旧土肥家住宅の母屋(ひたちなか海浜公園・ひたちなか市)~つくば市とその周辺の風景写真案内(324)

旧土肥家住宅の母屋(ひたちなか海浜公園・ひたちなか市

旧土肥家住宅は、ひたちなか海浜公園に移設されている民家です。主屋と隠居屋の2棟あるので、2回に分けて紹介します。ひたちなか海浜公園には、実は、2019年7月に古民家がもう1棟(旧會澤家住宅)移設されているのですが、表の方から見えなかったので、見落として、写真を撮り損ねています。

写真1は、旧土肥家住宅の案内板です。主屋と隠居屋とは、実は、ほぼ、同じ大きさです。案内板で、「ダイドコロ」と書かれている場所は、土間になります。

隠居屋の建設は1703年で、主屋の建設時期は、はっきりしませんが、隠居屋より50年くらい古いと推定されているようです。2つの住宅は、旧新利根村から移設されています。

写真2が、主屋の外観です。時代劇に出てくるようなイメージです。

写真3が、主屋の内装です。太い材木が使われています。ちょっと自信がないのですが、写真2では、明かり障子は使われていません。この住宅では、縁側がないので、雨が吹きこむので、明かり障子が採用されなかったと考えています。古民家の場合には、採光が難しく、室内は暗いことが多いです。ここでは、行灯型の電球が入っていますが、本来は、これがなく、かなり暗かったと思われます。

 

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写真1 旧土肥家住宅の案内板

 

 

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写真2 旧土肥家住宅の母屋

 

 

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真3 旧土肥家住宅の母屋

 

極上の焼き芋の焼き方(72)

焼き芋羊羹と焼き芋の話(4)

補足事項

積み残し事項の補足です。以前の記事には書いている内容ですが、途中から、読者になられた方には通じないので、今までの3回に書き落とした点を補足しておきます。

  • サツマイモの選択

サツマイモは、ここでは、紅はるかをつかっています。紅あずまでは、うまくいきません。シルクスィートでも、紅はるかと似た状態にはなると思います。

サツマイモは、傷の少ない良いものを選んでください。目利きの自信がない場合には、JA行方などのブランドものを使うことも、1つの方法です。

サツマイモのサイズはMかL(200g、300-350g)がよいです。S(100g)は、この時期には、保存によって乾燥しすぎています。紅はるかは、紅あずま程は大きくならないので、2L以上の紅はるかがあるのか不明です。過去の2L、3Lの紅はるかと書かれたサツマイモの焼き芋の実験は全て失敗していますので、2L以上はお勧めできません。

  • アルミホイルの包み方

写真1のように、サツマイモはよく洗って、水分をふき取ってください。次に、金串かフォークでサツマイモの皮に小さな穴をあけます。これを行わないと、加熱によって、内部の空気が膨張して、爆発することがあります。

写真2は、サツマイモに合わせた大きさのアルミホイルをカットしたところです。

写真3は、アルミホイルをサツマイモに巻き付けたところです。アルミホイルはサツマイモの水分保持の目的で使いますので、アルミホイルがサツマイモを完全に覆うようにしてください。この状態で、オーブンのトレイに並べで170度で加熱します。

  • 加熱方法

加熱方法は前回書きました。ここは、補足です。合計で120分加熱できれば、連続でも、60分x2に分けてもかまいませんが、お薦めは、60分x2です。その理由は、2時間まとまった時間をとらなくてもよいので、時間調整が容易だからです。たとえば、本日(土曜日)の場合には、お昼に、60分加熱して、その後、トロ箱に入れて、そのことをすっかり忘れていました。夕食時に、トロ箱をみて、焼き芋を作成中であったことを思い出して、アルミホイルにくるんだサツマイモを取り出して、夕食後に60分加熱して、再びトロ箱に、いれて保存しました。あとは、翌朝に、サツマイモをトロ箱から出せば食べられます。

