンのEF-M32mmF1.4です。F1.4 で撮影したつもりが、F1.6になっていました。これは誤差の範囲と考えます。

 

写真に2は、写真1のような色収差はりません。しかし、色はいま一つです。

 

そこで、darktableのlut3dを使って、色合いを変えてみました。

 

写真3と写真4がその結果です。

 

写真4では、色収差がみえます。

 

色収差は、RAW現像時に、ある程度補正できます。

 

現在は、シングルショットですが、フォーカスブランケットを使えば、RAW現像時に多彩な色修正の補正ができるはずです。

 

昔のフイルムカメラでは、ISOは固定でした。

 

デジタルカメラでは、ISOは可変です。

 

同じように、色収差とボケ量も、可変にできると思います。

 

ソフトウェアによる色収差とボケ量の調整は、犬と背景を区別することができますので、高価なレンズを使うより有利になります。

 

スマホのカメラでは、前景(主題)と背景を区別できることが前提で、現像が行なわれています。

 

DLSRのストロボのTTLは、前景と背景を区別できないお馬鹿さんです。これでは、うまく写るはずがありません。

 

センサーの大きなメリットは、ダイナミックレンジだけですが、これは、マルチショットや、マルチ感度の素子を並べたセンサーでカバーできます。

 

レンズ交換式カメラは、現時点では、スマホのカメラに優っているかも知れませんが、将来に向かっても、スマホのカメラに対して優位を保つためのロードマップが欠けています。

 

写真1 25mmF1.4

 

 

写真2 32mmF1.4

 

写真3 32mmF1.4

 

写真4 32mmF1.4