今回の話題は、写真の主題です。
龍王峡はモミジで有名ですが、モミジは主題にならないのではないかという疑問を持ちました。
写真2では、虹見の滝と、龍王神社に焦点を合わせて、トリミングしています。
写真2では、主題は、虹見の滝と、龍王神社であって、モミジは、背景にすぎません。
写真1より、写真2のほうが、座りがよい構図です。
写真3は、むささび橋から見た、上流側の龍王峡です。
写真4では、写真3に、トーンイコライザーをかけています。空は、白飛びしやすいので、露光を下げ、モミジの部分の露光をあげています。
一般に流布している、龍王峡の写真は、写真4のような構図です。
この構図では、中央が河川です。龍王の龍は、河川をさすとおもわれますので、この構図では、河川が主題で、モミジが背景という、へりくつの説明は可能ですが、写真4の河川には、主題になるだけのインパクトはありません。
むささび橋の近くに、むささび茶屋がありますが、林の中に埋没していて、龍王神社のような、ランドマークにはなっていません。
WEBでみると河川の色を編集しているらしき写真もあります。河川に空の水色をより多くいれると、主題になるかもしれません。
写真5では、水に空の色をより強くいれています。すこしは、ましでしょうか。
写真6と写真7は、軽井沢大賀ホールです。写真7では、トーンイコライザーを有効にしています。
写真7に見るように、ここでは、近景の樹木、中景の軽井沢大賀ホール、遠景の山があり、主題は、軽井沢大賀ホールであることがすぐに、わかります。したがって、写真の構図の座りがよいのです。
こうしてみると、モミジの渓谷の写真は、ランドマークがないと、難物であることがわかります。
写真4のような主題のない写真を見慣れて、そんなものだと思ってしまうと、写真が上達しません。
もちろん、遠近法を止めて、ミニマリスムを使う方法もあります。
写真8では、モミジの葉を入れています。この写真は悪い例です。
ミニマリスムをねらうのであれば、モミジの葉が、できるだけ、繰り返しパターンになっている場所を探すべきです。
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