Go To BOTにはブレーキがついていなかった件~コロナウィルスのデータサイエンス(159)

コロナウィルスの感染拡大に伴って、Go To事業の見直し作業が進められています。

これから、わかったことは次の2つです。

  • Go To事業の BOTにはアクセルはついていたが、ブレーキはついていなかったことが明らかになりました。

薬の飲めば副作用があります。副作用があった場合には、薬を中断して、必要であれば、副作用を弱める処置をしないと、病気がひどくなり、場合によっては死んでしまいます。この点で、Go To事業はそもそもやってはいけない事業であったことが判明しました。願わくば、ワクチンの配布の時に、Go Toワクチンが繰り返されないように期待したいです。Go Toワクチンを実施すれば、副作用で死亡する人が続出します。

  • 霞が関はウルトラブラックな職場であることが露呈しました。

官僚はロボットではないので、自らの判断で、倫理的に必要であれば、自発的に仕事をすることが可能です。今回のGo To問題では、Go Toの中断や、撤退の場合に備えて準備していた官僚はいなかったことになります。これは本当でしょうか。本当であれば、ウルトラブラックな職場ではないかと思われます。

また、Go Toだけではありませんが、コロナウィルス対策を行うためには、信頼できる感染予測モデルが必須と思われますが、前々回申しあげましたように、霞が関が予測して対策を講じなければならないと、考えているフシが見当たりません。これでは、戦略どころか戦術すらないことになります。

この問題は、昨日のRCEP対応にも共通する課題です。独裁政権の場合には、密室で、戦略を練れば良いのですが、民主主義国家では、戦略には、国民の理解や支持が必須です。これを得るためには、戦略を早めに公開して、合意形成をえることが必要です。

新型コロナウイルス感染症対策本部のHPを見ると、8月の感染がおさまったあとは、今回まで会合が開かれていません。目の前の案件の処理に追われている時には、戦略を立てる余裕はありませんので、戦線が落ち着いている時に戦略を練るべきなのですが、戦略よりもGo Toの対処療法に走ったことが、今回の混乱の原因と思います。

次のハードルは、失業対策であることは明白です。今のままでいくと、3か月か半年後に、失業統計に失業者の数が出たあとに、Go To失業対策をすることになりそうです。

今回の失業は、IT化と強く関係しています。ここ10年ほど、単純労働は、ITにとって代わられ、対人関係のIT化しにくい仕事以外の職場は激減しています。対人関係の仕事がIT化しにくいのは、IT機器に慣れていないユーザーが多く、その分を非正規社員が埋めていました。しかし、この部分は、コロナウィルスの感染リスクが高く、激減して、ITに置き換わっています。つまり、よほど、労働者のスキルの向上に成功しない限り、失業者の雇用は困難なのです。これは、Go To失業対策の対処療法で解決できる問題ではありません。

やり易い、目立った票になりやすい対処療法の事業から着手するのではなく、重要性を考えて、優先順位を付けて、税金を平等に、あるいは、弱者の再教育に重点をおいて、効率的使って欲しいです。