lut 3Dのセピアのプリセットパラメータでは、Stuart SowerbyさんのFilms: Fuji XTrans IIIのSepiaが使いやすいだろうという結論になりました。
問題は、どのように画像を調整するかのゴール設定です。
今回は、この問題を、ペットの写真を例に、考えてみます。
なお、歴史的な写真を見ることができるサイトも、リストアップしてみました。
写真1は、lut 3Dで、Films: Fuji XTrans IIIのSepiaを使っています。
一つは、明るい部分の白の取り扱いです。
古い写真をみると、露出オーバー気味に白い場合と、白といってもセピアが乗っている場合があります。ここでは、後者を目指して、一番明るい部分もでもセピア色をのせる方向で調整してみます。
写真2は、クロマとサチュレーションをプラスに振っています。
サチュレーションは、プラスに振ると画像が暗くなりますので、ここでは、その効果を使っています。
写真3では、コントラストをマイナスに振っています。古い写真は、ダイナミックレンジが狭く、コントラストがはっきりしない場合が多いので、ここでは、コントラストを弱くしています。
写真をセピア色に加工する場合の留意点は、画像をどこまで劣化させるかです。
古い写真は、画像がくっきりしません。コンデジやスマホより、画質が多い場合もあります。
しかし、そこまで、画像を劣化させると、写真としての魅力も減少してしまいます。
古さを感じさせるけれど、肝心なところは劣化させないバランスをとるべきです。
その点では、コントラストを落とすことは、余りよい方法とは思われませんでした。
古い写真を見ていると、背景が暗く、その前の人物が浮かび上がってくる場合があります。
これは、セピアの写真というよりも、モノクロ写真も共通するテクニックかもしれません。
古い写真は、ISO感度が低いので、暗い部分は、ほぼ、つぶれて、判別できなくなります。
写真4では、コントラストイコライザーの新しいインスタンスをつくって、背景の部分に描画マスクをつくって、背景を暗くしています。
この方法は、効果的と思われます。
これから、写真を適当に撮影してから、セピア色を付ける方法では、写真の古さを演出するのでは限界があることがわかります。
写真5は、lut 3Dで、Films: Fuji XTrans IIIのSepiaを使っています。
写真6では、一番明るい部分でもセピア色をのせる方向で調整するために、クロマとサチュレーションをプラスに振っています。
写真7では、トーンイコライザーで、一番明るいゾーンの露光を下げています。
写真8は、lut 3Dで、Films: Fuji XTrans IIIのSepiaを使ったあとで、カラーバランスRGBで、明るい部分に色を強めにつけています。
この写真は、前の犬と後ろの鳥の形の置物のシンメトリックな構図の効果を狙っているので、背景もあまり、暗くしていません。
写真7と写真8は木の床を入れることで、古い雰囲気を狙っています。
写真9は、カラーのもとの画像です。この画像は、室内が暗かったので、写真全体が、黄色みを帯びています。その点が、セピアに向いているかを試してみます。
写真10は、lut 3Dで、Films: Fuji XTrans IIIのSepiaを使っています。
写真11は、クロマとサチュレーションをプラスに振っています。
これで、だいぶ、セピアらしくなりました。
写真11は、写真4のように、背後が暗くないので、古い写真としては、全体がよくうつりすぎています。
写真12では、写真4のように、背景を暗くしています。
写真11よりは、雰囲気が出ていると思います。
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Historical photographic processes
https://www.ntm.cz/projekty/fototechniky/en/
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Felice Beato wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Felice_Beato
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Roger Fenton wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Roger_Fenton
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Historical Photographs BYU University
https://lib.byu.edu/collections/historical-photographs/
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