極上の焼き芋の焼き方(52)

キャセロールの特性

今まで、キャセロールをオーブンに入れて焼いてきました。

これは、キャセロールにサツマイモを入れることで、サツマイモに熱風が直接あたることを避け、乾燥しすぎが防げること、サツマイモの中央と、皮の近くの温度差を小さくして、均一に火が通ることを期待してのことです。この焼き方は、より石焼き芋やつぼ焼き芋に近い加熱法です。

サツマイモを焼く場合の考え方は主に2種類あると思われます。

  1. 伝統的な石焼き芋やつぼ焼き芋を再現する。

  2. 温度と継続時間を最適と思われる範囲に制御する。

今までの結果は、1.の方法では、食べられないほどのひどい出来になったことはありませんが、2.の方法で、失敗したときには、食べられない出来になります。そして、その理由が不明なわけです。

(49)は、170度で、なにもしないで、そのまま、焼きました。

今回も、170度(石焼き芋系の温度)で、キャセロールで焼いてみます。

今回は、10分毎に止めて、温度を計測してみます。もちろん、毎回、キャセロールを取り出して、蓋をあけて温度を測るので、連続して加熱する場合よりは、温度情報が緩やかになってしまいますが、大きな差はないだろうと仮定しての実験です。実験につかった芋は、紅天使(ポテトかいつかの紅はるかブランド)です。サツマイモの大きさはS(109g)で、ほぼ同じサイズのサツマイモを3つキャセロールに入れて加熱しましたが、測定は1つだけです。

図1が、温度の変化です。鍋の外と内、芋の外(皮)と内(身の中央)の温度です。

サツマイモの中の温度は、芋は焼けて柔らかくなるまで、計測できていません。そこで、測定できない部分は、図1から、皮と中央の温度差が10度とした推定値で作成したグラフが図2です。

キャセロールの外側が一定温度になるまでに30分、内側では、40分かかっています。

10分単位の加熱のためか、(49)よりも最終温度が上がっていません。(49)と同じ温度にするには、設定温度を170度より高くすべきかもしれません。

(49)との温度の比較を図3に示します。Cがついているデータがキャセロールのものです。80度以下で反応が進むのであれば、今回が、(49)よりよさそうですが、食感は、合格ではありますが、(49)より、良いとは言えませんでした。

写真1が焼きあがった紅はるかです。蜜は、ほんの少しだけ出ました。

写真2が焼き芋の断面です。透明感があり、合格点は付けられます。

写真3は焼き芋の耳の断面で、ここも硬くならずに食べることができます。

これが、良いとは言えませんが、とりえず、細かく温度測定をしたので、比較のスタートはできたといえそうです。

 

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図1 キャセロールの加熱

 

 

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図2 キャセロールの加熱(推定値を含む)

 

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図3 キャセロールとそのままの加熱

 

 

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写真1 焼き芋の状態

 

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写真2 焼き芋の断面

 

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写真3 焼き芋の耳の断面