Bon Appetitの「日本産のサツマイモは世界最高」記事
「HANZAWA」壺みついものHPに、「また、数々の優秀な雑誌を刊行しているCond Nast系の出版社のレシピ掲載専門誌『Bon Appetit』で『日本産のさつまいもは世界最高のさつまいも』とも紹介されました』と書かれています。
なお、「HANZAWA」壺みついものについては、別に紹介します。
説明文の隣には、2015年10月号のBon Appetit表紙写真が出ています。
Bon Appetit October 2015 All About Fall - The Entertaining Issue Single Issue Magazine – January 1, 2015
「HANZAWA」壺みついもは、「厳選かのや紅はるかPREMIUM」を使っています。
「かのや紅はるか」は、認証事業者のみがつくっているブランドです。
「HANZAWA」壺みついものHPには、「かのや紅はるか」は、世界一とはもちろん書いてありませんが、注意して読まないと、勘違いしても不思議ではありません。
「かのや紅はるか」どころか、「紅はるか」が世界一でない可能性もあります。
農産物の輸出には、ブランド戦略が欠かせません。同じブランドで、高くて美味しくないものを買った消費者は、2度と顧客になりません。
その前に、そもそも日本産のサツマイモの英語からして、怪しいです。
1)日本産のサツマイモの英語
観光庁の「Japanese Food Glossary」には、焼き芋の項はありません。本気度が感じられません。
ネットで見ると、日本のサツマイモは、Okinawan or Japanese sweet potatoesと呼ばれているようです。Okinawanは、Okinawan purple sweet potatoesとも書かれています。
つまり、紫芋は、Okinawanで、黄色、オレンジ、白は、Japanese sweet potatoesの2種類しか、英語がないようです。
2)Bon Appetitのサツマイモの記事
Bon Appetit October 2015には、サツマイモの記事はありません。
2019/03/06のBon Appetitに、Sarah Jampel氏が、「Japanese Sweet Potatoes are the Best Sweet Potatoes—And I Don't Want to Hear Otherwise」と書いています。
これは、ネット版です。ここでは、紫芋を除く、日本のサツマイモが美味しいと言っているにすぎません。
米国には、Japanese Sweet Potatoesは、輸出されているようですが、「紅はるか」として、品種または、ブランドが確立しているわけではありません。
この記事は、紫芋以外の品種や品質を区別していませんので、手放しで、喜べる記事ではありません。
この記事をうけて、オーストラリアのYao Chiam氏は、Japanese Sweet Potatoesは、スーパーでてに入りにくいので、入手しやすくする以下の請願書を起案しています。
Japanese sweet potatoes - Murasaki, "satsuma-imo", "yaki-imo" are one of the world's healthiest and tastiest food.
(中略)
If you want Australian Supermarkets to sell this product please vote for this petition.
しかし、2年たっても、賛成が規定の100名に達していません。
なお、JAなめがたしおさいは、2016年から、輸出をはじめ、2020年に、タイ、カナダ、香港、シンガポール、フランス、ドイツに輸出しています。
3)今後の問題
Japanese Sweet Potatoesでは、品種もブランドも区別がなく、玉石混交です。
一方、日本では、同じ紅はるかでも、ブランド名が、乱立しています。金時系は、更に混乱を極めています。
同じブランドでも、ランク分けがなされていませんので、品質のバラツキは非常に大きいです。
どこのJAでも、HPでは、ブランドで、あれば、品質が一定であるように、謳っていますが、JAによっては、同じブランドでも、耐えがたいほどの差があります。
サツマイモの価格は安いので、メロンの品質管理に比べれば、現在の品質管理はずさんです。
しかし、一番高い焼き芋1本の単価は500円を超えていますので、高級品は、メロン並みの品質管理をすべき時に来ています。
サツマイモは、サイズの規格もJAで、ばらばらで統一規格はありません、
サツマイモのサイズ、水分量、生糖度のランクを統一規格化して、少なくとも、掘り上げた日付、保存庫から出荷した日付を明示しないと、国内、国外とも、焼き芋ブームが一過性に終わってしまう可能性が高いでしょう。
過去に、シャインマスカットでは、品種が流出して、経済的損失が生じたとしていますが、サツマイモの場合には、食用のサツマイモを植えれば、遺伝的には、同じものがいくらでも作れます。ですから、品種による輸出の独占は不可能です。品質を担保したブランド戦略が重要ですが、現在は、全く野放しになっています。
レモン市場にならないように、最低限の規格化と高級品に焦点を当てたブランド戦略は、急務と考えます。
- HANZAWA 壺みついも
https://tsubomitsuimo.shop-pro.jp/
- 令和3年産「かのや紅はるか」認証事業者の決定 2021/08/06
https://www.city.kanoya.lg.jp/seisan/sangyo/nogyo/gijutsu/r1ninsho.html
- Japanese Sweet Potatoes are the Best Sweet Potatoes—And I Don't Want to Hear Otherwise 2019/03/06 Bon Appetit Sarah Jampel
https://www.bonappetit.com/story/japanese-sweet-potatoes
- Petition Coles and Woolworths to stock Satsuma-imo Sweet Potatoes (taste like chestnuts) change.org Yao Chiam
- Roasted sweet potato
https://www.wikiwand.com/en/Roasted_sweet_potato
- Sweet potato
https://www.wikiwand.com/en/Sweet_potato
- Japanese Food Glossary