1月第３週の東京都の感染者数のまとめ～コロナウィルスのデータサイエンス（１７９）

1月の第３週も終わるので、今週の1月１６日までの感染者データをまとめておきます。

Google Transitデータも更新しました。

Googleの予測データも、1月14日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。

今週の東京都の検査データは、検査数が直近7日平均10,224.4人(6799.3人)、陽性率が直近7日平均14.2%(14.4%)です。これは、1月12日の数値で、（）は、1月6日のデータです。

検査数は増えていますが、陽性率は、変わっていません。検査が依然として、不足していることを表しています。

図１が、1月14日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

行動制限率は、7日移動平均では、年末年始は、-50%まで下がっています。その後、-40%くらいまで戻していますが、それでも、昨年末よりは、人出は、Google Transitについてはすくないです。2週間の時間遅れを考えると、現在は、年末年始の行動制限率の落ち込んだ部分に対応しています。今週後半は、感染者数が依然として多いものの、その前の週を下回っています。週明けの火曜日くらいから、-50%の効果が期待できなくなるので、感染者数が再び増加に転じる可能性があります。

図２は、Googleの東京都の死亡者数の推定です。死亡者数については、程度は変わっていますが、Googleの予測は一貫して、増加を予想してきましたが、今までのところ目立った増加がみられておらず、Googleの予測は外れています。

図３は、Googleの過去の感染者数の予測を並べてみたものです。凡例の日付は、予測モデルの作成日です。筆者が予想していたよりも、ブレは大きいです。特に、過去の経験では、Google Transitデータは、極端に落ち込むと効果があるので、筆者は、年末年始は効く可能性が高いと判断していました。一方、感染が拡大してしまったので、拡大前であれば抑制効果のあったー40%の行動制限の比率が、来週は効かないのではないかと考えています。Googleのモデルは、GoogleのTransitを含む、Mobile Reportのデータを使っているので、この点は考慮されているはずですが、ウェイトは小さいようです。モデルは、恐らく、ベイズ更新を使っているか、似たようなパラメータ更新を使っていると思われますが、推定が大きくばらついていることは、過去のデータに比べ、最新のデータの重みが大きいことを示しています。データ数が少ない場合には、更新データによってバラツキが大きくなるのはやむをえません。したがって、感染者数の少ない都道府県の推定値が変動しやすいのは理解できます。しかし、東京都は日本では、一番感染者数の多い都道府県なので、推定値の変動がもう少し小さくなってほしいです。東京都の感染者数が多いといっても、米国に比べると、けた違いに少ないので、モデルのチューニングが米国の事例を引きずっているように感じられました。

現時点では、Google Transitのデータも非常事態宣言の前までです。来週の中ごろには、今週末の感染者数の減少傾向がくずれるか、はっきりすると思います。

筆者の予測は、恐らく崩れるだろうというものです。その根拠は、陽性率が下がらないので、行動制限の効果は限定的になるからです。