月光富士写真の課題(3)

今回の撮影でわかった留意点をメモしておきます。

12月の夜景でかなり寒かったので、使い捨てカイロをズボンの右と左のポケットに入れていきました。これはよかったです。防寒には留意した方がよいです。

懐中電灯も必須です。

三脚も持っていきましょう。

焦点距離はマニュアルで、無限遠です。機種によっては、焦点距離をプリセットできるものもあります。最近のカメラは、自動焦点が基本で、レンズに焦点距離表示がないものもおおいので、明るいところで事前にチェックしておきましょう。

前回説明しましたように、月は動くので、月面の模様が見えるように撮影するのであれば、シャッター速度は、1/15sec以下です。月の模様が見えないまでも、月が動いて大きくなりすぎないためには、30秒以下のシャッター速度を使う必要があります。つまり、星空の撮影や、バルブ撮影とは違ったモードを使うことになります。そうなると、ISO200にこだわるのは得策ではなかった気もします。

マニュアルの場合には、ISO、シャッター速度、絞りの3つを、露光が良い範囲に設定する必要があります。マニュアルモードは、絞り優先や、シャッター速度優先ではないので、組み合わせのどれを選ぶかが課題になります。

夜間撮影のテキストは、目的に応じて、適切なパターンの表を作っておいて、表を見ながら、撮影することを推奨しているものもあります。それも一つの考え方ではありますが、デジタルカメラでは、マニュアルモードでも、最大シャッター速度以下であれば、露出を評価し、画像をプレビューできます。ですから、表を見なくとも、大きく、露光のずれた写真にはなりません。そうすると、ある程度、優先順位を付けながら、設定を調整してもよいのではないかと思います。

例えば、月光下の写真で月が入る場合には、シャッター速度をまず決めます。これで、月がどの程度動いて写るかがきまります。次に、絞りをF8くらいに設定します。それから、露光が合うように最後にISOを設定します。ISOの目安の上限は最初から決めておきます。ISOが許容範囲より大きくなるのであれば、まず、絞りをすこし開けます。それでもうまくいかない場合には、シャッター速度を変えます。この方法の使いやすさは、ISOの変更操作が簡単にできるかにかかわっています。フジフィルムの上位機種のカメラには、ISOつまみがついています。他のメーカーでも上位機種であれば、ISOを変えやすいようには配慮していますが、フィルムカメラ時代の4モードを引きずっているメーカーが多いです。ISOつまみの問題は、詳しくは、別の機会に論じたいと思います。

図式で書けば次になります。

シャッター速度ー>絞りー>ISOー>絞りー>シャッター速度

最後に、書くことを忘れそうになりましたが、長時間シャッター時のノイズを低減するモードを有効にしておくと保存時にフィルター処理が行われます。このモードは有効にしておいた方がよいと思いますが、処理時間はシャッター時間と同じだけかかります。例えば、シャッター速度を60秒にした場合には、保存前のフィルター処理に60秒かかりますので、2分で1枚しか撮影できません。これは、ひどく、手持ち無沙汰なので、サブカメラを持っていくこと、三脚はサブカメラ用も含めて2台もっていくことをお薦めします。

今回は、結局長時間シャッターには向いていなかったので、バルブ撮影は不要でしたが、関連が深いので、次回にバルブ撮影の留意点をまとめておきます。