坂野ローズガーデン(1)(常総市)~つくば市とその周辺の風景写真案内(68)

実は、つくば市には、つくばローズガーデンがあるのですが、今年は、コロナウィルスの対策で、公開中止になってしまったので、他のローズガーデンを検索したところ、常総市にあることがわかっていってきました。

坂野家住宅は、平成10年(1998年)に、坂野家より、水海道市に寄贈されました。それまでは、坂野家は、坂野家住宅を使われていたようです。

そのあと坂野家は、150mほど離れた土地に家を建てて、荒れ地を開拓してローズガーデンをつくります。

これが、坂野ローズガーデンの由来のようです。

坂野ローズガーデンの案内HPには、バラの見ごろは5月20日くらいからですとあったので、6月に入っていけばよいと考えていたのですが、今年は例年になく暑かったため、バラの多くは既に、開きすぎになっていました。

写真1,2,3、4はローズガーデンの様子です。写真1,3、4はF2.8の同じRAWで、写真3では、LUT3DのVelviaを使っています。写真2はF1.4で撮影しています。[]内はフルサイズセンサー換算の焦点距離です。使っているのは、micro4/3とAPS-Cのセンサーです。写真1,3、4はオリンパスのレンズ、写真2はパナライカのレンズなので、写真2の方が色が鮮やかに出る傾向があります。そのため、写真3では、LUT3DのVelviaを使ってみました。写真4では、Style FileのVelvia100を使ってみました。写真4のみがベーズカーブを使用し、その他の写真はFilmicRGBをつかっています。

風景写真の鉄則は、絞り優先で、フルサイズなら、F11、より小さなセンサーであれば、F8を使って、隅々までくっきり撮影することです。しかしながら、F8まで絞ると、レンズの差は出にくくなります。言い換えれば、F8を前提にするのであれば、F4からF5くらいの安価なレンズで、画角だけを考えれば、それなりの写真がとれます。これは一つの考えかたであります。一方、ある程度のレベルのレンズであれば、絞らなくとも、それなりに写ります。色乗りについていえば、光量が多い方が有利になるので、絞らないメリットもあります。撮影対象が建築物の場合には、F8がベストであると思いますが、ローズガーデンであると、一概に、F8がよいとはいえません。一つの考え方は、クローズアップに近い場合には、絞りを開いて、遠景の場合には、絞るという方針です。もう一つは、ずぼらに、Pモードに任せるという方法です。ただし、この場合には、カメラのPモードの癖を理解しておく必要があります。たとえば、EOS MでPモードを使って、光が多い場合には、F11まで絞ってしまいますが、これは、回析がでるのでやめてほしいです。この辺りは、フルサイズのアルゴリズムをそのまま使っているのではないかと不安になります。

結論からいうと、最近は、意図的にF8を外して撮影しています。

なので、写真1,3,4はF2.8、写真2はF1.4と絞り開放での撮影です。

写真1に見るように、4/3では、F2.8でもぼけません。ぼけは、画角換算に比例するようなので、フルサイズであればF.5.6に相当します。一方、写真2では、手前の花がぼけています。

darktableでVelviaのフィルムシミュレーションをする方法には、スタイルファイルを使う方法とLUT3Dを使う方法があります。前者は、トーンカーブとして、Velviaを設定しているので、ベースカーブとセットで使うことを前提としていると思われます。darktableでは、ベースカーブを使うよりも、フィルミックRGBをつかったRGBわーくふろーが推奨されるので、このばあには、LUT3Dを使うべきであると考えています。ダイナミックレンジや中間トーンの再現は、写真3のほうが写真4より良くなるはずです。

実際に、写真3と写真4を比較すると、必ずしも、写真3が良いとは言えないと思います。

問題点の1番目は、ベースカーブのダイナミックレンジの狭い画像に慣れているためか、ダイナミックレンジの狭さが余り気にならないことです。

問題点の2番目は、darktableのRGBワークフローのモジュールは、まだ、開発中で、おそらくは、今年のクリスマスのバージョンアップにならないと、モジュールがそろわないことです。RGBワークフローでは、空の青色がどうしても出ません。

写真5は、写真2にソフトフォーカス処理をかけてみました。ぼかしの強さの調整が難しいです。

 

写真6は、別のアングルです。ここでは、赤色は、飽和しているようにも見えます。

写真7はAPS-Cのカメラでの撮影です。これも絞り開放でとっています。

開放近くでとると解像度は落ちますが、色合いがきれいに出て、絵を見ているような感じになるので、こうした表現もありかと思います。

坂野ローズガーデンには、ランドマークがありません。

写真1から5では、人物の後ろ姿が、画面の中での注目点を醸し出しています。

写真6、7では、そのような注目点がありません。

その結果、なんとなく、座りの悪い写真になっています。

クローズアップについては、次回説明します。

 

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写真1 坂野ローズガーデン(4/3,F2.8、20mm[40mm])

 

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写真2 坂野ローズガーデン(4/3,F1.4、25mm[50mm])

 

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写真3 坂野ローズガーデン(4/3,F2.8、20mm[40mm],LUT3D Velvia100)

 

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写真4 坂野ローズガーデン(4/3,F2.8、20mm[40mm],StyleFIle Velvia100)

 

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写真5 坂野ローズガーデン(4/3,F1.4、25mm[50mm])+Soft Focus

 

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写真6 坂野ローズガーデン(4/3,F2.8,12mm[24mm])

 

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写真7 坂野ローズガーデン(APS-C F3.2 16mm[24mm])