最初の課題は、ISOの設定をどうするかです。
購入時は、ISOオートになっていますが、ISOオートを使うと、絞りとシャッター速度の関係が混乱します。もちろん、フルオートで撮影するのであれば、これでも何も問題がありません。
しかしフルオートで、撮影してみれば、わかりますが、夕方の少し暗くなりつつある時間帯も、昼間のように写ります。
フジフィルム以外のカメラの撮影モードは、「プログラム、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアル」の4つのモードに分かれています。
このモード設定は、極めて不合理なのですが、フィルム時代のレガシーをひきついでいます。つまり、ISOは固定が前提にあります。
そうすると、ISOを自動で使うと、モードを使いこなすのは難しくなります。
フイルム時代の常識では、ISOはできるだけ低い値を使うと、ノイズの少ない写真がとれることになります。
デジタルカメラになって、センサーの性能が上がった結果、極端に低いISOでなくとも問題がないと考えられるようになりました。
Nikonやオリンパスの入門カメラの最低ISOは200です。
これに対して、Kiss Mの最低ISOは100です。
フイルム時代の常識で考えれば、ISOは100に設定して、問題があれば、ISOを順次あげていきます。
写真1は、ドウダンツツジとクマンバチを撮影していますが、ぶれています。
手持ち撮影で写真がブレないとされる限界シャッタースピードは、1/焦点距離と言われています。この時の焦点距離は、35㎜フルサイズセンサー換算です。
写真1は、45mm ISO100 F6.3 1/30secです。
換算焦点距離は、45x1.6=72mmになります。
安全をみれば、1/144secが手ぶれしないシャッター速度になります。
1/72secが手ブレの限界になります。
レンズは、EF-M15-45mm F3.5-6.3です。このレンズは、手ブレ補正効果が、 3.5段分あります。
3段とすれば、2x2x2=8なので、144/8=18secとなります。
1/18秒が、手ブレしないシャッター速度になります。
クマンバチに気を取られて、持ち方が悪かったのだと思いますが、1/18秒より、短い1/30秒で手ぶれしています。
この日は、曇りで、光量は少なかったです。
この場合、ISO200であれば、シャッター速度は半分になっているので手ブレしていないと思われます。
撮影時には、ISOは、100になっていました。
ISOが200に自動的に上がっていれば、手ブレしていなかったことになります。
ISOの自動設定は、メーカーによって異なります。オリンパスの場合には、オートの下限と上限が別々に設定できます。
kiss Mの場合には、オートは上限しか設定できません。上限の数字が入っていても、オートモードになっていないとその数字は、効きません。
ISOオート時の基準感度(最低感度)を200にすることはできないようです。
写真1は、F6.3でかなり絞っています。これから考えると、ISO200なら、手ぶれが、3段効いていれば、ぶれなかったと思われます。
今回の課題は、フィルムカメラと同じように、ISOを固定して撮影する方法の検討です。
Kiss M標準ズームレンズの場合、晴天であれば、ISO100、曇りの日であれば、ISO200かISO400 がお薦めです。
F値の一段分は、以下です。「1、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16」
F2位のレンズであれば、手振れが問題になることはありません。
しかし、EOS Mで、F2以下のレンズは単焦点しかありません。
EOS Mは、基本的には、レンズを小さくして、F値が大きくなった分は、ISOをあげて使う設計思想なので、ズームレンズを使う場合には、晴天時以外は、固定のISO100は、避けた方が無難です。もちろん、オートであれば問題は生じないと思います。