風景写真のシャッター速度の研究(1)

滝や段落ち流れの写真を撮る場合には、スローシャッターを使うと流れがシルキーできれいになることが知られています。スローシャッターにすると手振れが問題になることと、光量が大きくなり過ぎるため、NDフィルターで光量を落としたうえで、三脚をたてて、レリーズを使い撮影することが基本になっています。

オリンパスのOM1 mk IIIには「ライブND」という名称で、画像合成でNDフィルターを再現する機能が搭載されています。しかし、最近のデジカメの手振れ補正は強力になっているので、かなりのスローシャッターでも手持ちで撮影することが可能です。

最近のキャノンのR5とR6ではレンズをえらべば、シャッター速度で8段の手振れ補正が可能といっています。オリンパスでも、上位機種であれば、自社レンズとの組み合わせで、5.5から6.5段の手振れ補正効果があります。つまり、1秒前後のシャッター速度は手持ちでも可能です。

そこで、手持ちスローシャッターで渓流の流れを撮影してみました。機材は、旧機種のOM1 mk IIで、このレンズの手振れ補正効果は公表で5.5段です。撮影対象は、軽井沢のハルニレテラスの渓流です。

写真1がプログラムオートで撮影した写真です。1/80sec、f3.2になっています。

写真2がシャッター速度優先で、手持ちで撮影したものです。1/3sec、f14になっています。一応、流れはそれなりにシルキーになっています。f値は大きすぎると回析の影響がでるといわれています。できれば、f11以下にしたいので、f14は限界と思われます。シャッター速度は1/3secなので、手持ちでぶれない条件であれば、もう少しスローにはできますが、その場合にはf値が限界を超えてきます。時間が、午後3時過ぎで、光が弱くなっていたので、ぎりぎりのバランスでできた撮影と思われます。もう少し明るい場合には、NDフィルターは必須と思われます。

以上のように、最近の手振れ防止効果のあるカメラであれば、手持ちでもスローシャッター効果を出すことができることがわかりました。ただし、NDフィルターは出来れば、持参した方がよさそうです。

 

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写真1 1/80sec f3.2 ISO200

 

 

 

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写真2 1/3sec f14  ISO200