乾燥が必要なら、食べる前にオーブンで追加加熱すればよいわけです。乾燥をさらに進めるには、サツマイモを切ってから、乾燥させる方法も、電子レンジを使う方法もあり得ます。ただし、電子レンジを使う場合には、アルミホイルを完全にとってから、サツマイモだけを加熱してください。

  • トロ箱の注意

発泡スチロールのトロ箱は、燃えやすいので、注意が必要です。ここでは、100度以上の温度のアルミホイルが、直接に、トロ箱に触れないように、アルミホイルにタオルを巻くことを勧めています。タオルの隙間から、アルミホイルが飛びだすと、危険なので、タオルの巻き方に注意し、トロ箱にサツマイモを入れてから、5分程度は、異常がないかを確認してください。

 

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写真1 水分のふき取りと金串

 

 

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写真2 アルミホイルの大きさ

 

 

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写真3 アルミホイルに包んだサツマイモ

 

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2月第3週の東京都の感染者数のまとめ~コロナウィルスのデータサイエンス(186)

2月第3週の東京都の感染者数のまとめ

2月の第3週も終わるので、今週の2月20日までの感染者データをまとめておきます。

Google Transitデータも更新しました。

Googleの予測データも、2月17日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。

今回は、東京都の検査データに問題があります。先週の最新の検査データは、2月11日でした。今日は、それから1週間たったのですから、普通にいけば、最新の検査データは、2月18日になるはずです。しかし、最新のデータは、2月12日で1日分しか進んでいません。2月12日と2月11日のデータを比べても始まらないので、検査データの比較は省略します。

Googleの予測値は今回は、新(図2)と旧(図1)を掲載しています。この2つのグラフのGoogleの予測値以外のデータは同じです。

図1が、2月10日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

図2が、2月17日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

行動制限率は、7日移動平均では、ー41%で大きな変化はありません。感染者数と経路不明感染者数の減少が止まっています。図1のGoogle予測では、感染者数は、3月に入ると200人を切るというものでしたが、図2では、200人は切らないようになっています。

先週の筆者の予測は、今後、「陽性率の減少がなければ、200人から300人の間くらいで、いったん足踏み状態になる可能性」があるというものでしたが、思ったより早く、300人を切る前に、足踏み状態に近づいています。ただし、東京都の検査データが1日しか進んでいないので、1週間の間の検査数と陽性率の変化は不明です。また、現在は、高原状態で、一休み後、更に感染者数が減少する可能性も高いので、先週の予測の評価はもう少し、保留したいと思います。

図3に、11月1日からの東京都の経路不明率と陽性率を示します。陽性率のデータは1日分しか更新されていませんが、1週間分更新できている経路不明率は、足踏み状態で、減っていません。

図4に、感染者数の1週間前の同じ曜日との差を示しています。東京都が前週との比を使うようになったので、前週との減少比率(1week_ratio)もプロットしてあります。行動制限率はここのところ、-41%前後です。1week_ratioはゼロを中心に変動しており、感染者数の減少は止まっています。

図5は、先週に1データが追加になっただけなので、詳しい、説明は省略します。ただし、ここのところ、感染者数の減少が止まっていますから、今後、検査データが公開された場合には、陽性率と検査数の双方とも1週間前との差で、減少がみられないという原点に近い部分にデータが追加されると予想しています。

Go Toトラベルの影響で、2020年11月の個人旅行は、2019年の11月の170%という数字が出ていました。前年の1.7倍まで旅行者が増えれば、感染が増えるのも当たり前と思います。結局、11月に感染が増えた原因が分析できていませんので、1月に感染が減少した原因も、ここ1週間で、感染の減少が止まってきた原因もわからないという状態にあります。東京都で、300人台は外国に比べ少ないから、問題は少ないという判断もできますが、緊急事態宣言を解除すれば、行動制限率は-30%まで、10%くらいは大きくなると思われます。補助金支出が途切れれば、おのずとそうなります。現状が均衡点であれば、行動制限を緩和すれば、感染者数は、増加に転じると思われます。ただし、世界的な感染者数の減少傾向をみれば、直ぐに感染者数が増える心配はないかもしれません。現在は決め手に欠けている状態と思われます。

