晴れの日の空の露光補正というのは、光源が空にある場合の風景の露光補正です。
雲りの日でも、同じ現象が起こることもあります。
この問題のわかりやすい例は、空が映った水面です。
水面に映った空の光源は、空から来ています。
つまり、水面より空が必ず明るくなります。
この状態でも、空が白飛びしなければ、問題はないという考えもあります。しかし、RAWのダイナミックレンジは10-12EV位ありますので、これをJpegの8EVに圧縮する時には、中間トーンが失われます。
空と水面の明るさを近づければ、その分、中間トーンに割り当てるダイナミックレンジが増えるはずです。
フィルム時代の風景写真の撮影では、中央で濃度の変化するフィルターを使って、この問題を回避していました。
RAW編集ではあれば、darktableで、同等の処理が可能です。
今回は、グラデーションデンシティを使ってみます。
写真1が、最初のサンプル画像です。 空と水面を比べると、水面が暗くなっています。
写真2 グラデーションデンシティを使うと、空の部分が暗くなります。
写真3 露光を調整して、写真全体を明るくします。
写真4 白飛びをチェックしています。この写真の場合には、赤い部分が白飛びしています。ただし、RGBの全チャンネルが、白とびしている訳ではありません。
写真5が、2番目のサンプル画像です。 空と水面を比べると、水面が暗くなっています。
写真6 グラデーションデンシティを使うと、空の部分が暗くなります。
写真7 露光を調整して、写真全体を明るくします。
写真8 白飛びをチェックしています。この写真の場合には、白飛びしている赤い部分はほんの少しです。
ここでは、白飛びに手を入れませんが、この程度であれば、フィルミックRGBモジュールの白飛び修復を使うことも可能です。