オーブンのサイズの選び方

このブログの料理の実験では、オーブンを多用しています。その理由はいくつかあるのですが、最も大きな理由は、オーブンは温度調整ができるので料理の再現性が高いという点です(注1)。他の調理法ですと、鍋の種類、加熱の強さで、レシピ通りに作っても、調理結果はことなります。つまり、レシピ通りにつくっても、美味しくできなくとも、それは、あなたが悪いのではなく、鍋と火力がレシピと異なっていたからかもしれません。この問題点を回避できる方法は、オーブンと電気鍋だけです。電気鍋の代表的なものは炊飯器です。炊飯器の進歩によって、ご飯の炊きあがりの出来が進歩したことは、実感されている方も多いと思われます。残念ながら、現在の炊飯器以外の電気鍋とオーブンは、炊飯器のレベルには達していません。しかし、これは、今後の改善の余地が大きいということですから、電機メーカーや、ガス調理器メーカーの新製品開発に期待したいところです。電気鍋については、別の機会に述べることにして、今回は、最近よく使っているオーブンについて述べます。

電気屋さんにいってオーブンを買おうとすると、まず、問題になるのが、電子レンジとのセットの問題と、サイズの選択の問題です。

電子レンジとのセットの問題

電気屋さんにいくと、ガスオーブンはともかく、電気オーブンでは、単体の製品はすくなく、電子レンジとのセットが普通です。単体の電気オーブンは、オーブントースターであったり、コンベックスオーブンであったりします。価格は1万円未満です。3年ほど前まで、コンベックスオーブンを使っていましたが、機能的には十分満足できるものでした。コンベックスオーブンで、レシピ通りに焼き芋を焼いたところ美味しくできました。一方、現在使っているオーブンレンジは、コンベックスオーブンの10倍近い価格がしましたが、レシピ通りの焼き芋は、コンベックスオーブンに完敗でした。このことが、焼き芋の実験を始めた動機の一つになっています。調理器具は高いものを使えば、美味しくできるとは限らないのです。

現在、コンベックスオーブンを使っていない理由は次になります。

  1. キッチンのスペースが限られているので、複数台のオーブンはおけない。

  2. コンベックスオーブンのサイズが小さいため、鍋を入れた加熱ができない。

  3. 温度設定の最低値が100度でコンフィができない。

オーブンレンジを使っている人が多い理由は1.と思われます。

サイズの問題

3.は最初は、プロ用のオーブンでしかできないのかと思っていましたが、調べると、若干の設定が可能な機種があります。とはいっても、パンの発酵を思う通りに行うほどの自由度はありません。このあたりも、メーカーが手を抜いているところで何とかして欲しいです。現在使っているオーブンレンジは、80度と90度しかえらべません。また、オーブンレンジは、もともとが電子レンジの派生製品であったためか、オーブン機能は改善されたとは言え、かなり貧弱です。

問題は2.です。YouTubeで英語の料理の番組をみていると、フライパンや鍋をそのままオーブンにいれます。つまり、必要とする大きさの鍋が入るサイズが必須条件になります。これは、西洋料理を調理する上では必須の条件と考えています。なお、オーブンで使える鍋やフライパンも必須の道具にはなってしまいます。

ちなみに、アメリカでは、鍋の入らないような、小さなオーブンが使われることはまず、ありません。その理由はわかるでしょうか。実は、アメリカでは、オーブンのサイズは七面鳥のサイズで決まります。オーブンで調理する最大の食材は七面鳥なので、これが入るオーブンでないとクリスマス料理ができないことになってしまいます。

 

注1:

現在のオーブンでは、料理の再現性は不完全です。予熱ありで使えば、再現性がありますが、余熱無しでは、加熱時間は、気温、湿度、大気圧の関数になります。マニュアルには書いてないので、確信はありませんが、9割方、普通のオーブンレンジでは、補正がなされていないと思います。この点を補正したオーブンレンジを出して欲しいです。