エッジ処理とフュージョン
エッジを強調する方法には以下のモジュールがあります。
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ローカルコントラスト
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ヘイズ除去
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ハイパスフィルター
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シャープ化(sharpen)
シーン参照ワークフローで、使って問題がないものは、1と2です。3は、注意してつかうもの、4と5は、画像劣化するので、使うべきでないモジュールです。2のヘイズ除去は靄をとるような効果で、他のモジュールと異なりますでの、使い方に悩むことはないと思われます。
エッジ処理をすると画像がくっきりします。これは、実際の見え方(フュージョン)とは異なりますが、場合によっては印象的な写真を作ることができます。
写真1は、ローカルコントラストの使い方の説明です。ローカルコントラストは、まず、デフォルトパラメータで使ってみて、次に、パラメータを変化させて、効きを見ながら、編集の落としどころを探せばよいと思われます。とはいえ、典型パターンもあります。ポートレートでは、highlightsとshadowsの値は0%にするのが基本です。写真1では、夕日の周辺を暗くするために、shadowsの値を上げて、他の値を下げています。夕日の場合には、この設定が有効と思います。
写真2は、highlightsとshadowsの値をあげています。この場合には、エッジが効くよりも、色の部分のコントラストが鮮やかになります。ローカルコントラストでは、detailが、エッジ処理に近い反応をします。
写真3は、霧の朝で、この画像の場合には、エッジを弱くしたいので、highlightsをさげています。
次に、使えるジュールが、コントラストイコライザーです。最初は、プリセットパラメータの利用で、十分効果が出せます。細部調整は、そのあとでよいと思われます。
写真4は、左が、コントラストイコライザーなしで、右が、プリセットパラメータで、コントラストイコライザーありです。右の方がくっきりしています。
写真5は、写真4のコントラストイコライザーなしと同じ画像を全体に表示したものです。
写真6は、コントラストイコライザーをかけて、飽和度をあげるなどのその他の調整も行って、画像を仕上げたものです。
写真5と写真6を見ると、風景の印象が大きく異なります。とくに、エッジ処理は、木の枝などの細部がくっきりすると思いがちですが、この画像の場合には、雲の立体感が大きく異なります。もとの風景に近い写真は、写真5ですが、魅力的な風景という点では、写真6に軍配があがると思われます。
目のフュージョンはダイナミックレンジを拡大するので、全体にのっぺりした画像になります。こうした画像で、一部のエッジ処理やコントラストを強めにすると、ありそうで、実際には見たことのない(ちょっと目を引く)画像を作ることができます。編集の狙いは、この辺りにあります。
写真7は、黄砂の写真です。写真3や写真7の場合には、エッジを強調すると不自然な写真になり、写真が破綻してしまいますので、写真5とは、別の編集方針をとる必要があります。写真7は、拡大に目を引く写真ではありませんが、ちょっと目を引く画像に編集するのは、写真5より難しいと思います。
疑問
これは、未解決の問題です。写真1はF8.0 で絞って撮影しています。ひと昔前であれば、風景写真で、風景をくっきり撮影するのであれば、デジタルカメラでは、センサーによる回析現象が生ずるため、フルサイズのセンサーのカメラではF11、より小型のセンサーのカメラではF8が絞れる限界といわれていました。その後、フジフィルムのカメラは回析補正のアルゴリズムを搭載しているともいわれました。現在、他社がどうなっているのかわかりません。ただ、プログラムモードで使うと、F13以上が自動的に選択されることがあります。また、写真1は、夕日なので光量が少なく問題はありませんが、おなじようなアングルで、昼間に逆光の撮影をすると太陽が大きく写りすぎて、白飛びの部分が大きくなります。逆光の太陽が、白飛びするのはやむを得ないのですが、できれば、画像の中でのサイズを押さえたいです。それには、目いっぱい絞ることが有効です。こうするとF16または、F22の写真ができます。これが良いのか悪いのかわかりません。トーンイコライザーで処理をすると回析補正に近い効果が期待できるようにも思われるのですが、そう考えて、F16を使ってよいのか、わかりません。