3月から、実施するといっていたマイナンバーカードの健康保険証が、試験運用で患者の情報を確認できないなどのトラブルが出ているため、当面先送りするそうです。そういえば、先日、市役所に行ったときに、『3月から、マイナンバーカードの健康保険証利用ができます』と書いたポスターが貼ってありました。しかし、誰も、使っていないようなので、変だなとは思っていました。3月から実施するといっていた事業で、3月にバグ取りをしていることが全く理解できません。アルファーテストもベータテストも飛ばして、試験運用をしたのでしょうか。
先日、かんぽ 不正で、3000人以上を処分したという発表が、かんぽ生命と日本郵政からありました。
また、みずほ銀行で、オンラインのトラブルが続いています。
トップが謝罪して、違反者に減給処分をするわけですが、これは、お門違いだと思います。
というのは、トップが謝罪や、違反者の減給処分をしても、リスクは全く変わらないからです。
簡単にいえば、組織がリスク管理をする能力を欠いていることが問題であって、リスク管理システムを構築し直さなければ、トラブルは再発します。
みずほ銀行で、オンラインのトラブルが止まらないのは、謝罪するだけで、リスク管理にメスを入れられないからで、再発しない根拠はありません。
システムにバグはつきものです。中島 聡の本には、Windows95のバグについて記載があります。出荷時に、膨大な数のバグが残っていることは、承知して、WInodws95は、発売されています。ただし、その中には致命的なバグはないということです。つまり、システム開発では、バグはつきものですから、リスク管理をできるか否かがポイントになります。
ちなみに、「違反者の減給処分」はリスク管理上は、禁じ手です。この方法の効果は確認されていません。多くの場合には、飛行機の墜落事故の原因究明のように、事故責任は問われないという原則で調査し、同じタイプの事故の再発を防ぐべきです。違反の場合は、同じタイプの違反が再発しないシステムの整備に力を入れるべきです。「違反者の減給処分」は、違反があったことがバレると減給処分になるので、違反を隠すモチベーションを強化します。今回のかんぽ生命の違反は意図的かもしれませんが、人間はミスをします。「違反者の減給処分」は、ミスを隠せというシグナルになります。
コロナウィルスが再拡大しています。
緊急事態宣言は、解除されましたが、リスク管理上の意味が不明になっています。ここでも、リスク管理にはメスが入っていません。