 

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図1 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、2月10日版Google予測データ)

 

 

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図2 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、2月17日版Google予測データ)

 

 

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図3 東京都の経路不明率と陽性率(左軸:経路不明率%、右軸:陽性率%)

 

 

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図4 東京都の感染者数の前週の同じ曜日との比較とGoogle Transit(左軸:感染者数の差、人、右軸:行動制限率%、右軸:感染者数の比x(ー1))

 

 

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図5 東京都の前週の同じ曜日との感染者数の差(横軸)と陽性率の差(縦軸)

 

梅を撮る(2)

コントラスト方式の自動焦点カメラの問題点

梅の花が、開いてきて、大写しの写真は、あと1週間くらいで、撮れなくなりそうなので、現在、集中的に梅の花にとりくんでいます。

ミラー付きの一眼レフが、ミラーで、画像センサーと、位相差距離センサーを切り替えて、撮影していたのに対して、出始めのころのミラーレス一眼レフは、画像センサーに写るデータをもとに、コントラスト方式で自動焦点あわせをしていました。しかし、コントラスト方式は、位相差距離センサーより、速度(と精度?)が劣ります。もちろん、アルゴリズムの改善で、性能はかなり向上しましたが、それでも、差があります。結局、このミラーレス一眼レフが、ミラー付き一眼レフより自動焦点が合いにくい問題は、画像センサー内に、位相差距離センサーを埋め込むことで解決します。しかし、全ての一眼レフ(レンズ交換式)カメラが、位相差センサーを埋め込んだ画像センサーを使っている訳ではなく、入門機には、位相差センサーのない画像センサーを使ったコントラスト方式を採用しているメーカー(フジフィルム、オリンパス)や、全機種で、コントラスト方式を使っているメーカー(パナソニック)もあります。コントラスト方式の場合には、縞模様などに対して、アルゴリズムがうまく働かないとマニュアルに断ってあります。

筆者のカメラで利用頻度の一番高い機材は、オリンパスペンで、コントラスト方式ですが、通常は、自動焦点に大きな問題はありません。もちろん、動きの速い被写体を撮影する場合には、位相差方式のカメラ程の速度は出ませんが、そのデメリットよりも、カメラが小さくて、簡単に持ち出せるメリットの方が大きいです。

しかしながら、オリンパスペンに望遠レンズを付けて、梅の花を撮影したところ、焦点が合わない場面が続出しました。m43では、コントラスト方式の自動焦点の性能は、パナソニックが、オリンパスより優れています。これは、パナソニックが位相差センサー付き画像センサーを導入しない理由でもあります。実際に、パナソニックの入門m43では、走っている犬を撮影できます。コントラスト方式のオリンパスのカメラでは、かなり難しい場面です。そこで、梅の花に、ピントが合わないのは、オリンパスコントラスト方式の性能が良くないからで、パナソニックなら何とかなるだろうと、パナソニックの入門機を使ってみました。でも、やはり、ダメでした。

ダメついでに、フジフィルムの入門機で、望遠レンズを試したのですが、やはり、ダメでした。この入門機は、理由は不明ですが、レンズ交換式カメラでは珍しく、マクロ撮影モード(マクロレンズではなく、コンデジについているようなモード切り替え)があり、それも、使ってみましたが、効果がありませんでした。

こうなると、入門機だから焦点が合わないのであって、パナソニックの高級機材なら、コントラスト方式でも梅の花がとれるのか、気になりました。パナソニックの高級レンズ交換式カメラはもっていませんが、コンデジなら、そこそこのLX-100があります。そこで、最後に、LX-100を持ち出して試して見ました。LX-100は高級コンデジなので、コントラスト方式のアルゴリズムに手抜きはないだろうと考えたわけです。

