昨日は、12月30日のGoogleの予測値が、おおむねあっていると申し上げましたが、1月6日の東京都の新規感染者が1531人になって、予測が合わなくなってきました。Googleは、1月3日に、更新した予測値を出していますので、12月30日の予測値で、予測の精度を論ずるのは、不適切です。そこで、週の途中で、週末レポートまでには、間がありますが、Google予測の最新版(1月3日)を見てみます。
結論からいうと、1月3日版のGoogle予測は、東京都は1月中の医療崩壊が不可避であるというものです。
12月30日から1月4日まで、5日しかありませんが、その間の変化は過去半年の変化を上回ります。
ここで掲載している東京都の感染者数のグラフは、8月くらいから前回まで、1目盛り50人です。今回は、1月3日のGoogle予測に対応するためには、50人を200人に修正しないと見やすいグラフになりませんでした。100人はスキップしてですから、変化の大きさが指数的になっていることがわかります。つまり、感染爆発になります。
Google Transitデータも更新しました。
Googleの予測データも、1月3日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。
図1が、12月30日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。
図2が、1月3日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。
図3が、12月30日版のGoogleの東京都の死亡者の予測値です。
図4が、1月3日版のGoogleの東京都の死亡者の予測値です。
図3と図4を見ればわかりますが、図3の直線的な死亡者数の増加が、図4では、指数的な増加に転じています。この形の変化は、感染爆発に相当します。
図2に見るように、年末のGoogle Transitの行動制限率は、急速にさがっています。しかし、1月3日版のGoogle予測では、その効果がほとんどないと予測されています。
図5に、経路不明者数と陽性率の変化を示しています。隠れ陽性者が増えています。図2や図4のような爆発的な感染拡大予測は、隠れ陽性者が、感染拡大の主役になったことを想定しないと説明できません。Google予測にはこの効果が入っていると思われます。この場合には、PCR検査を増やして、隠れ感染者を減らして、隠れ感染者が感染拡大を起こさないようにしなければなりません。最近の経路不明者の中に、家庭内感染が増えていることは、この状況に合致しています。飲食店の時短は、年末のGoogle Transitの行動制限率の増加と同じ対策ですから、Google予測に従えば、飲食店の時短は、コロナ対策には効果がありません。過去に、飲食店の時短に効果があったのは、隠れ陽性者が少なかったからで、現在は条件が違いますから、感染拡大の効果は期待できません。帰納法を適正に用いる条件は、最近のデータサイエンスでは、明確になっています。介入を伴わない機能では、ほとんどの場合には、ただしい結論を導き出せません。
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COVID-19 感染予測 (日本版) 12月30日版1月3日版
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NHK特設サイト
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/
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都内の最新感染動向
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
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Google Mobile Report
https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2021.1.6>2021-1-01version.