1)Pモード
前回、説明しなかったPモードについて考えます。
1-1)ISOを固定した場合
適正露光量は、絞りとシャッター速度できまります。
Pモードで、ダイヤルを回した場合、同じ露光量のシャッター速度と絞りの組合せが変化します。例えば、最初のシャッター速度と絞りの値に対して、ダイヤルを回して、シャッター速度が1段上がれば、絞りは、1段下がります。
1-2)ISOオートの場合
実は、これで何が起こっているのかよく理解できていません。
出来れば、後で、実験してみたいと思います。
今の時点では、仮説です。
4つのモードは、フィルムカメラ時代からあります。
フィルムカメラ時代には、ISOは、100、400、800でした。
ISOは、固定です。なお、モノクロでは、ISO1600も使えました。
フィルムでは、ISOを変化させて、露光を調整することはできませんでした。
デジタルになっても、高感度はノイズが多かったので、2010年頃までは、その状況が大きく変化しませんでした。しかし、その後、センサーの改善がすすみ、ISO6400 くらいまでは実用になって、ISOで露光が調整できるようになりました。
絞り優先モード、シャッター速度優先モードで、2番目のパラメータに、ISOを選べるようになったのは、その成果です。
さて、Pモードを考える場合、フィルム時代に戻ってみます。
撮影対象が決まったら、最初にフィルムを選びます。
屋外であれば、ISO100です。室内でも、ストロボが使えれば、ISO100でいけます。
体育館や劇場のように、ストロボが届かない場合には、ISO800を選びます。
ISO100は、曇りや雨の日には、感度が悪いので、ISO400を使います。
つまり、光量を見て、フィルムの感度を選びます。
フィルム時代に比べて、最近のレンズは、小型化して暗くなっています。これは、高いISOを使うことで、レンズを小型化させ、ズームの範囲を拡げているからです。
そうすると、光量を見て、まず、ISOを決めて、それから、シャッター速度と絞りを決めていると思われます。光量から、最適なシャッター速度と絞りは決められませんので、この2つの値はいいかげんです。
Pモードは、絞りとシャッター速度の組合せを変える前提で、出来ていると思われます。
ISOの設定について、三好沙季氏は、次のような目安を提示しています。
ISO感度目安
・外の晴れた日は100〜200
・曇りの場合は400〜800
・室内は1200〜3200
Pモードは、恐らく、光量をみて、こうしたISOの設定をしていると考えます。
ただし、この方法では、ISOをノイズが出にくいように、可能な範囲で最小にすることはできません。
この点で、Pモードでは、ISOはオートではなく、例えば、三好沙季氏のガイドラインを使って、固定した方が、よいと思われます。
3)まとめ
Pモードの場合、シャッター速度と絞りは、適正ではないので、ダイヤルを回して調整することが原則です。
しかし、この方法では、シャッター速度優先モードなど、他の3つのモードに比べると、操作が増えてしまいますので、Pモードを使うメリットはありません。
引用文献
一眼レフで愛犬を撮影する基本とコツ【プロカメラマン伝授】(初心者向け)| シャッタースピードの設定やふんわりエアリードッグフォトの撮り方レシピを公開
https://odekake-wanko-bu.com/slr-camera/