極上の焼き芋の焼き方(117)オーブンレンジで石焼き芋ができるか

オーブンレンジのグリル機能の評価

現在、市販されている電子レンジは、オーブンレンジです。

これは、電子レンジに、オーブン機能がついています。

オーブンとは、熱風(対流)で、食材を温める仕組みです。

この場合、熱風の風の強さには、規格がないので、同じ設定温度でも、オーブンレンジの機種によって、温まり方に差が出ます。

コンベックスオーブンと名前がついている場合は、風量、風速は大きいようです。

一方、放射熱で、温める仕組みがグリルです。

オーブントースターのように、風がおこらない調理器は、グリルです。

石焼き芋什器は、焼き石の放射熱で調理するのでグリルです。

石焼き芋をオーブンレンジで焼くのあれば、オーブン機能ではなく、グリル機能を使うべきです。

以下は、4メーカーのオーブンレンジの上位機種のグリル機能を調べた結果です。一部の機種の情報なので、あくまで、サンプルです。

1)パナソニック

現在、筆者が使っているメーカーです。

グリル機能をセールスポイントにしているメーカーです。

グリル機能は、上部にあるヒーターと下部にある電子レンジの発振器を使います。

グリル皿は、下部にある電子レンジの発振器で、発熱します。

このため、

  • 天板を上段にいれた場合には、ヒーターのみ

  • 天板を中段にいれた場合には、ヒーター+グリル皿の発熱(電子レンジ)

  • 天板を下段にいれた場合には、グリル皿の発熱(電子レンジ)のみ

という複雑な加熱方法になります。

グリルの加熱時間の最大は30分ですが、追加加熱も30分まで、できます。

温度調節はできません。

加湿のためのスチームがでることがあります。

2)東芝

グリル機能がついている機種は、「石窯ドームグリルはER-PD7000/PD5000/PD3000/PD200/PD100のみ」と一部です。

グリルは、天板を上段に入れて使います。

加熱は、上からだけになります。

一般に、天板を上段に、入れた場合、食材の大きさは制限されますので、上段では、Sサイズのサツマイモでは問題はありませんが、Mサイズでは、均等に加熱されないリスクがあります。

Lサイズは、天板に、入りません。

3)シャープ

グリルの説明に「高温の熱風で、食品の表面に焦げ目を付けてしっかり加熱します」と書かれています。

対流で調理するのはオーブンであって、グリルではありません。

グリルは難しそうです。

4)日立

日立のHPには、「グリル:上下平面ヒーターから発する熱を直接食品にあてて加熱する方式。高火力で短時間に焼き上げます」と書いてあります。

下ヒーターがあると、焼き芋什器と同じ構造になりますので、期待できます。

ところが、マニュアルでは「グリル:食品を上ヒーターで加熱し」と、下ヒーターが消えています。

マニュアルの天板の設定をみると、上段が原則で、食材の下側には、焦げ目がつかないと書いてあります。

グリルは、魚を焼くことを想定しています。最大加熱時価は、40分です。

5)まとめ

東芝と日立は、上段であれば、グリル機能が使えるようです。加熱の途中で反転させた方がよさそうです。

パナソニックは、レンジで、グリル皿を発熱させる方法で、中段でもグリルが使えます。ただし、長時間化加熱をすると、グリル皿に接している下側が焦げると書いてありますので、加熱の途中で反転させた方がよさそうです。

シャープには、グリル機能はないようです。

なお、レシピ集に焼き芋が載っているのは、パナソニックだけですが、これは、高熱のオーブンを使う方法で、加熱方法が石焼き芋とは異なり、よい石焼き芋はできません。

オーブンレンジの仕様説明書、レシピ集は、このように疑問意識を持ってよむと、かなり悲惨な状態で、日本の家電メーカーのソフトウェアのレベルが低いことを反映しています。

2年くらい前から、オーブンレンジは、スマホ対応になっていますが、筆者が使っているようなそれ以前の機種(3年前に購入)は、スマホ対応にはなりません。

これは、ファームウェアのバージョンアップで対応可能ですから、家電メーカーは、レベルが低いか、買い替えを促進するために、消費者を軽視しているかのいずれかです。

また、レシピ集がダウンロードできるのであれば、高級機種程、レシピの数が多いという差別化は出来なくなるはずです。

本来であれば、LabViewのように、調理の制御コードを書いて、公開して交換するようにできるはずなので、筆者は、インターフェースの公開と統一化を心待ちしています。

オーブンレンジの石焼き芋のグリルテスト

手持ちのパンソニックのオーブンレンジで、石焼き芋什器の方法で、加熱してみました。

温度調整はできませんので、予熱後、50分加熱してみました。

サツマイモのサイズは、Mなので、200度50分加熱のつもりですが、温度はわかりません。

実は、恐ろしいことにグリルには、予熱モードがありません。

今回は、200度設定のオーブンで調理した直後に、グリルを使っていますので、予熱完了と考えています。

オーブン調理では、庫内は、200度になっています。使用したオーブン皿は、グリル皿に取り替えます。

グリル皿は、予熱されていませんが、電子レンジの電波で加熱するので、かなり急速に温度が上昇し、タイムラグの影響は小さいと考えました。

グリルの1回の最大加熱時間は、30分なので、追加加熱を20分して、合計、50分にしています。

加熱の途中で、2回、反転させています。

写真1は、焼き芋です。

写真2が、焼き芋の断面です。

結論は、ペクチン軟化が不十分で、甘くなっていませんでした。

原因は、グリルの温度が低すぎたためと思われます。

オーブンレンジのグリル機能は、焼き芋には、温度と熱量が低すぎると思われます。

確認のために、追加加熱しても、軟化しませんでしたので、低温で長時間加熱して、ペクチン効果を起こしていたことがわかります

グリルはペクチン軟化した後でなければ、使えません。

オーブンでは、対流によって、サツマイモの表面が、乾燥しすぎてしますます。

これを防ぐには、アルミホイルで、サツマイモを包むしかありません。

アルミホイルで包むと、対流は、いったん、アルミホイルの温度上昇に使われ、次に、アルミホイルから、熱放射が起こって、サツマイモが温まります。

また、水蒸気からの熱伝達もあります。

さらに、アルミホイルとサツマイモは、接触していますので、伝導による熱伝達も考えられます。

しかし、接触面積が減るようにアルミホイルで、袋をつくっても、大きな差は見られないので、接触のよる熱伝達の影響は小さいと考えます。

サツマイモをアルミホイルで包んでしまうと、蒸し芋になるので、それを嫌うのであれば、アルミホイルに、蒸気穴をつける必要があります。

蒸気穴をつけると、石焼き芋に近い条件になりますが、水蒸気が減るので、均一に加熱する、100度を越えないという条件は、成立しにくくなります。

このあたりは、まだ、実験していません。

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写真1 グリルした焼き芋

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写真2 グリルした焼き芋