フライパンとオーブン

本屋さんにいって料理の本をみると、「フライパンひとつで簡単にできる」といった内容のコメントが書かれた本が時々あります。これは、「フライパンひとつで簡単にできる」というキャッチフレーズを入れると、料理本が売れるだろうと出版社が考えていることを示しています。同様に、和食でも、「鍋をえらばない」という料理本を出している人がいます。この対極が、鍋を限定した「Staubでつくる」系の本です。この場合には、鍋だけで2万円以上します。

一方、YouTubeで、料理の番組をみると、最初はフライパンで料理していても、途中から、料理をオーブンに入れることが良くあります。さらに、フライパンをそのままオーブンにいれて加熱することもあります。そのためにはフライパンは、鉄製か、ホーローである必要があります。

フライパンとオーブンとどちらが簡単かというと、筆者は、オーブンだと思っています。つまり、「フライパンひとつで簡単にできる」というフレーズには、賛成しかねます。その理由は簡単で、料理は、温度と加熱時間の制御の問題と考えているからです。プライパンとコンロの場合には、種類が様々なので、レシピ通りに作っても、温度がどうなるかはわかりません。アルミのフライパンには、熱伝導がよいので、鉄のフライパンの強火は、アルミのフライパンの中火に相当すると書かれています。しかし、最近では、アルミのフライパンの方が普及しているので、アルミを基準のレシピも多いと思われます。このように、レシピはかなりいい加減です。

一方、オーブンの場合には、温度と時間の設定が基本なので、繰り返し調理しても、毎回同じ料理がつくれます。ですから、オーブンの方が、初心者向けです。

一昔前までは、オーブンが高価だったり、電子レンジに併設されているオーブンがおまけ程度で、出力や風力が弱かったりしましたが、最近では、改善されています。また、2人前程度まであれば、1万円以下でコンベックスオーブンが手に入ります。オーブントースターをやめて、コンベックスオーブンにすれば場所もとりません。

なので、オーブンは初心者向け、フライパンは上級者向けと思っています。フライパンと違って、オーブンの場合には、設定すればあとは放っておけばよいので、ズボラ向きでもあります。