結果は、ダメでした。LX-100を操作して気づいたことがあります。プログラムモードで、ほどほど絞って撮影する場合には、問題はありませんでした。絞り優先モードで、絞りを目いっぱい開けると、焦点が合いませんでした。これは、考えてみれば、当たり前のことで、絞った画像には、コントラストで焦点を合わせる模様がたくさんつきますが、絞りをあけて、画像がボケてしまうと、コントラストで焦点を合わせる模様がなくなってしまうからです。これから、(確認はしていませんが、)パナソニックの高級レンズ交換式カメラだから、コントラスト方式でも、絞りを開けて、梅の花が望遠で自動焦点で撮影できるとは考えにくいです。

というわけで、ここのところ、ボケた梅の写真に振りまわされています。今回は、撮影できなかった話なので、サンプルはありません。望遠レンズの場合には、プログラムモードで、ある程度絞ってもボケは出るので、あえて、絞りを無理に開けることはないという結論になりました。絞り優先ならF8でも大丈夫そうです。この条件なら、コントラスト方式でもほどほど自動焦点が使えます。

この記事だけよむと、コントラスト方式のカメラより、位相差センサー方式のカメラがよいと思われるかもしれませんが、画像センサーに埋め込んだ位相差センサー方式も10年くらい前の技術です。パナソニックが、位相差センサー方式を取り入れないのは、動画には、向いていないからだともいわれます。最新の距離計測技術は、iPhoneiPadに採用されているLiDARで、位相差センサーとは比較にならない性能があります。今後、パナソニックが、距離センサーを導入するとしたら、位相差センサーをとばして、LiDARになると思われます。

 

極上の焼き芋の焼き方(71)

焼き芋羊羹と焼き芋の話(3)

アルミホイル加熱の事例研究

今回は、実際に、アルミホイルとトロ箱を使った焼き芋羊羹の実例を示します。

実は、現時点では、細部の条件設定による違いは不明です。しかし、(69)に書いたように、サツマイモをアルミホイルで包むと、細部の温度設定の違いは、殆どきかなくなりますので、アバウトでよいと思っています。

  • サツマイモをアルミホイルで包んで、170度であれば、合計120分加熱します。

  • 加熱の途中または、加熱の後で、トロ箱で保温すると、糖化が更に進んで、糖蜜が出るようになります。

  • アルホイルで包んで焼くと水分が飛びにくいので、より、水分の少ない焼き芋がお好みの場合には、最後にアルミホイルを開けて、追加加熱して、水分を飛ばします。ただし、このときに、アルミホイルについた糖蜜は焦げてしまいます。

実例を示します。

表1が、オーブン付き電子レンジのオーブンの加熱条件です。

タイプ1は、120分連続加熱です。保温は加熱後に行います。

タイプ2は、加熱を60分x2に分割しています。保温は加熱後と加熱の間に行います。

この例では、保温時間がやたらと長いですが、これは、面倒なので、放っておいたためです。大きく、効果があるのは60分くらいまでだろうと推測しています。

最後に、焦げないように、140度で30分加熱して、水分を飛ばしました。なお、この後で、170度で試して見ましたがサツマイモは焦げなかったので、現在は、乾燥温度は、170度でよいと思っています。

タイプ1とタイプ2ともに、約350gのサツマイモを使いました。重量変化はどちらもほぼ同じでした。すなわち、次です。

生芋  350g

焼き芋 300g

乾燥後 280g

写真1が、出来上がった焼き芋です。上のタイプ2の方が糖蜜が多いように見えます。糖蜜は、下にたまるので、写真1は、アルミホイルを開けて、サツマイモの上下を入れ替え、下になっていた方を写真に写しています。なお、サツマイモをアルミホイルで包むと糖蜜が出るので、加熱の途中で、一度、上下を入れ替えた方がよいと思いました。

