カラーキャリブレーションの攻略法 (6)ピッカーの使用例(3)
前回の最後は、カラーキャリブレーションを使って、色鮮やかな写真の例を提示しました。
風景写真の場合には、一般には、隅々までくっきりと、細部が見えることが良い写真と言われ、そのためには、撮影は、絞り優先は、F8(小型センサー)またはF11(大型センサー)を使うことが鉄則になっています。つまり、よほど、昼間に撮影するのであれば、F値の小さな明るい、高価なレンズは不要で、写真撮影の中では、比較的お金をかけなくとも、良い写真が撮れることになっています。
しかし、筆者は、アマノジャクの傾向があり、そういわれると本当だろうかと疑問を持ちます。
写真1は、以前に、紹介した輪郭のあいまいな風景ですが、細部はつぶれてよくわかりません。だからといって、ダメな風景写真ではないと思います。つまり、細部が見えることが良い写真でないこともあるというわけです。
写真2は前回に示した「カラーコントラストと輪郭の強い写真」です。この写真の場合には、細部が見えすぎることが、写真が不自然に感じる原因になっています。
それでは、風景写真でも、細部を甘くした方が良い写真になるのか試してみようというのが今回の課題です。
写真3は、ソフトフィルター効果をかけています。
写真4は、ローカルコントラストを弱くしています。
写真5は、トーンイコライザーをはずしています。
写真6は、カラーゾーンをはずしています。
以上は、どれも、細部を甘くする方法です。
この中では、写真5のトーンイコライザーをはずした画像がベストに思われました。
まとめ
画像編集では、どのような画像が理想の画像であるかを、まず、頭の中に描くことが出発点になります。
トーンイコライザーは、露光のゾーン別に効果のある露光補正なので、色は変わらないと思っていましたが、今回の例では、色が変化して、この画像の灯台が一番きれいな色になりました。これは、予想外でした。
おまけ
夕日のシーンでも、カラーキャリブレーションのピッカーをためしてみました。
写真8は、夕日の画像に、ピッカーを使用した例です。この画像の場合には、サンプルエリアを変えても、夕日らしい色合いにすることはできませんでした。
写真9は、色温度設定を手動で操作して、夕日の色をだした例です。スライダーの右側が青くなっていて、右に動かしたら、青くなるのかと思ったら、違っていました。スライダーを右に動かすと、赤いスライダーの部分が広がります。最初は、スライダーの中に赤い部分が少なかったので、これは、難しいと勝手に思い込んでいました。
夕日に、ピッカーを使わないで、マニュアルで色温度を設定する方法がよいと思われました。