無観客開催オリンピックとワクチンのロジスティック～～集団思考の事例研究（９）

昨日、ばばぬきと表現して、さらに、もうひとりゲームを降りたがっている人がいて

2021/07/06 日刊スポーツ

森喜朗氏「最大の問題は観客。早くから無観客」五輪無観客開催考え示す

更に、どう見ても、忖度のようなスパコン富岳の研究が出てきて、

2021/07/06 日テレ

萩生田大臣は、スーパーコンピューター「富岳」で、観客１万人の中に１０人の感染者がいる前提で、国立競技場の感染リスクを試算した結果を発表しました。その結果、全員がマスクをして、観客の間に空席を設け、競技場の設計通りに、後ろから前に風が吹いた場合、感染リスクは限りなくゼロに近いことがわかりました。

どうも、怪しい感じでした。さらに、田原総一朗氏の次の話が出てきて

2021/07/07　週刊朝日

私は6月21日に、官邸を訪ねて菅義偉首相と会談し、最後に私(田原総一朗氏)が、「有観客で東京五輪を開催して、もしも感染者が急増したら、菅内閣は崩壊せざるを得ないのではないか」と問うと、「それは覚悟している。だが、そうならないために全力を注いでいるのだ」と強調した。

いよいよ、首相が、ばばを引くのかと思いました。

7月7日の東京都の感染者数が、17時過ぎに出ると次のようになりました。

18:09 産経新聞

政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づき蔓延（まんえん）防止等重点措置を適用している東京都に対し、緊急事態宣言を発令する方向で調整に入ったことが７日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。２３日に開会式が行われる東京五輪は、原則無観客で行われる公算が大きくなった。東京都に宣言が発令されれば、これで４回目となる。

18:27 　FNN

政府が、7月11日までの東京都のまん延防止等重点措置を、12日以降、緊急事態宣言に切り替える方向で調整に入ったことがわかった。

19:38 Ameba Times

　政府は、新型コロナウイルスの感染状況が拡大する東京に対し、「緊急事態宣言」を再び発出する方針を固めた。期限は来月22日まで。

ということで、ゲームオーバーになるまでは、1日しか持ちませんでした。都議選が効いたのかもしれません。

富岳の計算例のように、感染を減らすために努力する人がいない状態で、責任の擦り合いを始めると最悪ですから、とりあえず、最悪の事態は回避されたことになります。

ただし、ワクチンの基本的なロジスティックの問題が残っています。

2021/07/06 毎日新聞

河野太郎行政改革担当相は6日、新型コロナウイルスのモデルナ社製ワクチンについて、日本への6月末まで（第2四半期）の供給量が当初計画の4000万回分から1370万回分へ約6割減っていたと明らかにした。河野氏は「モデルナに対する世界的需要が非常に厳しい中で、モデルナ社と協議の上で決めた」と説明した。計画が変更された時期は「正確には覚えていないが、ゴールデンウイーク前くらいじゃないか」とした。

2021/07/06　読売新聞

　田村厚生労働相は６日の閣議後記者会見で、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンに関し、自治体などが約４０００万回分の在庫を保有している可能性を指摘した。「自治体間でミスマッチが起きているのは確かだ」として、ワクチン供給に目詰まりが起きていることにも言及した。

つまり、感染防止の決め手と言われているワクチンは、オリンピックには全く間に合いません。

このロジスティックの問題は、集団思考の典型と思われます。

ワクチンの管理ができていないということは、補助金の使途の管理もできていない可能性が高いということです。

つまり、仕事の進め方のどこかに、欠陥があると思われます。「ゴールデンウイーク前」に欠品になっていたものを放置したことも、仕事の進め方のどこかに、欠陥があると考えないと説明ができません。

今回のロジスティックは、インパール作戦並みです。

無観客になると、感染の地方への分散リスクが減ります。しかし、来日人口が少ないので、東京都の感染には、影響しません。

無観客は、東京都にとっては、ばばぬきの責任の擦り合いの終わりにしかすぎません。

4回目の緊急事態宣言の効果は、小さいと思われます。頼みのワクチンが、原因不明のロジスティックの欠陥で回らないとしたら、敗戦の色が濃くなります。

緊急事態宣言を出しても、14日はトレンドが続くとした予測は次になります。

6月23日の7日平均感染者数 415.6人