ドラえもんの認知バイアス補正メガネ

認知バイアス

認知科学が進歩して、様々な認知バイアスが広く知られるようになりました。図1の上のメガネなしの図は、心理学の教科書によく出てくる認知バイアスの例です。同じ線の長さが異なって見える例です。認知科学が進歩して、認知バイアスは、できれば、放置しないで、補正すべきであるという認識がひろまってきています。つまり、図1の上の図を見て、わかりましたで済ませるのはよくない、できれば、補正すべきであるという考えです。図1の下の図は、この考えに基づいて、2つの線が同じ長さに見えるように、線の長さを補正したものです。この図のように、認知バイアスを補正できれば、人間は世界(目で見えるものなど)をより正確に把握できるはずです。現在は、VRが発達していますから、メガネをかけると図1の上の図が、下の図に自動変換することは、技術的には可能です。そこで、ここでは、そのような認知バイアスを補正するVRメガネを考えます。

 

 

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図1 認知バイアスとその補正

認知バイアス補正メガネ

認知バイアス補正メガネが発明されたとして、それを通じて、見える世界を考えれば、今あるバイアスが理解できます。こうした発明は、ドラえもんの得意技なので、ここでは、ドラえもんが、認知バイアスメガネを発明して、のび太君に渡したと仮定して、のび太君になったつもりで、世界を見ます。

  • スーパーマーケット

認知バイアス補正メガネをかけて、のび太君は、チョコレートを買いにスーパーマーケットに行きます。お菓子の棚には、いろいろなチョコレートが並んでいます。この278円のホワイトチョコが美味しそうだなとのび太君は思います。そこで、メガネのスイッチをONにします。278円の表示は、バイアスを除いた300円表示に切り替わります。ホワイトチョコレートは、半分透明になって、存在感がうすくなりました。となりのブラックチョコはしっかり見えています。のび太君があれっと思って成分表示ラベルとみると、その訳が分かりました。ラベルのとてもきれいなホワイトチョコは、砂糖がたくさん入っている代わりに、カカオがほとんど入っていないのです。写真は、実際の中身とは違うのです。のび太君は、流石、認知バイアス補正メガネだと感心します。

  • 静香ちゃんのお友達

スーパーの帰りに、道で、静香ちゃんがお友達を連れて歩いているのに出会います。静香ちゃんの連れているお友達は、ものすごい美人です。静香ちゃんの3倍くらい魅力的に見えます。そこで、のび太君はメガネのスイッチをONにします。認知バイアス補正メガネはお化粧による認知バイアスを補正して、すっぴんの顔を見せてくれます。すっぴんでくらべると、静香ちゃんは、お友達よりはるかに美人です。のび太君はほっとします。

まとめ

こうした事例を作ってみると、よく、認識していない認知バイアスがあることに気づかされます。ストーリーを作ることは頭の訓練になります。