晴天の屋外の静物のシャッター速度優先モードの使い方

デジカメには、普通、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアル、プログラムの4モードの設定ボタンがついています。対象が、全く動かない場合には、マニュアルモードでじっくり、撮影すればよいのですが、静止画とはいっても、移動しながらの撮影で、あまり時間をかけられないときには、残りの3つのモードを使います。

一般に撮影入門に書いてある説明は以下です。

  • 条件が良くわからないときには、とりあえずプログラムモード

  • ボケの量を増やしたいときには、絞り優先モードで、最小値であるレンズのF値を設定

  • 風景写真で、解像度をあげたいときには、絞り優先モードで、F8かF11

  • 動いているものの撮影には、シャッター速度優先モードで高速シャッター

  • 夜景など光量の少ない場合には、シャッター速度優先モードで低速シャッター

夜景のように、静物の撮影で、シャッター速度優先モードを使う場合には、通常は、露光時間を長く取ります。

ところで、このシャッターですが、機械式シャッターは入門機では、最短で1/4000秒、上級機で、1/8000秒が普通です。これより、短い露光時間の場合には、電子式シャッターが使われます。

入門機のキットレンズのように、F3.5より暗いレンズを使っている場合には、晴天でも、1/4000秒より、短い露光時間が必要になることはほとんどありません。このため、入門機では、電子式シャッターがなく、シャッター速度の最小値が、1/4000秒になっている場合が多いです。

一方、ボケや柔らかい表現を使うためには、F値の小さな単焦点レンズを使うことになります。フィルム時代のカメラで、ズームレンズが普及する前には、カメラのレンズキットのレンズは換算50㎜でした。換算50㎜の単焦点レンズは、各社とも、交換レンズ入門として、安価で、f値の小さなレンズをそろえています。F1.8前後のレンズが多くなります。

晴天の明るい屋外で、この単焦点レンズを付けて、絞り優先で、F値を最小にして撮影すると、1/4000秒では、シャッター速度が長すぎて、露出過多になることがあります。筆者の場合、白飛びを避けるために、適正露出をー0.7から-1.0EV分下げているので、シャッター速度が長すぎる露出過多がよくおこります。こうした場合には、まず、第1には、電子シャッターが使えるか、チェックします。最近は、入門機でも、電子シャッターが使える機種が増えています。ただし、購入時の設定では、電子シャッターが自動で作動しない場合もあるので、チェックします。

電子シャッターが付いていない入門機の場合には、1/4000秒に収まるように、絞りを変更する必要があります。絞り優先モードで、露出を単焦点レンズのF値に合わせて、撮影するとき、露出過多になると、カメラがワーニングを出します。表示がブリンクしたりします。このときには、シャッター速度が1/4000秒になるように、絞りの値を大きくしていました。

最近、この方法が不合理なことに気が付きました。絞り優先モードで、絞りの値を変えるのではなく、シャッター速度優先モードで、シャッター速度を1/4000秒に設定して撮影すれば、露光過多にならない範囲の最小の絞り値で撮影ができます。

まとめれば、最短シャッター速度が1/4000秒の入門機で、晴天の屋外の静物撮影で露出過多にならない最少の絞りを得るには、絞り優先モードではなく、シャッター速度優先モードでシャッター速度を最短(1/4000秒)にすべきです。気が付けば、当たり前なのですが、絞りの調整は、絞り優先モードでという先入観が邪魔をして、気づくのに時間がかかりました。