写真2は、焼き芋の断面です。タイプ1とタイプ2に、差はありません。実際に、食べてみて、区別はつきませんでした。

なお、その後で、170度120分で、トロ箱で保温しない場合も、試して見ましたが、糖蜜が少ないように感じました。ただし、サツマイモの個体差があるので、正確には、わかりません。トロ箱で保温しても、特に、電気代はかかりませんので、時間がない場合には、トロ箱保温を省略する方法もありますが、時間があれば、トロ箱保温を薦めます。

写真3は、焼き芋のアルミホイルを開いて、170度で30分追加加熱して、水分を飛ばした状態です。糖蜜が、サツマイモの皮につくので、サツマイモの皮の部分が一番甘くなります。この部分は、乾燥させすぎると飴になってしまうので、食感を保つにはその前で、乾燥を中止すべきです。写真3のように、アルミホイルについた糖蜜は焦げてしまいますので、スプーンなどで、乾燥させずに、アルミホイルについた糖蜜をとって、サツマイモに載せて食べる方法もあります。

今回の方法で、焼き芋の甘さについては、ほぼ、目的を達成したと判断しています。保温時間と保温方法は、アバウトですが、少し変えても、大きな差はないと考えています。

 

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表1 加熱条件

 

 

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写真1 焼きあがった焼き芋(上:タイプ2、下:タイプ1)

 

 

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写真2 焼きあがった焼き芋の断面(左:タイプ2、右:タイプ1)

 

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写真3 アルミホイルを開いて、170度で30分追加加熱した焼き芋の例

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梅を撮る(1)

被写対象の選択

梅の花が咲いてきたので、すこし、撮影法を整理してみます。というのは、花の撮影は、山の風景などと異なり、ある意味では、何でもありなので、今まで、筆者は、深入りしてこなかったからです。

撮影する場合に、画角やレンズの明るさが影響しますが、とりあえず、写真1くらいの数の花をいれるとして、試した結果、換算120㎜くらいであれば、APS-Cで、F値にこだわらずにボケた写真が撮れることがわかりました。換算120㎜が良いというのは、50㎜では問題があるという意味ではありません。50㎜だと、梅の木の下の方にある花しか大きく写せませんが、120㎜あると、ある程度は手の届かないところにある花も撮影できます。シャッターチャンスが増える点で、120㎜がお薦めと考えます。(注1)また、コントラスト方式の自動焦点カメラでは、被写体が、梅の花のように白い場合には、焦点が合いにくくなります。特に、望遠では、その傾向が強まりますので、マニュアルフォーカスに切り替えるなどの注意が必要です。

問題は、花の選び方です。以下では、ライティングも含めて論じますが、これは、ライティングが必須というわけではなく、自然光で撮影する場合でも、光の実態を把握しておく必要があるという意味です。

問題点を写真1で説明します。一番の問題は、花の選抜の仕方と思います。フレームの中に、花弁が落ちてしまって、ガクだけになった花が入っているのは論外です。写真1を見ると、花の中央のめしべのあたりが赤い花と、茶色い花があります。明らかに、茶色い花は古い花で、赤い花は新しい花です。写真1をみれば、わかりますように、赤い花の方が、花弁が白いです。従って、綺麗な梅の花の写真を撮るには、花の選抜が重要です。大まかには、1本の木全体が満開近くなると、良い花は少なくなります。

第2に、花の付き方の問題があります。写真1では、後ろ向きの花はなく、横向きの花が2つあります。できれば、後ろ向きの花は入れたくありません。梅の花は、枝に対して向きが固定されていて、花の向きは、変更できないので、良いものを選ぶしか方法はありません。

第3に、ライティングの問題も重要です。写真1では、花弁に影ができています。逆光は避けるにしても、順光にするか、斜めにするか、影はどの程度まで許容するかを考える必要があります。側光で、良い光線が得られると、半分透き通ったような花弁の色が得られますが、良い花で、この光線を得るのは非常に困難です。

