石岡のフラワーパークイルミネーションを撮影してみましたので、例に、よって覚書を残しておきます。
まず、撮影条件ですが、イルミネーションの点灯は、17時からです。 17時では、まだ、空は、明るいです。
また、撮影ポイントで、光の量が随分と違います。
なので、夜空を撮影するように、光の条件が変化しない中で、満足するまで、マニュアルの設定を変えるような撮影方法は無理です。自動露出を使うことが現実的な対応と思われました。もちろん、基準露光量はシフトさせるという条件付きです。
あるいは、マニュアルで、シャッター速度と絞りを決めて、自動露出で、ISOを変える方法もあるかもしれません。
とはいえ、光の量が少ないので、どれを優先しても、大きな違いは出にくいと感じられました。
そうなると、使いやすいのは、日常慣れている絞り優先か、シャッター速度優先になります。
この場合、露光とシャッター速度のどちらを優先するかが、課題になります。
結論から言えば、手振れ防止の問題がありますから、シャッター速度優先が使いやすいと思われました。
ただし、シャッター速度を優先にした場合で、光量が不足する場合には、基本は、まず、絞りを明けて、それでも、光量が不足する場合には、ISOをあげるはずですが、この辺りの、優先順位のつけ方には、決まりはなく、カメラメーカーで異なります。
そうすると、時には、想定外の条件で撮影が進むこともあります。
それは、いやなので、通常は、ISOは200か、拡げても800といった狭い範囲に制限をかけます。
しかし、夜の写真では、その制限によって、光量不足や手振れになってしまうとまずいので、まずは、ISOの上限を1600にして、自動ISO にしました。
カメラは、オリンパスのE-MI1 mkIIを使いました。最新機種のE-M1 mkIIIに比べると、手振れ防止効果が1段分弱いとカタログには書いてあります。 それでも、1/2秒は、使えます。打率50%でも良ければ、2秒でも何とか撮影できます。
レンズは、F2.8のズームです。
写真1は、シャッター速度優先の手持ちで、1/4秒、F2.8 、ISO200です。ISO200でいけるので、この程度の暗さであれば、心配することはなさそうです。
写真3は、絞り優先で撮影していますが、シャッター速度1/25秒、F2.8 、ISO1600 になりました。ここで、1/25秒まで、シャッター速度を短くして、ISOをあげるのは、不合理です。
なお、写真3の編集では、写真2のトーンイコライザーのコントラストトーンカーブ強のプリセットを使っています。
写真4は、シャッター速度優先で、1/2秒、F4.0 、ISO200です。この場合は、シャッター速度優先で、1/4秒、F2.8 、ISO200で、撮影すべきでした。
写真5は、シャッター速度優先で、1/2秒、F2.8、ISO200です。F4.0でなくなったのは、この間に少し暗くなってきたためです。
日没直後では、光量は変化しますので、それに、柔軟に対応することは難しいです。
写真4と写真5は、darktableで読み込んだままの状態で、編集はしていません。
2枚を比べると、後方の青い木の色が大きく異なります。
絞った方が、青が強くなっています。
前回「イルミネーションの撮影とdarktable 3.8による編集(1)」では、写真に写っているのは、イルミネーションのLEDだけでしたが、今回は違います。
例えば、青い木は、青いLEDの光を反射しています。それ以外にも、LED の反射光で、明るくなっている部分があります。
このため、撮影条件も、編集条件も変わってしまいます。
反射光があるため、写真6のように、クロマは効きます。
写真7のように、サチュレーションは、下げた方が、イルミネーションが映えます。
最終的には、写真8のように、露光を上げて調整しました。
この方法では、左上の空の部分が、明るくなりすぎるので、写真9では、露光を少し下げ、グラデーションNDを使って、左上の空の部分を暗くしています。