キプロス大学のレオンディオス・コストリキス教授(生命科学)は、新型コロナウイルスの変異株、デルタ株とオミクロン株の特徴を併せ持つ混合変異株「デルタクロン」を特定したと発表しました、
これ対して、コンタミネーション(実験室汚染)ではないかとの批判が、一部研究者から出されています。
英バーミンガム大学のニック・ローマン教授(微生物ゲノム学)は、デルタ株とオミクロン株の混合型は全く意外ではなかろうが、キプロスからの発見は、ウイルスゲノムのシーケンス決定プロセスで発生した「テクニカルアーチファクト」(技術的原因による不自然な結果)の可能性の方が高いとの見解を示しています。
論点は、次の2点です。
1)デルタクロンが、発生したか
2)デルタクロンタイプのウイルスが、今後、発生するか
1)については、今後、他の研究者からの追跡報告があるかないかで、判定が進むでしょう。
2)は、問題です。
コロナウイルスは、最終的には、感染は広まるが、インフルエンザと同じレベルまで弱毒化して、特別な感染症ではなくなる(インフルエンザシナリオ)というのが、一般的な将来シナリオでしょう。
これは、過去のパンデミックの歴史をみれば、3年程度で、感染が落ち着いているので、同じようなシナリオをとるだろうと考える方法です。
今回は、ロックダウンや、移動性制限を過去にないレベルで、かけて、感染拡大速度を押さえていますので、収束するまでに、3年以上の時間がかかる可能性もあります。
しかし、デルタクロンのタイプのウイルスが今後発生すると、インフルエンザシナリオは、崩れてしまいます。
コロナウイルスが出始めたとき、コロナウイルスは、人工的に作られた生物兵器ではないかという説がでました。
この説が正しい確率は低いというのが、最近の評価です。裏返せば、技術的には、人工的に、コロナウイルスをつくることは可能です。
現在、世界には、民主主義国家が数は少なく、独裁または、独裁に近い国家が多数存在します。
こうした独裁国家の中には、威嚇のために、ミサイルを発射している国もあります。
ミサイルは、命中していませんし、仮に、命中しても、被害は、落下地点周辺に止まります。
今後、独裁国家が、ミサイルの代わりに、新たなコロナウイルスを発射する可能性を取り去ることはできません。
ヒトラーは、アーリア人優先主義を唱え、ジェノサイドを行いました。このアーリア人という概念は、怪しいのですが、仮に、特定の人種が、他の人種と、遺伝子配列で区別が可能であれば、特定の人種には発病しないコロナウイルス(選択的コロナウイルス)をつくることも、理論上は可能です。
世界は、独裁国家が、選択的コロナウイルスを、ミサイルの代わりに、発射するリスクに直面していることになります。
こう考えると、デルタクロンの可能性は、世界を変えてしまうかもしれません。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-10/R5GZXJT1UM0X01