秋の写真を撮る(17)風景の主題

今回の話題は、写真の主題です。

例で、説明します。

写真1は、龍王峡です。虹見の滝と、龍王神社が写っています。

龍王峡はモミジで有名ですが、モミジは主題にならないのではないかという疑問を持ちました。

写真2では、虹見の滝と、龍王神社に焦点を合わせて、トリミングしています。

写真2では、主題は、虹見の滝と、龍王神社であって、モミジは、背景にすぎません。

写真1より、写真2のほうが、座りがよい構図です。

写真3は、むささび橋から見た、上流側の龍王峡です。

写真4では、写真3に、トーンイコライザーをかけています。空は、白飛びしやすいので、露光を下げ、モミジの部分の露光をあげています。

一般に流布している、龍王峡の写真は、写真4のような構図です。

この構図では、中央が河川です。龍王の龍は、河川をさすとおもわれますので、この構図では、河川が主題で、モミジが背景という、へりくつの説明は可能ですが、写真4の河川には、主題になるだけのインパクトはありません。

むささび橋の近くに、むささび茶屋がありますが、林の中に埋没していて、龍王神社のような、ランドマークにはなっていません。

WEBでみると河川の色を編集しているらしき写真もあります。河川に空の水色をより多くいれると、主題になるかもしれません。

写真5では、水に空の色をより強くいれています。すこしは、ましでしょうか。

写真6と写真7は、軽井沢大賀ホールです。写真7では、トーンイコライザーを有効にしています。

写真7に見るように、ここでは、近景の樹木、中景の軽井沢大賀ホール、遠景の山があり、主題は、軽井沢大賀ホールであることがすぐに、わかります。したがって、写真の構図の座りがよいのです。

こうしてみると、モミジの渓谷の写真は、ランドマークがないと、難物であることがわかります。

写真4のような主題のない写真を見慣れて、そんなものだと思ってしまうと、写真が上達しません。

もちろん、遠近法を止めて、ミニマリスムを使う方法もあります。

写真8では、モミジの葉を入れています。この写真は悪い例です。

ミニマリスムをねらうのであれば、モミジの葉が、できるだけ、繰り返しパターンになっている場所を探すべきです。

 

 

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写真1

 

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写真2

 

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写真3

 

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写真4

 

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写真5

 

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写真6

 

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写真7

 

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写真8

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