高市早苗首相は、対中国の発言に見られるように、あまり細かな点を気にせずに、ダイレクトな発言をします。その結果、パンドラの箱が開いてしまいます。
今まで、日本政府のEBPMの説明は、「EBPMとは、アジャイルの事である」という無茶苦茶な説明で、観察(ファクト)と介入(エビデンス)の違いも無視してきました。
この無茶苦茶な説明で、ボロがでなかった理由は、政策評価はタブーであり、一度も実施されたことがなかったためです。
高市早苗首相は、対中国の発言に続いて、政策評価のタブーも無視しています。
11月12日に、企業の研究開発を促すための減税制度の見直しが提案されました。
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総理大臣の諮問機関として税制を議論する政府税制調査会が開かれ、財務省は企業の研究開発を促すための減税制度が機能していないことを示す新たなデータを明らかにしました。
今月12日の会議で財務省は、全体として見ると研究開発費の伸びは物価や賃金の伸びと同じ程度にとどまるという納税状況のデータを示し、現行の制度が有効に機能していないと指摘しました。
委員からは「もっと効率的な仕組みに見直すべき」「十分な効果検証がされていなかったのは深く反省すべき」などの意見が相次ぎました。
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財務省 研究開発税制「機能していない」 政府税調で新データ示す 2925/11/12 テレ朝NEWS
https://news.yahoo.co.jp/articles/e6e5cc16bc989057d3c885e6e55cf663469ecdbe
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政府税制調査会の委員は、観察(ファクト)と介入(エビデンス)の違いが理解できていないと思われます。なぜなら、エビデンスには、前向き研究のデータが必要だからです。
11月18日には、法人税を優遇する租税特別措置が、課題にあがっています。
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高市早苗首相は18日、官邸で開催された政府税制調査会(首相の諮問機関)の総会に出席し、法人税を優遇する租税特別措置の効果について検証を要請した
租税特別措置は、企業の賃上げ促進や競争力強化といった政策目的を実現するため、条件を満たした企業の法人税を減税する制度。これまでに開かれた政府税調の専門家会合では、委員から一部の減税の必要性を疑問視する意見が相次いでいる。
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首相、法人税優遇の検証を要請 政府税調の総会で 2025/11/18 KYODO
https://news.yahoo.co.jp/articles/af17bd2ec0927744fd56c014041e50f24de54b31
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政府の介入によって、技術開発が進んで、競争力強化になることはありません。
この問題を考える上では、ファクトもエビデンスも不要です。
技術開発には2つのフェーズがあります。
第1は、技術の模倣です。
第2は、オリジナル技術の開発です。
この2つのフェーズの違いは、開発効率と開発時間の差になります。
政策介入による政策効果は、基本的には、短期的なもの、タイムラグの小さなものに限定されます。
タイムラグの大きな政策効果の例は、教育の効果です。
しかし、教育の効果を特定することはできません。
政府は来年1~3月にかけて、電気・ガス料金の補助を大幅に増額する方向で調整しています。
この政策は、短期的には、所得移転の効果があります。しかし、長期的には、財政を悪化させる効果も考えられます。
短期的な成果を求めると、開発効率のよい第1の技術の模倣をより優先することになります。その結果、第2のオリジナル技術の開発は、ストップします。
長期的な効果は、効果の発現経路が多いので、EBPMには向いていません。
EBPMは万能ではありませんはが、短期の効果を検討するツールとして有効です。
いずれにしても、EBPMのパンドラの箱が開いてしまったようにみえます。