第4に、背景、特に、背景の色は重要です。晴れの日は光線が強すぎて減光フィルターを付けないと、絞りが開放側では、撮影できないことがあります。曇りの日にはその問題はありませんが、曇り空は、背景色としては、さえません。青空、または、木の緑が背景にあると、梅の白色が映えます。

 

注1:

120㎜を大きく超えても、もちろん、撮影できます。ただし、望遠が大きくなると、画質が悪くなるリスクが増えます、また、梅の木の上の方の花になれば、なるほど、カメラの位置を変えても、光線の修正が難しくなります。いずれにしても、梅の花の撮影は、一見自由度が高いように見えますが、実際には、非常に制約が多いです。例えば、サクラは一斉に咲くので、撮影時期が限定されます。梅の花はバラバラに咲いて、花もサクラよりは長くついています。だからと言って、綺麗な被写体の花を探すことが、サクラより簡単とは言えないのです。

 

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写真1 梅の花 34㎜(換算56㎜)F5.6

 

 

 

ドラえもんの認知バイアス補正メガネ

認知バイアス

認知科学が進歩して、様々な認知バイアスが広く知られるようになりました。図1の上のメガネなしの図は、心理学の教科書によく出てくる認知バイアスの例です。同じ線の長さが異なって見える例です。認知科学が進歩して、認知バイアスは、できれば、放置しないで、補正すべきであるという認識がひろまってきています。つまり、図1の上の図を見て、わかりましたで済ませるのはよくない、できれば、補正すべきであるという考えです。図1の下の図は、この考えに基づいて、2つの線が同じ長さに見えるように、線の長さを補正したものです。この図のように、認知バイアスを補正できれば、人間は世界(目で見えるものなど)をより正確に把握できるはずです。現在は、VRが発達していますから、メガネをかけると図1の上の図が、下の図に自動変換することは、技術的には可能です。そこで、ここでは、そのような認知バイアスを補正するVRメガネを考えます。

 

 

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図1 認知バイアスとその補正

認知バイアス補正メガネ

認知バイアス補正メガネが発明されたとして、それを通じて、見える世界を考えれば、今あるバイアスが理解できます。こうした発明は、ドラえもんの得意技なので、ここでは、ドラえもんが、認知バイアスメガネを発明して、のび太君に渡したと仮定して、のび太君になったつもりで、世界を見ます。

  • スーパーマーケット

認知バイアス補正メガネをかけて、のび太君は、チョコレートを買いにスーパーマーケットに行きます。お菓子の棚には、いろいろなチョコレートが並んでいます。この278円のホワイトチョコが美味しそうだなとのび太君は思います。そこで、メガネのスイッチをONにします。278円の表示は、バイアスを除いた300円表示に切り替わります。ホワイトチョコレートは、半分透明になって、存在感がうすくなりました。となりのブラックチョコはしっかり見えています。のび太君があれっと思って成分表示ラベルとみると、その訳が分かりました。ラベルのとてもきれいなホワイトチョコは、砂糖がたくさん入っている代わりに、カカオがほとんど入っていないのです。写真は、実際の中身とは違うのです。のび太君は、流石、認知バイアス補正メガネだと感心します。

  • 静香ちゃんのお友達

スーパーの帰りに、道で、静香ちゃんがお友達を連れて歩いているのに出会います。静香ちゃんの連れているお友達は、ものすごい美人です。静香ちゃんの3倍くらい魅力的に見えます。そこで、のび太君はメガネのスイッチをONにします。認知バイアス補正メガネはお化粧による認知バイアスを補正して、すっぴんの顔を見せてくれます。すっぴんでくらべると、静香ちゃんは、お友達よりはるかに美人です。のび太君はほっとします。

まとめ

こうした事例を作ってみると、よく、認識していない認知バイアスがあることに気づかされます。ストーリーを作ることは頭の訓練になります。